国際対がん連合(UICC)日本委員会は世界対がんデーの2月4日、東京都内で「がん予防は子どもから」をテーマに公開シンポジウムを開いた。たばこをやめる、肥満を避ける、がんの原因となる感染を防ぐことなどで「がんは予防できる」との観点から、がんや学校教育の専門家ら6人が講演。会場では医療従事者や教育関係者、一般市民など約120人が熱心に耳を傾けていた。

 「ワクチンで予防する子宮頸がんと肝がん」のテーマで講演した愛知県がんセンター研究所疫学・予防部部長の田中英夫氏は、子宮頸がんの原因物質ヒトパピローマウイルスや、日本で昨年12月に発売された子宮頸がん予防ワクチンなどについて説明した。
 また、高校生などが生物の授業で、細胞、各臓器の位置や働き、ウイルスなどについて学ぶことを指摘。ワクチンで予防できるがんがあることを中高生が理解するために、「これらの情報をお互い関連付けることで、頭に入って行くのではないかと思う」とし、生物などの授業を通じてがん予防への理解が広がることへの期待感を示した。

 大阪府立健康科学センター部長の中村正和氏は「タバコとがん-子どもの未来の健康を守れ」のテーマで、未成年者の喫煙の問題点やたばこ依存症となる仕組みを説明し、喫煙などが「深刻な薬物乱用に進展する入門薬物、『ゲートウエードラッグ』になることが分かっている」と指摘。喫煙防止対策として、「たばこの値上げ」など、たばこを入手しやすい環境の改善を行うことなどを挙げた。

 国立成育医療センター成育政策科学研究部室長の原田正平氏は講演「子どもの生活習慣とがん予防」の中で、年齢ごとの健康対策啓発の必要性を指摘。その上で、「(がん対策などを)やってはいるが、縦割り行政である」「分かりやすい形での啓発が少ないのではないか」と問題点を指摘し、シンポジウムを通じて「がん予防に肥満対策や運動の促進が関係し、それが子ども時代から重要な意味を持つということを知ってもらえたら」と述べた。

 東大大学院教育学研究科教授の衞藤隆氏は「日本の学校教育にみる、がん予防」のテーマで、子どもたちががんについて「学習し得る機会」について言及し、学校教育の中で「がん予防」学習を行うための現実的な策として、学習指導要領に対応した内容の副教材の開発を提案した。

 兵庫教育大大学院教授の鬼頭英明氏は「世界の学校教育にみる、がん予防」のテーマで、米英の健康教育などについて講演した。

 最後に講演した財団法人札幌がんセミナー理事の小林博氏は、「子どもが親を変える-スリランカ10年の経験から」と題して、同法人のスリランカでの活動を紹介。現地の学校で子どもたちが、▽健康のために何ができるかなどを自由に話し合うワークショップ▽ワークショップの結論をニュースレターにして発行-などに取り組んだ結果、子どもたちに共鳴する形で親らの行動変容が起こり、喫煙率の低下、飲酒量の減少などが見られたことを説明した。


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