日本映画ブログー日本映画と時代の大切な記憶のために

日本映画をひとりの男が見続けます。映画はタイムマシンです。そういう観点も含め多様な映画を解説していきます。範疇は作られた日本映画全てです。


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春日和

1967年 松竹

監督:大庭秀雄 主演:岩下志麻、粟塚旭、山形勲、左幸子、加藤治子


本日から、3本「春」にちなんだ映画。といっても、「青春」などと使うように「春」のついた映画はかなりある。まあ、「春」の季節を感じる映画と理解していただきたい。今日は、岩下志麻主演の松竹の春映画。岩下のさまざまに変化する髪型、服装は華やかで、確かに春である。志麻さん、セーターの中の胸が、ツンと上を向いていてステキです。(男的には、話にはあまり興味なく、そんなとこばかり見ていました。失礼!)


菓子メーカーに勤める岩下。彼女には取引をしている玩具会社の恋人(粟塚)がいた。永いつきあいの二人は結婚にふみきれない。粟塚はいかがわしいホテルに連れて行き強行突破しようとするが、失敗。仲を悪くする。岩下は、結婚すると母がひとりになるのが心配。そこで、粟塚が提案する。昔、別れた大阪の岩下の父親を連れ戻し、母と一緒にして、結婚しようと。二人は、即、大阪に。父親(山形)は喜んでむかえてくれる。しかし、一緒に住んでいる女(左)もやさしく迎えてくれる。左は山形と宗教、その他をしきって、なんとか暮らしている。粟塚は山形を口説くが戻れないという。岩下はやさしく面倒みてくれる左に「お返しします」といわれる。左は二人が何をしにきたかを理解していた。二人は、山形を無理強いせずに東京に戻ることに。帰りの新幹線の中、結婚することを約束する。



映画の冒頭、玩具メーカーの粟塚が、岩下のいる菓子メーカーに売ろうとする商品は「吠えるギララ」である。この映画の公開が、4月29日。「宇宙大怪獣ギララ」の公開が3月25日である。まあ、いろいろ商品もでていたから、宣伝もあったのだろう。そう、そんなマヌケなシーンから始まる映画は、次にラブホテルに話がうつる。永い春を重ねてきたとはいえ、このシークエンスもまぬけである。岩下のような美女をさそうにしては・・・・?


粟塚旭=燃えよ剣、という時代劇イメージが強すぎて、現代劇の彼を見たときに、あなたは誰?という感じだった。何か眠っているような目もいただけない。これも、岩下の相手としては・・・?


まあ、冒頭の東京での話がまぬけなので。話がのってこない。大庭秀雄監督は、松竹的なものを撮る人とのイメージはあるが、やはり、今一、印象が弱いのは、こういう映画の組み立て方の下手さ加減なのかもしれない(この辺は今後、追求していきたい:松竹の2番手監督の力量)。まあ、脚本段階でのミスかもしれないが、それなら演出は気付くべきだと私は思う。


大阪に二人がいくと、一気に話は回りだす。山形勲、左幸子という芸達者を得ることで、やっと映画に魂が吹き込まれる感じがする。左幸子の、対応はすごい。宗教のお祈りの主になる姿もすごいし、岩下との掛け合いも見事。平穏が戻り、山形と話を交わす姿も板についている。こういう俳優が少なくなったことが、今の日本映画の疲弊をまねいている。そして、それは演出家の力量のなさ、苦労のなさ、センスのなさによる。簡単にいえば、プロ意識の欠如である(どの商売も同じなので、映画産業のみを責める気はない)


話は坦々と進む。まあ、最後に二人はなかなおりして「春日和」なのだろう。春的なシーンは、山形と粟塚が飲んでいる時の「驟雨」(バックに「柳ヶ瀬ブルース」のメロディーが流れる)そして粟塚と岩下の掛け合い時の「春かすみ」くらいであろうか?一応、気にして挿入してある。


大阪の風景は結構でてくる。通天閣が見える街並みは、まだ暗い(ちょうど、「王将」にでてくるシーンが少し現代的になった程度である)。万博前の土地の詐欺話もでてくる。大阪が変わろうとしていたときの風景だろう。


4人で、摩耶ケーブルで神戸を展望するシーンがある。たぶん、車両も今とは違うはず。ラストシーンは0系新幹線で帰る。(車内の風景は、今は貴重。乗って、落ち着いたとたんにタバコを咥えているが、もうありえないシーンだろう)そして、大阪では、新幹線があわただしいという会話がある。なんか、いい時代だ。


まあ、岩下志麻をフューチャーした映画だが、特に魅力が強いわけではない(最初に書いたように、岩下のファッションショーとしては面白く見れる)。やはり、岩下を一番美しく撮れるのは篠田正浩だと思うのだが、いかがでしょうか?


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