山科にある毘沙門堂です。
護法山安国院出雲寺という天台宗の寺。
毘沙門天を本尊とすることにより毘沙門堂の名があります。
古代豪族・出雲氏が本拠地を置いた出雲路(上京区)に平安京遷都以前に創建された上出雲寺を前身とするといいます。この寺は鎮守社を残して荒廃。建久6年(1195年)、平親範が平等寺、尊重寺、護法寺の3つの寺を統合して3棟を建て、出雲寺と名付けて継承。この寺も荒廃しました。
慶長16年(1611年)、徳川家康に仕えて黒衣の宰相と呼ばれた天台宗の僧・天海が出雲寺を復興。再建の地は出雲路ではなく山科・安祥寺の寺地が割かれました。天海は途中で入滅したため天海の弟子・公海が継承。寛文5年(1665年)、現在地に復興されました。公弁法親王(後西天皇皇子)が毘沙門堂に入ってより、幕末まで皇室や摂家の子弟が門主を勤める門跡寺院でした。天台宗五箇室門跡(残る4つは青蓮院、三千院、妙法院、曼殊院)の一つ。
勅使門へ続く参道。
勅使門。
楼門に掲げられる毘沙門天の提灯。
本堂。
本尊・毘沙門天像を安置します。
大玄関。
宸殿。
元禄6年(1693年)、後西天皇の旧殿を移築したもの。
弁天堂。
晩翠園。
江戸時代初期作庭の池泉回遊式庭園。
毘沙門堂;京都市山科区安朱稲荷山町18