詩一つ『ミルクの手』#詩 #poem | 青冰月鯉の詩
詩一つ『ミルクの手』
「ねえねえ、あのね。」
ぼくは、あの子にこう言った。
「ぼく、きみのこと、だいすきなんだ」
ぼくもあの子も
かぁー、とはずかしくなって、
うつむいちゃった。
僕は手を出してみた。
あの子も手を出して、
僕らは少しあくしゅした。
かぁー、となった、たいおんで、
僕らの手はあたたかくなってて。
それは、
れんじでチンした、
熱いミルクみたいで。
ミルクをこぼさないように、
とうきのコップをおとさないように、
そっと、
あの子と手をつないだ。
冬のさむい、さむい中、
僕らの手は、
温められたミルクになった。
#詩 #poem