【映画】パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト | 謙虚なオラオラ\(^_^)/勝手にシンガー荒牧陽子サポーター

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天才フラメンコギタリスト、パコ・デ・ルシアのドキュメンタリー映画にいってきました

「パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト」



個人的には、ジョン・マクラフリンが好きだったのでその流れで、70−80年代のギタートリオの時期の作品をよく聴いてました。
フラメンコと言うと、学生時代にスペイン旅行した時にたまたま聴いたのが素晴しかった。有名な人なのかよくわからなかったけど女性の歌と踊り、フラメンコギターの激しいサウンドはパンク少年も魅了したのだった
リズムが複雑であって手拍子は出来なかった、、隣の旅行者らしい日本人がヘタな手拍子をしていたので「やめたほうがいいですよ」と言ったのを思い出したw

パコ・デ・ルシアは音楽一家に生まれ、父親も兄弟姉妹もフラメンコミュージシャンだ。特にパコは幼少のころからリズム感とギターの技術はずば抜けていた。
10代でリーダーアルバムを出すなど順調にキャリアを重ねて、フラメンコの巨匠サビーカスなどに師事。
次第にフラメンコの可能性を拡張すべく、ジョン・マクラフリン、アル・ディ・メオラなどジャズ/フュージョンのミュージシャンと共演する。このあたりで才能が一気に爆発、フラメンコに革命をもたらす。

ところが、サビーカス等伝統的フラメンコ界からは色んな要素を取り入れた事に対し厳しい批判を受けることに、、、、

しかーーしパコ・デ・ルシアは常に新しいことにチャレンジ!!映画の最後には伝統派のサビーカスも「私の弟子のパコが一番」と、、、ついにパコの革新的な音楽は認められたのだ!!!

この映画は音楽のドキュメンタリーなので当たり前だが、パコの演奏シーンが多く素晴しい音楽にうっとりとさせられた。音楽ドキュメンタリーなのに案外演奏シーンが少ない作品もあるんだけど、本作は大満足。
超絶技巧のフラメンコギターは、伝統的な演奏もジャズ/フュージョン的なものもすべて圧倒的であって。特に映画の大スクリーンで細かな指の動きが見られるためそのトンデモナイ天才ぶりがわかる。いやーずっと聴いていたい!!

この映画ではパコの半生が良くわかったし、音楽に革新をもたらした経緯も丁寧に描かれていた。
サウンド面でも満足

ただ、パコを神格化するあまり伝統的なフラメンコ→革新的なジャズ/フュージョンという単線的な進化史観に囚われているように思えた。
伝統的なフラメンコの巨匠サビーカスを保守主義者みたいに描きすぎている。もちろん最後はパコも”伝統的な世界でも”認められたというオチではあるけども、やや単純に図式化している。

音楽の進化というものは決して単線的なものではなくって、時代が昔の音楽=古くさいとは決して言えないでしょう。時間やいろんな国の音楽が行きつ戻りつ影響し合いながら新しいものが生まれる。

サビーカスを知らない若い人に、彼のギターを聴かせたら”何コレヤバい!!新しい!!”と思うかもしれないですよ、、そして案外80年代のフュージョンの方が古くさく聴こえるかも

パコはフラメンコに新しい要素を取り入れましたが、むしろロックがフラメンコの影響を受ける事もある。ビョークなんかもフラメンコテイストを取り入れているし、Museのギタリストマシューは若い頃フラメンコギターを修行したのもあって、エレキギターでもあの独特のかきむしるような音を出している。

フラメンコっていいな、、と改めて映画をみて思いました

パコ&ジョン&アル



ビョークのso broken