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日本でもとうとう公開になりましたね~。
この映画、
一言でいうなら、
住み込みベビーシッター(Nannyと英語ではいいます)目線で描く、
子育てSex and the Cityといったところでしょうか。
アメリカでは昨年公開だったのですが、当時の評判は今ひとつだったことと、
ベストセラーとなった原作「The Nanny Diaries」を6,7年前読み、超面白かったため、
イメージがくずれることを恐れ、DVDでも見ていなかったのです。
- ティファニーで子育てを (文春文庫)/エマ・マクローリン
- ¥780
- Amazon.co.jp
(日本語でも翻訳されておりますね^^)
ただ、翻訳は、女の子をお持ちのママならみんな知っているボンポワンの服を英語読みで「ボンポイント」と書いていたり、鈴木メソッド(ピアノやバイオリンの教え方のメソッド)を鈴木式と書いてあったりするらしい。
いつも翻訳小説を日本語で読むときに感じることだけど、固有名詞の誤訳が気になる~。わかんなかったら当てずっぽうで訳さないで、きちんと調べてほしいなぁ。
その固有名詞のもつイメージまで正確に訳すことができる人が翻訳することって、原作のイメージを壊さないで伝えるためにすっごく大切なことですよね。
けれど、映画は、日経新聞
にかなり好意的な批評を見つけ、やっとDVDで見てみました。
で、わたしなりの感想ですが、軽く笑えて、面白かったです~^^
Sex and the Cityみたいな映画が好きな人はみる価値あるかも。
ニューヨーク、アッパーイーストの裏側をのぞけるというミーハー感覚も満足させられるし、
スカーレット・ヨハンソン演じるナニーもなかなか好演していると思います。
もちろん内容を暴露するというような無粋なことはここでは致しません。
一応のアウトラインと共に、
わたしからは、
アッパーイーストでどっぷり子育てしているからこそわかる
字幕では省略されているかもしれない固有名詞やその行間の補足だけさせていただこうかなと思います。
こういう映画をアウトサイダーとして見る際、一番チャレンジングなことが、
固有名詞のもつイメージの理解です。
たとえば・・・・
日本人なら早稲田大学と慶応大学のイメージの違い、説明なんてなくても、
多くの人がぱっと分かりますね。
ヒルズ族といえば、ぱっとそれなりのイメージが浮かびますね。
だから、ここでは、
ダートマス・カレッジといえば、超プレッピーな学校、
ラストネームが「ロッジ」といえば(Room to Readジャパンチャプターの創設者スーザンのお嫁に行った先)オールドマネーで名門のイメージ、
というように、ニューヨーク私立校育ちなら11歳の子供でも知っているような、
固有名詞にまつわる「イメージ」、の補足だけさせていただこうと思います^^
典型的なNYアッパーイースト、5番街の豪邸に、住み込みナニーとして働き始めたアニー。
原作の小説では、アッパーイースト育ち、Chapin出身の女の子がナニーとして、
パークアベニューのおうちに住みこむ設定ですが、
映画では、ニュージャージー州出身(東京でいう埼玉のイメージ)NYU(ニューヨーク大学)を卒業したばかりの女の子が五番街のおうちに住みこむという設定。
アニーのお母さんは女手ひとつで看護婦として苦労してアニーを大学にまでいかせます。
お母さんの希望は、アニーがゴールドマン・サックスかなんかで、ファイナンシャル・アナリストとして職を得ることだったのよね~。
ゴールドマンサックス
金融最大手、名門投資銀行だった。だったと過去形なのは、金融危機のどさくさで、際限なくレバレッジをかけられる投資銀行部門から、レバレッジ比率に限界のある銀行部門に変わったから。
仮にアニーがここでファイナンシャル・アナリストとして(まずは)ジュニアポジションを得ることができ、運が良ければ(金融危機前であれば)30歳で5千万円稼ぐことも夢じゃなかった。調子狂っちゃいますね、この世界は。
実際、ゴールドマン・サックスでのジョブ・インタビューのシーンもあるのですが、ビルは、保険会社、トラベラーのビルを使用しています。
で、お母さんには内緒でナニーとして住み込むことにしたアニー。
彼女のミッションは、そこの家の息子ちゃんを、名門私立男子校で、あのジョンFケネディ・ジュニアも通った Collegiateに見事補欠入学させること!
ニューヨークの名門私立校、ジャッキー・ケネディも通ったChapinについては こちらへ
ニューヨークの名門男子校 Collegiateについてはこちらへ
お部屋にこういうテントをつくって遊んであげるほのぼのするシーンがあります。ナニーとしてはすばらしい!
うちの娘も10歳までしょっちゅう、こういうテントを作って中にこもっていました。
アニーは住み込んでいる5番街のビルの上階に住む、ハーヴァード大出身の男の子と仲良くなります。
つまり、お金持ちのボンで、高校はボーディングスクール、
勝手な補足をさせてもらえば、
そのボーディングスクールはきっとセント・ポールかフィリップス・アカデミーのアンドーバーかって感じのエリートを絵に描いた男の子なわけです。
そんなアニーを隠しカメラ(ナニーコムといいます)でチェックしている雇い主のマダム。
この人が、今や昔の社交界マダムタイプで、と~ってもミゼラブルな印象を受けるのですが、
彼女のバックグランドはこうです。
結婚前は、ガゴシアン画廊でディレクターのポジションにいた。
ちょっとちょっと~! 実名で画廊名出していいのかなぁという感じですが、
ガゴシアン画廊という固有名詞のイメージはちょっと上級編。
今ならあの、村上隆さんのレップをしている画廊ということで有名になっちゃいましたが、
コンテンポラリー・アートの名門画廊。
ほら、「Sex and the City」でも一番お嬢様のイメージが強いシャーロットは結婚前、画廊に勤務していたでしょ。
大学でアートヒストリーを専攻し、後にはサザビーズやクリスティーズなどのオークション会社や、
美術館でキューレーターの職を得たり、有名な画廊に勤務するっていうのは、
いわゆる典型的なアッパーお嬢様の進路のひとつといえましょう。
この映画の原作者は、この映画のモデルとなる女性に、1990年代初頭、
ナニーという仕事を通じて出会うのですが、
もう時効かなということで敢えて書かせていただければ、
当時のガゴシアン画廊のオーナー(男性)は、離婚したての女性とお噂があったのですが、
その方というのが元夫からの慰謝料で一気にアメリカの長者番付トップ5に入ってしまったというアン・バスさん。
つまり、ガゴシアン画廊というのは、画廊としては珍しくアッパーイーストにあり、
ソサエティの客が集まる、ちょっと華やかな噂が絶えない名門画廊、といえばいいかしらん。
次回は、とってもミゼラブルな印象を受けるこのマダムの信憑性などの分析、
アニーがぼくちゃんを連れて行くダイナーの実際の場所をこっそりお教えします!
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という
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会場で普段着のままですが、お目にかかれますことを心より楽しみにしています。
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