整形外科・スポーツ整形の画像診断・読影を学び、要点をついた撮影法を考える

患者の役に立つ診療放射線技師になるため、何をしたらよいのか!?私の答えは「学び・考え・実行すること」!整形外科施設に勤務し、これまでX線画像15万枚、MRI検査8000件、CT検査500件経験をしてきた。この中の症例から学んだことを紹介する。


テーマ:
みなさんこんにちは!
今回は、肩関節についてお話します
肩関節疾患で重要な「腱板損傷」をテーマにしました


整形外科・スポーツ整形の画像診断・読影を学び、要点をついた撮影法を考える


まずは解剖のおさらいです
腱板は4つの筋の腱から構成されます
①棘上筋
②棘下筋
③肩甲下筋
④小円筋

腱板はrotator cuffと呼ばれます

損傷が多いのは
1位棘上筋
2位棘下筋

となっています


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腱板断裂のX線画像です
肩関節正面像で
第二肩関節の狭小化が起こっています
(第二肩関節は肩峰―上腕骨関節です)
これは、棘上筋が断裂し
三角筋によって上腕骨頭が上方にひきあげられた状態です


腱板の機能は上腕骨頭を関節窩に引きつける働きで
三角筋は、上腕骨を上方に引き上げる働きです
このバランスが崩れた状態が
X線画像の「上腕骨頭の上昇」をひきおこします

ちなみに
腱板損傷は
ヤングに少ない!
(強い外傷でなら起こる)
50歳以上に多いとされています


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原因と病態の話です
原因として3つ挙げられますが
外傷か自然発症かということになるでしょう

外傷は、手をついたり
ラグビーなどのスポーツで肩をうったり
ということです

野球や水泳(クロール)などでは
原因3番目の
慢性の機械的ストレスが多いようです!

2番目の原因は肩鎖関節のOAによるものです
X線画像でも確認できる病態です
1・3番目の病態はX線画像で確認できません


ここで
「滑液包」という言葉がでてきましたが
滑液包=肩峰下滑液包です次のスライドを見てください


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この図は
滑液包が炎症し液体貯留がおこり
滑液包が敗れ腱板断裂した部分に
滑液包の液体が流れ込んだ
病態を表しています

肩峰下滑液包は
肩峰下面と腱板表面の間に位置し
腱板のスムーズな滑動性を保つ働きをしています

肩峰下滑液包は
腱板が損傷されるとき、同時に損傷したり
滑液包だけが損傷したり
腱板だけという場合もあります


腱板損傷や滑液包損傷は
MRI画像でみることができます

MRI画像では
腱板損傷か滑液包損傷かを判定しまければなりません


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では症例です
社会人バスケをされている
32歳男性です
バスケ中に肩の痛みが大結節付近にあるということでした

X線画像には
大結節の腱板付着部に
骨不整像がみられます
(これは腱板損傷を疑うX線所見です)


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腱板損傷を疑いMRI検査をおこないました
腱板付着部にT2強調画像で高信号
腱板損傷を示唆するMRI所見です!

MRI検査では
・腱板断裂
・腱板炎
・腱板肥厚
・滑液包炎
・関節内病変
を鑑別しなければなりません!


腱板断裂や滑液包の液体貯留ははT2強調画像
腱板炎・肥厚は、T2*強調画像や脂肪抑制画像で
判断となります


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MRI画像の病態を表した図を最後に示します
棘上筋の一部が断裂しています
部分断裂ということになるでしょう!

まとめは
腱板断裂では
X線画像でわかる!
所見は「上腕骨頭の上昇」
腱板部分断裂や損傷は
X線所見の大結節不整像で
疑うことができる!
MRI画像では
腱板損傷(断裂)
腱板炎・肥厚
滑液包炎
を鑑別する!


これらの病態がみえるよう
肩関節撮影をおこなうことが大切!!


今回はこれでおわります
最後までありがとうございました
感想お待ちしております!

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