シャトー・クリマン詳解
シャトー・クリマン
Chateau Climens
Premiers Crus/Sauternes
AOC Sauternes/AOC Barsac
Commune Barsac
~貧しく,痩せた土地の意。
セカンド シプレ・ド・クリマン
Cypres de Climens
畑 面 積 30ha
年間生産量 2.5万本~3万本
オーナー ベレニス・リュルトン女史(1992年承継)
Berenice Lurton
(リュシアン・リュルトン1971年取得)
作付割合 セミヨン100%
平均樹齢 35年
植栽密度 6,600本/ha
平均樹齢 35年
平均収量 7hl/ha(グラン・ヴァン)、13hl/ha
収 穫 手 摘
発 酵 天然酵母、区画毎20ケ月~22ケ月。
新 樽 率 35%~50%
樽 熟 成 18ケ月~24ケ月
清 澄 しない。
濾 過 す る。
飲み頃の続く期間/ 収穫後7年から25年
評 価 ボルドー第4版より 重要なヴィンテージ
古いヴィンテージ
クリマンは輝かしい記録の持ち主だ。一貫性や、偉大なワインの数で凌駕するのはデイケムのみである。1970年代では、1976年(90点最終試飲2000年11月)、1975年(91点最終試飲1999年3月)、1971年(96点最終試飲2002年8月)がいずれも偉大なワインとなった。殿堂入りしたヴィンテージのものでさえ素晴らしいワインとなり得る。例えば1962年(90点最終試飲1997年3月)、1949年(96点最終試飲2001年1月)、1947年(94点最終試飲1990年11月)、1937年(90点最終試飲1988年11月)、1929年(92点最終試飲1988年11月)がそうだ。新品同様のまま保管されていた瓶ならいずれも未だに凄い状態にあるのではないかと思う。
○1980年 PP90
この1980年は、傑出したバルサックを造ってきた、クリマンならではの素晴らしいヴィンテージである。トロピカルフルーツ、パイナップル、メロンのエキゾチックなブーケは、真のトップクラスだ。味わってみると、リッチだが、重いとかうんざりするほど甘いということはない。キレがあり、豊潤さのある、ミディアムボディの、みずみずしい、ビロードのような、葡萄の完熟感のあるフルーティな風味をしている。卓越した作品で、このヴィンテージで最良の甘口ワインの1つである。最終試飲1990年12月
予想される飲み頃 2000年まで
○1983年 PP93
急速に力を付けつづけている見事なワインだ。蜂蜜、ポップコーン、パイナップル、グレープフルーツの趣が感じられるほか、ほのかなロウソクのロウやラノリンもある。フルボディで、非常にリッチで、酸は良好で、相当な貴腐が感じられる。フルボディの、広がりのある、強烈な口当たりをしている。これまた輝かしいワインだ。どうやら飲み頃の高原部に近づいている様である。最終試飲2002年11月
予想される飲み頃 2016年まで
○1984年ノン・リリース
○1985年 PP85
非常に淡い黄色/黄金色をしているが、ほのかな緑も見られる。味は遅摘みされたグラーヴの白のようで、バルサックとは対照的。ミネラルや花の趣が姿を現す。ミディアムボディの、単刀直入な、非常にクリマンらしからぬ作品である。ミディアムボディで、いくらか甘さはあるが、複雑さはあまりない。最終試飲2002年11月
予想される飲み頃 2003年まで
○1986年 PP96
これまた並外れたクリマンだ。ささやかな収穫で造られており(1,000ケースもないのだ)、14.5%というアルコール度数、101g/㍑という残糖分を実現した。深みのある黄金色をしており、クレーム・プリュレのノーズや、オレンジマーマレード、パイナップルリキュール、トロピカルフルーツ、いくらかのココナッツやバニラのノーズがある。ミディアムからフルボディで、偉大な凝縮感があり、貴腐のレベルは非常に印象的。余韻の長いフィニッシュは、ほのかなカラメルやマーマレードを思わせる。とろりとしているのに十分に輪郭のはっきりしたスタイルをしている。最終試飲2002年11月
予想される飲み頃 2020年まで
○1987年ノン・リリース
○1988年 PP96
昔から私が好きなクリマンの1つだが、1990年や1989年よりははるかに成長していない。骨の髄までエレガントなスタイルのワインだ。12hl/haという収量で造られており、糖度は14.4%、残糖分は106g/㍑。非常に高級感のある、繊細なノーズはタンジェリンの皮、溶けたバター、熟し過ぎたパイナップル、微妙な香ばしいオークを思わせる。ミディアムからフルボディで、1990年や1989年の量感や甘さがあるとは言えないが、ニューアンスは上のようだし、これほど力強さや芳醇さがあるワインなのに、このフットワークの軽さは印象的。ほれぼれするワインだが、まだ瓶熟成させる必要がある。最終試飲2002年11月 予想される飲み頃 現在から2025年
○1989年 PP94
このワインは成長し続けている。私はまだ直近の2兄弟、エレガントな1988年や、力強さや量感のある1990年の方が好みだが、深遠なワインだ。11hl/haという収量で生産されており、14.5%のアルコール度数、123g/㍑という残糖分を達成した。深みのある中程度の黄金色をしており、ほれぼれするほどのノーズはクレーム・プリュレと混ざり合ったラノリン、ロウソクのロウ、蜂蜜をかけたシトラス、バニラ、なんとなくパッションフルーツに似た何かを思わせる。非常にフルボディで、実に甘く、凝縮感は格別。ほれぼれするほどのクリマンであるようだし、瓶詰め後は樽から試飲した時に思ったよりはるかに良好なものとなっていることが証明されている。最終試飲2002年11月 予想される飲み頃 現在から2025年
○1990年 PP96
このヴィンテージのクリマンは急速に力を付けてきている。収量は顕微鏡でも使わなければ見えないほど少ない10hl/haで、生産量はほぼ3000ケース。壮観なワインで、中程度の深みのある黄金色をしており、ゴージャスなノーズはスイカズラ、バニラ、パイナップル、アカシア、クレーム・プリュレ、ローストしたナッツのような感じを思わせる。口に含むと、フルボディで、クリマンとしては異例なほど力強い(残糖分は130g/㍑。このシャトーとしては非常に高い数値だ)。重々しいフィニッシュは優に1分以上も続く。これほど格別の芳醇さがあるが、良好な酸もあるため、高揚感や鮮明感も感じられる。最終試飲2002年11月 予想される飲み頃 現在から2035年
○1992年、1993年ノン・リリース
○1994年 PP86
これまた凡庸な作品だが、全般的に見れば確実に良好なワインである。単に最高のヴィンテージと比較すると顔色をなくすと言うだけのことだ。明るい黄金色をしており、緑がかった色調も見られる。ハーブを思わせるノーズの背景にはいくらか土っぽい趣も感じられる。ミディアムボディで、酸は良好、いくらかの甘味もあるが、どうやら比較的画一的な退屈なワインのようだ。最終試飲2002年11月
予想される飲み頃 2013年まで
○1995年 PP87
良好だが興味をかきたてられないワインだ。1995年はどうやら、最高のヴィンテージにはあれほど歴然としている、蜂蜜をかけたかのような貴腐に欠けているようである。色は淡い緑がかった黄金色。単刀直入なノーズはシトラスやほのかなグレープフルーツを思わせる。ミディアムボディで、酸は良好、重みはほどほど、甘味もほどほどだが、複雑さや個性はあまりない。最終試飲2002年11月
予想される飲み頃 2012年まで
○1996年 PP90
非常に繊細な、フィネス重視スタイルのクリマンだ(セミヨン100%で造られている)。このワインには、きれいな、殆ど鋼鉄のようなシトラスの趣があり、ほのかなスイカズラやバターのようなグレープフルーツを思わせる。酸は良好で、口に含むとだんだん体格がよくなってくる。重量級の、あらゆる意味で怪物のような大きさのワインだが、純粋なエレガンスや毛並みの良さも感じられる。最終試飲2002年11月
予想される飲み頃 2015年まで
○ 1997年 PP93
クリマンの偉大な古典だ。隠そうとしても隠しきれないノーズは白い花と混ざり合ったバターで炒めたパイナップル、シトラス、スイカズラ、バニラを思わせる。ミディアムからフルボディで、明確さや、純粋さ、器量は偉大。最終試飲2002年11月
予想される飲み頃 2022年まで
○1998年 PP92
非常に早熟な、成長したスタイルのクリマンで、ほどほどに甘い、向こう15年から20年で飲みたいバルサックを求めている人にとっては非常に好ましいものとなるだろう。13hl/haという収量で造られた(収穫物の64%がこのクリマンになった)、セミヨン100%のバルサックは、中程度の黄金色をしており、いくらか緑の基調も感じられる。葡萄の完熟感は卓越しており、味わってみるととろりとした感じもある。強烈さは凄いし、酸はまずまず。成長したスイカズラ、バターのような、トロピカルフルーツの、貴腐の付いた風味もある。最終試飲2002年12月
予想される飲み頃 2020年まで
○1999年 PP90
中程度の深みのある黄金色をしており、比較的酸が強い。いささか画一的な個性をしているが、純粋さは偉大で、隠そうとしても隠しきれないスイカズラ、パイナップル、いくらかのトロピカルフルーツやミネラル、非常に微量のオークを伴う。収穫物の63%しかこのクリマンに使われておらず、収量は9hl/ha。収穫は9月19日から10月18日に行われた。多分非常に長命なワインとなるだろうが、明らかに、2001年、1997年、1996年、1990年、1989年、1988年のような偉大なヴィンテージのようなハイライトを浴びるものとはならないはずだ。最終試飲2002年12月
予想される飲み頃 現在から2025年
○2000年 PP89
当主は2000年に生産できたワインに極めて満足している。評判の悪いヴィンテージだが、早摘みした葡萄の実で最終的なブレンドを行なった生産者は往々にして格別に近いワインを造り出したのだ。この年の収量は顕微鏡でも使わなければ見えないほど少なかった(4hl/ha).。いささか画一的なワインだが(私が試飲したのは瓶詰め直後だったのだ)、蜂蜜をかけたシトラス、パイナップル、ほのかな洋梨、少々のバターやスイカズラを見せる。ミディアムボディで、エレガント。純粋さが卓越しているのは、いつものことながらこの偉大なシャトーの真骨頂だ。最終試飲2002年12月
予想される飲み頃 2020年まで
○2001年 PP100 Wine Advocate Jun 2004
けたはずれのワインだ。2001年のクリマンは、明るい中程度の大胆な色には、緑がかった色調も見られる。霊妙なアロマはトロピカルフルーツ(主にパイナップル)、スイカズラ、花を思わせる。ミディアムボディで、記念碑的な芳醇さや、並外れた明確さ/輪郭、偉大な純粋さ、適度な甘みが身上だ。フィニッシュはどうやら永遠に持ちこたえる様である。記念碑的な作品だ。伝説となるワインである。
予想される飲み頃 現在から2040年
○2002年 PP93~PP94
○2003年 PP97 Wine Advocate Apr 2005
グリセリン、アルコール、残留糖を大量に含む、パワフルボディのワインの豊かで甘いヴィンテージです。 👇
○2003年 PP90 Neal Martin, RobertParker.com ♯207 June 2013
樽から見事ですが、垂直条件下で欲しがっていることがわかりました。ここでは、ブラインドの水平の中で、それは2つの間のどこかに落ちました!このボトルは、砂糖漬けのオレンジの皮、乾燥蜂蜜、イチジクの甘い熟した花束を提供しますが、(以前のボトルで識別されたように)少し描写が欠けています。口当たりは熟し、入り口に丸みを帯びており、スパイスのタッチが心地よいエッジの効いた雰囲気を醸し出しています。マンゴーとパイナップルが真ん中を形成し、フィニッシュは称賛に値する精度とクエン酸の酸味で構成され、焦点が合っています。私が以前に行ったコメントを繰り返すと、これはまともなクリメンですが、ベレニス・ラートンは近年はるかに優れたワインを作っています。 Tasted April 2013.
○2004年 PP93 Neal Martin Wine Advocate ♯212 May 2014
このバルサックが常にボトルに10年を必要とすることを考えると、驚くことではありません。ノーズは若々しいクリメンスには珍しい繊細さがあり、キャラメリゼバター、ドライハニー、ミント、レモンタイムの微妙な香りが広がりますが、すぐにクリメンスとして識別できます。口当たりは入り口で粘性があり、クリメンスのトレードマークである辛さが水面下に潜んでいます。これは非常に調和がとれており、おそらくそのdrinking plateau(飲みごろ?)に入り始めたばかりです。私はそれが2001年や2009年の高さに達することは決してないだろうと思うが、非常に称賛に値する"second tier"のクリメンスである。 予想される飲み頃 現在から2035年
○2005年 PP97 Neil Martin eRobertParker.com #219 Jun 2015
透明な蜂蜜、マーマレード、ネクタリン、ミネラルがすべて美しく刻まれたグラスからそびえ立っています。味覚はミディアムボディで、新鮮で鮮やかな蜂蜜の果実が、酸味のキラーラインと並行して口の中に構築され、構築されます。それは説得力のある素晴らしいクリメンですが、あなたはそれがそれが何ができるかを示し始めたばかりであるという印象も持っています。ベレニス・ラートンと彼女のチームはこのヴィンテージに優れており、強くお勧めします。 予想される飲み頃 2020年から2060年
○2006年 PP94 Robert Parker Wine Advocate ♯181 Feb 2009
オーナーのベレニス・リルトンは、バルサック・ソーテルヌ地方の非常に深遠なワインの1つを生み出し続けています。2006年は完璧な2001年ではありませんが、美しいワインであり、2006年のトップワインの1つとして際立っています。ミディアムゴールドで、若いクリメンスで見慣れているよりも少し高度な色で、ワインはワックス状の蜂蜜パイナップルと繊細なマーマレードと柑橘系のノートを新しいオークの使用を抑えて表示します。ワインは素晴らしい酸味で口当たりは全体に完全なボディの帯を切ります、
○2006年 PP94 Neal Martin RobertParker.com May 2016
ボルドーの水平のソーテルヌ200610年で味わった。2006年のClimensはまだノーズに若々しく感じられ、車はエンジンを回転させますが、まだハンドブレーキを解放していません。味覚は、調和のとれた蜂蜜マーマレードとマルメロがかったフルーツ、たくさんのボトリチス、そしておそらくここでは、芳香剤よりも少し進んでいるミディアムボディです。彼らは、ベレニス・ラートンと彼女のチームからのゴージャスで非常に魅惑的でありながら緊張したクリメンを完成させるのに間に合うように追いつくでしょう。
○2007年 PP99 Neal Martin Wine Advocate ♯188 Apr 2010
ヴィンテージの最高のソーテルヌとしての地位を再確認しました。それは、蜂蜜、白桃、アプリコット、オレンジの花の空気のような花束を保持し、空気のような純粋さと生きる喜びを持っています。味わいはミディアムボディで、絶妙なバランスとミネラルライトのエッセンスがあります。つま先で完璧な酸味とバランスを取り、濃厚な蜂蜜の果実の層を簡単に対抗します。ぴんと張った、活気に満ちた、場所の感覚のある仕上がり。これはあらゆる点で優れています。完ぺきですね。
予想される飲み頃 2015年から2050年 👇追加
○ 2007年 PP98 Neal Martin Wine Advocate ♯199 Feb 2012
シャトークリメンスは瓶詰め後に常に殻に入る傾向があるので、おそらく私はこのまだ魅惑的なバルサックにさらに高いスコアを出さなかったのです。2007年は素敵なブーケに恵まれています:蜂蜜、オレンジの花のタッチ、マルメロのタッチで非常に純粋です。味覚は、優れた純度と少しのスパイス、そして素晴らしい重量と持続性を備えた素敵な粘性のあるボトリチスを含んだ仕上げで非常にバランスが取れています。これはグラスの中の天国のスライスですが、その真の可能性を明らかにするには間違いなく時間が必要です。
○2008年 PP93 Wine Advocate #199 Feb 2012
これは、グラスの中で魅惑的に展開する乾燥パイナップル、マルメロ、バニラポッドの非常によく定義された鼻を持っています。味わいはミディアムボディで、メリフルな食感がありますが、ワインに含める必要のあるオークが残っています。印象的な長さで仕上げに向かって細かい鮮明度を表示します。いつも少し呪いその若さでしか,
予想される飲み頃 2022年から ?
○2009年 PP97 Neal Martin eRobert Parker com ♯205 Feb 2013
スイカズラ、アーモンド、美しく定義されたクレームキャラメルのヒントの素晴らしいブーケを表示します。味覚にはクリーミーなエントリーがあり、明らかにかなりの量のオークが含まれています。バランスは絶妙で、酸味のラインは完璧にピッチングされており、さらに、Climensをそれが何であるかを作る重量と軽快さの逆説的な混合物があります。フィニッシュはマルメロ、アーモンド、蜂蜜で花を咲かせ、口の中に長く残ります。これは確かに、通常の数十年続く一流のClimensになる運命にあります。
予想される飲み頃 2014年から2050年
○2010年 PP94 Neal Martin Wine Advocate ♯212 May 2014
経験上、シャトークリメンス2010年は、ボトルの最初の10年間は実際にその歩みに入ることはなく、2010年が含まれています。
Experience has told me that Chateau Climens 2010 never really gets into its stride during its first decade in bottle and the 2010 is included
特にこのソーテルヌヴィンテージの非常に描写されたアロマの文脈では、最初は少しこもっているように見えますが、通気で明瞭になります。口当たりはバランスが取れており、不器用なエントリーがあります。酸性度は同業他社よりも低いように見えますが、これはグラスの中の時間から本当に恩恵を受け、これまで以上にピクセル化され、落ち着きます。2009年とは見劣りしますが、これは、うずくまるのではなく、探す価値のあるフォローアップを構成します。
予想される飲み頃 2018年から2035年+
○ 2011年 PP94 Neal Martin Wine Advocate May 2012
私はその純粋さと緊張感に感銘を受け、通気を伴う魅力的なフローラルアロマを開発し、時折黄色い梅と生姜のノートを付けました。口当たりには、再び純粋さとさわやかな酸味という共通のテーマがありますが、それらはより軽いスタイルとよりメリフルなスタイルを交互に繰り返しました。1つまたは2つの重要なロットは、素晴らしいクリメンを定義する魅力的なスパイシーなノートを示しました。ここには確かに大きな可能性があり、新鮮さと集中力に支えられた強烈で快活なバルサックを手招きします。
○2012年 PP93~95 Neal Martin Wine Advocate Apr 2013
ノーズと口当たりの両方にスパイシーで蜂蜜の果実が伝わるという共通のテーマがあり、特にアルコール度数が比較的多く、よりニュアンスのあるピッキングの基礎を提供するはずです。多くの点で、これは微妙なオレンジピールとマンダリンのノートが細かく調整された酸味と結びついた典型的なクリメンです。ベレニスは、バイオダイナミック農法への転換(2015年に認定予定)がブドウ園の腐敗病との闘いに重要な役割を果たしたことを明確にしています。10月15日に始まったのは確かに遅い収穫でしたが、雨が戻った10月19日に止まりました。10月28日(日)の北東風が彼らのヴィンテージを救い、ブドウを乾燥させ、次の3日間で、作物がとても均一だったので、彼らは毛布の収穫を行うことができました。確かに灰色の腐敗のモートはなく、最終的な収量は10hl/haでした。ベレニスは正しかった-彼女のチームは素晴らしい2012年を造り、私はそれがヴィンテージの中で最高になるだろうと思う。
○2013年 PP94~96 Neal Martin Wine Advocate ♯212 Apr 2014
10hl/haで収穫された、これは最初の認定有機シャトークリメンスを表しています。いつものように、最終的なブレンドがどのように現れるかを推測する必要があり、数年間個々のロットを味わったので、作業は簡単になりました。明らかに、最初の試みにはさわやかな酸味と強いボトリチスの特徴を備えたピリッとした柑橘系の果物が含まれており、2番目の試みは構造とバルサック/クリメンの特徴を貸しています。10月21日と23日に選ばれた最後の試みに「海洋」の影響があることに気づきましたが、ここではわずかな減衰があります。これらすべてをまとめると、私は確実な、おそらくわずかに軽いが引張りのあるクリメンスを予測し、よりひどく瓶詰めされた果物が終わりに向かって届けられると予測します。品質は確かに非常に良いヴィンテージと同等であり、最終的なブレンドの主要なコンポーネントを形成する運命にある最も印象的なロットです。これは古典的なクリメンスでなければなりません。
○2013年 PP95 Neal Martin Wine Advocate June 2016
白い花、キンポウゲ、柑橘系の果物、蜂蜜、そしてほんの少しの牡蠣の殻の束が入った非常に香り高いブーケがあり、すべて非常に明確に定義されています。ここには、その活気を和らげる冷たい石の影響があります。口当たりは非常にバランスが取れており、口の中でスパイシーで、蜂蜜の果実を注入する生姜とナツメグで美しくバランスが取れています。これは元気いっぱいのバルサックで、活気に満ちたエネルギッシュで、若くて非常に長い頃は少し「飼いならされていない」です。それは何年もの間熟成しようとしている素晴らしいクリマンです。
○2014年 PP94~PP96 Wine Advocate Apr 2015
ベレニス・リュルトンと彼女のチームが樽熟成中にブレンドする準備をしているいくつかのロットから味わえました。長年にわたってこの実践を行ってきたので、いくつかの年では完全に推測する必要がありますが、2014年にはロットの数が少なく、異質ではなく、逆説的に、より「完全」であったことを指摘します。これにより、最終的なワインを想像しやすくなりました。ここでは、作物の80%がボトリチスの広範な発症で収穫された2回目のトライに焦点を当てる必要がありました。乾燥蜂蜜、ジュニパーベリー、マリーゴールド、乾燥アプリコットのつかの間の感覚があります。ここには明らかに良い酸味があり、ほとんどのロットは2013年よりもスパイシーです。いつものように、このクリメンスは口の中でボリューム感と持続性を授けられており、他のヴィンテージと比較してより親しみやすいバルサックになるという感覚があります。全体として、ベレニス・ラートンは勝利のクリメンを手にしており、ヴィンテージのトップ2または3の甘いワインに入るでしょう。
〇2015年 PP96~98 eRobert Parker com # 224 Apr 2016
口当たりはミディアムボディで、粘り気のある開口部、入り口にスパイスが少しあり、生姜と蜂蜜の果実をいじくり回すコショウのダッシュで口の中で活気があり、勢いよく扇状に広がるように長く持続します。これはベレニス・ラートンと彼女のチームの素晴らしいクリメンであり、いつものように、賢明な頭を持つ人々は、この特別なバルサックを最大限に活用するために15年間のセラーリングを選択すべきです。
○2016年 PP96+ Wine Advocate
淡いレモンゴールド色、少し若々しくミュートで、熟した桃、マンゴー、ムスクメロンの概念を明らかにし、杉の胸、オレンジの花、砂糖漬けの生姜、ベーキングパンのタッチが施されています。鮮やかでエネルギッシュな核果とトロピカルな層で口の中ではじけ、幻想的なフレッシュさに囲まれ、長くクリーミーに仕上がります
バルサック/ソーテルヌ地方で最も有名なシャトーが、フランスで最も凝縮感があり高価な甘口白ワインを造るシャトー・ディケムであることは疑う余地がない。しかし、料理に最もよく合い、最も複雑で、飲まずにいられないワインは、バルサックのシャトー・クリマンであると、私は思う。
1971年年以来クリマンを所有してきたリュルトン家は、ボルドーに多数のシャトーを所有し一大帝国を築いた。ブラーヌ・カントナックやデュルフォール・ヴィヴァン、デミライユなどのマルゴーの有名シャトーもそのうちに入る。
こうしたシャトーはいずれも良好なワインを生産しているが、それぞれのコミューンにおける格付けは、クリマンがバルサックで得ているものとは比べものにならない。
過去2世紀のほとんど、クリマンはバルサックのコミューンにおける2つのリーダー的存在の1つと考えられてきた。31ha の葡萄畑と質素な1階建てのシャトーの建物(唯一の特徴は、両側にスレートの屋根の塔が2つあるだけ)は、小さなラ・ピネッセ村のすぐ北の、ゆうに海抜21mはある、バルサックで一番高い丘にある。多くの評論家によれば、この標高の高さが畑の優れた水はけに一役買い、雨季には標高の低いシャトーより断然有利になるとのことだ。
この地のシャトー名のほとんどが以前の所有者に由来するが、クリマンにどうしてこの名前が付いたのか、はっきりとは分かっていない。19世紀の大半はラコスト家が所有し、シャトー・クリマン・ラコストと称するワインをつくっていた。
その当時、28haの畑で年間6,000ケースが生産されていたが、19世紀末のフィロキセラによる壊滅的な害でボルドーの葡萄畑のほとんどがやられ、クリマンもその例外ではなかった。1871年にクリマンはアルフレッド・リベに売却された。彼はペグゾトというシャトーの所有者でもあったが、こちらの方は今日シャトー・シガラ・ラボーとして知られるシャトーに吸収された。
1885年にリベはこのシャトーをアンリ・グヌイユーに売却した。以来、1971年に現在の所有者である精力的なルシアン・リュルトンがここを買い取るまで、グヌイユーの一族がクリマンの経営に当たっていた。だが、クリマンの品質だけでなく、この偉大なシャトーに対する一般の認識をも高めたのは、ボルドーで最も有名な日刊紙『シュド・ウエスト Sud-Ouest』の取締役でもあったアンリ・グヌイユーとその後継者たちである。1929年、1937年、1947年の伝説的なヴィンテージによって、クリマンは隣の大きなシャトー・クーテを凌ぐどころか、あの偉大なシャトー・ディケムと肩を並べることさえできたのである。
ブリジットとベレニスの2人のリュルトンは、この傑出したシャトーの並外れた評判を少し高めたにすぎない。彼らが変えたのは、砂利と赤砂、粘土のような土壌の葡萄畑に植えられた少量のミュスカデルを取り除くことだけだった。現在の栽培は100%セミヨンだが、これによってシャトー・クリマンのテロワールから最良のワインが生まれると彼らは信じている。リュルトン家がソーヴィニョン・ブランを避けたのは、ソーヴィニョン・ブランは数年後にアロマを失いやすいからだ。リュルトン家は、毎年わずか3%から4%の畑を植え替えるだけなので、葡萄の平均樹齢は35年という印象的な数字を保っている。さらに、1haにつき16hlと言う収量はバルサック及びソーテルヌ地方のシャトーでは最も少ない。(今日では、ワインを生産する大手のシャトーのほとんどが収量を倍増させているが、感心なことにクリマンは、19世紀半ばの頃よりも0.7ha広くなっただけの畑から、平均して年間たったの3,333ケースという生産量を保っている)。この統計だけ見ても、ここで生産されたワインの凝縮味と品質が格別である理由が判る。
ここのワインは樽で発酵され、55ガロン(約208㍑)の樽で12ケ月から18ケ月間熟成されてから瓶詰めされる。大半のヴィンテージには新樽が33%使われる。これによって、蜂蜜をかけたパイナップルとアプリコット風味の果実味と、ヴァニラのような、トーストしたような新樽の香りがさらによく結びつき熟成すると信じられている。
クリマンがなぜこれほど貴重かと言うと、この地方で最も心動かされる、エレガントなワインをつくっているからだ。純粋な力強さ、ねっとり感、豪華さの点でクリマンはシャトー・ディケムはもちろん、シャトー・リューセック、シャトー・シュデュイロー、それにシャトー・クーテの贅沢で希少な「キュヴェ・マダム」にもかなわないのは確かである。しかし、別格のバランスとフィネスを物差しにワインの偉大さを測るなら、クリマンは他に例のない、この地方で最も上品さを極めたワインというに値する。多くのソーテルヌが、一歩間違えればうんざりするほど甘いワインになってしまう中で、最高のヴィンテージのクリマンは、蜂蜜をかけたパイナップルの果実味の、リッチで甘美でエキゾチックな個性と、レモンのような酸の際立った中核が融合している様だ。それがこのワインにすっきりとした風味や明確な味わい、そして深遠な、忘れられないほどに楽しめるブーケをもたらしている。
このワインはバルサック及びソーテルヌ地方で、一貫して最も深遠なワインであり、100%セミヨンから造られている。力強い競走馬のようなスタイルのワインに、いかに多くのエレガントさを組み込むことができるかという、心奪われるような実例の1つである。
価 格 Chateau Climens
2003年 £ 74 2010年 £83
2004年 £ 56 2011年 £81
2005年 £ 87 2012年 £58
2006年 £ 66 2013年 £60
2007年 £118 2014年 £58
2008年 £ 70 2015年 £63
2009年 £ 80 2016年 £61
WINE SEARCHER 2022.11.18記
リュシアン・リュルトンは1992年に僅か22歳の末娘ベレニス・リュルトンにシャトーを継がせます。この偉大なシャトーは貴腐ワインを造っておりますので、末っ子に対して甘かったのかと思いきや、1992年と1993年は天候に恵まれず、シャトー・クリマンを世に送り出すことが出来ませんでした。続く1994年にはリリースすることは出来ましたが、ワインの出来は良いとは言えないものでした。
ワインは小区画で収穫された貴腐葡萄を醸造していくのですが、少しづつブレンドするため完成に1年を要するようです。4月のアン・プレムールには樽のワインしか試飲出来ないようです。
シプレ・ド・クリマン
Cypres de Climens
AOCバルサック
年間生産量 1.5万本
1984年ファースト・リリース
価 格 Cypres de Climens
2003年 £21 2010年 £41 2019年 £21
2004年 £19 2011年 £42 2020年 £31
2005年 £ 2012年 £54
2006年 £55 2013年 £48
2007年 £37 2014年 £30
2008年 £34 2015年 £40
2009年 £41 2016年 £40
WINE SEARCHER 2022.11.18記
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