生体肝移植の際、提供者から切り取る肝臓のサイズを小さくできる手術法を、自治医科大と京都大の研究チームが開発した。さまざまな組織に分化する「間葉系幹細胞」を使って移植後の肝臓の再生を促す方法で、ラットを使った実験で効果を確かめた。年内にも実際の患者への応用を目指す。18日、広島市で開かれる日本再生医療学会で発表する。

 チームは、ラットの肝臓の7割を切除し、血流を一時止めて移植手術を受けた状態を作り出した。その後、骨髄から取り出した間葉系幹細胞を、肝臓につながる門脈から投与し、様子を観察した。

 その結果、投与ラットの肝臓は1週間後に切除前の重さに回復。組織に障害は見られず、肝細胞が破壊されると上昇する酵素の値もほとんど上がらなかった。一方、間葉系幹細胞を投与しなかったラットの肝臓は再生が遅れ、1週間後でも約4割軽かったほか肝臓組織にも障害が起きた。

 チームは大型動物のブタでも実験した。骨髄より採取しやすい脂肪由来の間葉性幹細胞を投与して、同様の効果を確かめた。

 日本肝移植研究会によると健康な肝臓提供者の3・5%が手術後に重い合併症を発症。切除のサイズが大きい場合、何らかの合併症が1割近くになることが分かっている。チームの小林英司・自治医科大客員教授(移植・再生医学)は「患者を助ける提供者が(合併症などで)患者になることは避けなければならない。できるだけ小さな切除ですませる安全な手術を実現させたい」と話す。【永山悦子】

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