カスティヨン・コート・ド・ボルドー評　価　その１

　　　　　　　カスティヨン・コート・ド・ボルドー評　価　その１

　　　　　　　　　(旧コート・ド・カスティヨン)　　　　　ボルドー第４版より　

　カスティヨン・コート・ド・ボルドー　概　観

位　置/　ドルドニュー河の右岸、ボルドーの東３９㎞。北はコート・ド・

　　フラン(現フラン・コート・ド・ボルドー)のアペラシオンと、南はドルド

　　ニュー河と、西はサン・テミリオンと接している。

葡萄の栽培面積/　３，０００ha

村　名/　全部で８つの村　注　現９コミューン　　がある。一群の村名には『カ　　

　　ステイヨン』と言う言葉が付いている。主要な村はベルヴ・ド・カステイヨ

　　ン、カステイヨン・ラ・バタイユ、サント・コロンブ、サン・ジャンヌ・ド・

　　カスティヨン、サン・マーニュ・ド・カスティヨン、レ・サルド・

　　カスティヨン、サン・フイリップ・デギュイユ。

年間生産量/　１６５万ケース。

格付けされたシャトー/　なし。２５０のシャトーと、１５０以上の組合員

　　を擁する協同組合が1つ。

主な葡萄品種/　メルロー。続いてカベルネ・フラン。

主な土質/ 丘の斜面は粘土/石灰岩、斜面の低いところは砂利質や

　　砂質が増す。

　コート・ド・カスティヨンは、今やボルドー衛星地区で最も流行りの区域であり、やり手の生産者がその腕をふるい、また畑を貪欲に求めてやってくる場所となった。ピュイスガン・サン・テミリオンの東に位置し、ボルドー市からは約４０㎞離れている。このアペラシオンはカステイヨン・ラ・バタイユというカスティヨンの戦いを記念したコミューンの名から名付けられた。

　１４５３年、イギリスの将軍タルボットが自軍の敗走中に戦死を遂げ、百年戦争終結の契機となったものである。

　コート・ド・カスティヨンは、この地域でもかなり古いワイン産地の1つで、葡萄栽培についてはローマ時代まで遡れる。土壌は極めて肥沃なものから砂利質、砂質まであり、丘の斜面を上がるにつれてより砂利と粘土が混じるようになる。最も高いところにある地区の土壌は、石灰岩に粘土と泥灰土、砂岩が混じっている。組合(シンジケート)によれば、この地域の生産量の６５％は大きなカスティヨン協同組合によって管理されている。アペラシオンの地位は１９５５年に与えられたもので、サン・テミリオンのワインより低価格の代替品として、著しい関心を集めるようになってきている。

　ボルドーでも最先端のワインの造り手たちはコート・ド・カスティヨンのシャトーを買収したが、その驚くべき成果は１９９０年代から顕著になり始め、特に２０００年は素晴らしい。ボルドーを動かし、揺さぶるこれらの人たち、特にユベール・ド・ブーアール、ジェラール・ペルス、アラン・レイノー、ジャン・ミシェル・フェルナンデス、ステファヌ・ドルノンクール、コリンヌ・ギゼ、スティファン・フォン・ネッペールは、みな(主にサン・テミリオンで)確立した評判を得ているか輝かしい造り出であり、彼らがコート・ド・カスティヨン全体の品質を押し上げている。そのために、このアペラシオンは現在ボルドーで最も刺激的なワイン産地となっている。ここで生産される華やかな、凝縮感のある、興味深いワインに価格が追いついてしまうのも、時間の問題だろう。

消費者による格付け

傑　出　