あの日から、もう1年がたとうとしています。

下に紹介する動画では、2011年3月11日の大震災のとき、
未曾有の大津波は予測できたのに、それが活かせなかった詳細を
自民党の小野寺五典衆議院議員が語っています。

ものすごく大事な内容だと思いましたので、取り上げます。

<動画>
大津波予測を伝えることが出来なかった政府組織

2012年3月3日 仙台市で行われた自民党ネットサポーターズクラブ 公式オフ会より


小野寺議員の発言部分を文字起こしします。文責はわたしです。
文中の動画は2月2日国会予算委員会のときのものです。

文字起こしここから↓====================
今回の気象庁の津波予報のおかげで、多くの人が死にました。
実はこの事実は、震災直後から知っていました。だけど、言いませんでした。
恐らく国会でこれを取り上げると、原発の事故よりももっと大きなうねりになって
責任者追求になって復興の予算が通る、その前に何人も大臣が辞める羽目に
なるかもしれない、そう思ってあえて言いませんでした。
ただ、1年たって、最近全国で地震が多くなってきた。
これは、もし津波が起きたら同じことがおきると思って、
この間あえて、質問させていただきました。

こういうことです。
実は今回三陸沖、津波が来るってずうっとわたしたち99%の確率なんて
いわれたものですから、沖合いにブイを浮かべてました。
(右手を左から右へゆっくり上下しながら動かして、
たくさん浮かべているしぐさをしながら)
そして、津波が沖から襲ってきたら津波の高さでそのブイがグワ~っと
(右手を下から上に持ち上げるしぐさで)持ち上がる。
即座に人工衛星で、沖合い何10キロのブイは、今何メートル高くなったと。
そうすれば、沿岸に何分後に着いて、何々町の何丁目まで何メートルの津波が来る。
こういう予報システムを作ってたんです。(GPS波浪計)

今回津波が来ました。
この予報システムは、完全に当たってました。
気象庁にもデータ(が)行ったんです。
沖合いの津波計、4メートルを超える津波が来ても測れた。
経験測からいうとこれは最大20メートルを超えるとんでもない津波ですよ。
ところが気象庁は何をしたか。
このデータを無視したんです。
そして気象庁が発表した津波の高さは、
宮城は最大6メートル。
福島、岩手は最大3メートル。

$気になる☆気になる☆-20120202 衆議院 小野寺五典 気象庁津波警報

$気になる☆気になる☆-20120202 GPS波浪計想定と実際の浸水域
画像2枚目解説
左:津波防災支援システムによるM8.4、GPS波浪計津波高5.5mを想定した浸水域図と
右:東日本大震災の実際の浸水域(気仙沼市)は
ほぼ想定と同じ水域が浸水していた。
解説ここまで

だから、
陸前高田では3メートルだったら、水門閉めれば津波来ないんですよ。
消防団みんな行ったんです、水門閉めに。
南三陸町では、最大6メートルだったら2階にいれば大丈夫だったんです。
だから防災庁舎にみんな残って最後まで町民に知らせたんです。
大川小学校では、どこに避難したらいいか、
6メートルだったら判断迷ったんです。
実際に来た津波・・・最大16メートル
ビルの5階でもダメかもしれない。
一番遡上した高さ、高いところは40メートルですよ。
これ気象庁があとで言ってるんです、予報が間違った。
そしてせっかくの津波計の情報を無視した。

何で無視したか知ってますか?

沖合いの津波計(GPS波浪計)を設置したのは、国土交通省の港湾局。
津波の予報を出したのは、国土交通省の気象庁。
役所違うからダメだと。

実はこの問題、わたし前にも国会で質問してたんです。
何とかしろ何とかしろ何とかしろ!

あとで議事録見ました。
この津波計の情報を気象庁が直接使えるようにしろ!
後で議事録見たんです、いつ俺質問したのか。

質問した日は、衆議院の災害対策特別委員会。
2010年の3月11日。
震災の丸1年前の日に実は質問をしていました。
今でも、あの時の情報がしっかり使ってもらえれば、
こんなことにはならなかった。それを悔いています。
そして実はこのことは気象庁にもしっかり伝えました。
気象庁も実は知ってました。
今回の、24年度の予算では三陸沿岸だけじゃなくて、
これから、東海東南海全体に、このブイが設置されます。
そしてこの情報はきちっと使うと、そう明言しました。
そして最後に、恐らく報道で見たと思いますが、
津波の最大高さというのは、もう出さないようにしよう、
こういうような、今回の改善をしていただいてます。
ぜひわたしたちが経験した、こういう辛い経験を、
今どこで起きるか分からない全国の皆さんには
二度と味わっていただきたくない、そういう思いでありました。
どうも見ていただいてありがとうございました。
文字起こしここまで↑====================


2012年2月2日衆議院予算委員会の動画はこちら
311 気象庁 津波警報の無念 GPS 波浪計のデータを活かせず




また
TBSの2011年10月11日のニュースで
GPS波浪計が活用できなかった理由を取り上げています。
GPS波浪計の予測、なぜ活用できず?

一部引用します。
引用ここから↓====================
 2007年から三陸沖などに設置された巨大なGPS波浪計は、「津波の被害を大幅に減らす」と期待されていましたが・・・。3月11日の大津波、GPS波浪計は気仙沼に津波が押し寄せるおよそ10分前に、その高さが20メートル近くに及ぶことを正確に予測していました。

 しかし、その情報は市民のもとへすぐには届きませんでした。第一報は6メートル。情報が修正され、「気仙沼市に10メートル以上の大津波が来る」と呼びかけられ始めたのは、一部の地域に津波が到達した後でした。

自治体もGPS波浪計の情報を活用することができませんでした。気仙沼市では、国が受けた波浪計からの情報をインターネットを通じて得ることになっていましたが、通信回線がつながらず、結局、限られた情報しか入手できませんでした。
引用ここまで↑====================


<感想>
TBSニュースでは、
GPS波浪計の情報はインターネットで各自治体に情報が伝わるはずでしたが、
それがうまくいかなかったとあります。

小野寺議員によると、
気象庁の津波予報の高さが実際より低かったために(津波到着後修正)
災害が大きくなったのでは、という指摘です。

そもそもGPS波浪計による津波高予測システムの情報を、
気象庁が発表してくれればよかったのでは、という話ですよね。

GPS波浪計の情報の方がよっぽど正確なんだし、
気象庁独自の予報なんか当たらないし、
各自治体がネットで情報収集しようにも通信回線がつながらなくなったけど、
気象庁の発表なら防災無線で入手できるんだから。

なぜできなかったか、
役所違うからって・・・
同じ国土交通省なのにあきれて物もいえない。


いろんな場面でいえるけど、とにかくもう縦割り行政はやめてくれ!




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奮闘する小野寺議員