フロンサック、カノン・フロンサック評価 その1 | ろくでなしチャンのブログ

フロンサック、カノン・フロンサック評価 その1

        Fronsac & Canon Fronsac 評 価 その1

                           ボルドー第4版より    

 

ぶどう フロンサック 概 観

 

位 置/ ボルドーのドルドニュー河の右岸。ボルドー市中心部からは

      24㎞。

 

葡萄の栽培面積/ 834.8ha

 

村 名/ フロンサック、ラ・リヴィエール、サヤン、サン・テイニャン、

      サン・ジェルマン・ラ・リヴィエール。

 

年間生産量/ 55万ケース。

 

格付けされたシャトー/ フロンサックに格付けはない。

 

主な葡萄品種/ メルローが主体で、カベルネ・フランが続くるカベルネ・

  ソーヴィニョンとマルベックはだんだん人気がなくなってきている。

 

主な土質/ 粘土と石灰岩にいくらかの砂岩。フロンサックの畑は殆ど

  が割と低い場所にある。

 

ぶどう カロン・フロンサック 概 観

 

位 置/ ボルドーのドルドニュー河の右岸。ボルドー市中心部からは

      24㎞。

 

葡萄の栽培面積/ 300.0ha

 

村 名/ 全シャトーがサン・ミシェル・ド・フロンサック村とフロンサック

  村の中にある。

 

年間生産量/ 19万5千ケース。

 

格付けされたシャトー/ カノン・フロンサックに格付けはない。

 

主な葡萄品種/ メルロー。続いてカベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴ

  ィニョン、少量のマルベック。

 

 

主な土質/ 粘土と石灰岩。たいていのシャトーは丘の斜面上分にある。

 


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 18世紀から19世紀には、フロンサックやカノン・フロンサック(リブルヌの西、ほんの数㎞)の丘の斜面や窪地に点在していた葡萄畑は、ポムロールのワインよりも良く知られ、サン・テミリオンのワインよりも高値で売られていた。  

 しかし、ポムロールへ行く方が簡単だったことと、ブローカーはたいてい事務所をリブルヌに構えていたことから、ポムロールやサン・テミリオンの畑の方がフロンサックやカノン・フロンサックの畑よりも見出されやすかったのである。それゆえ、この地域は長いこと知られずにいた。盛り返し始めたのはつい最近のことである。

 

 ボルドー全域でサン・テミリオンの景色の美しさにかなう村はないとはいえ、フロンサックやカノン・フロンサックの静謐な景観は、この地方でも審美的な喜びを与えてくれる景色の1つである。いずれのアペラシオンもドルドーニュ河を見下ろすなだらかな丘の上と言う立地で、主に粘土と石灰岩がベースとなる土壌は、丘の斜面の高い所では浅く、低いところでは深くなっている。

 

 この地で選ばれた葡萄はメルロー(栽培面積の約70%)、カベルネ・フラン(同15%)、カベルネ・ソーヴイニョン(同15%)である。マルベックもまだいくつかの畑で植えられているが、その使用量は大幅に減ってきている。1980年代半ばまではもっぱら無視されてきたフロンサックやカノン・フロンサックの生産者は、自分達のワインに対する関心が増してきたことで恩恵を受け始めている。ポムロールや魅惑的なサン・テミリオンのワインよりも価格の低い代替品と見られるようになるや、最良のフロンサックやカノン・フロンサックの生産者はアイディンディテイを確立し(特に2000年といった最高の年には)、リッチで、充実した、暗い色の、比較的スケールの大きい、かなり長期間の熟成の可能性を持つワインを提供するようになってきている。あまり懸念されていないが、伝統的なスタイルのフロンサックやカノン・フロンサックで非常に問題だった頑強さや硬さは、多くのシャトーで未だに長年の問題となつている。
 また、フロンサックの多くの畑では、土壌が肥沃なため収量が高くなりがちなのだが、より注意深く、控えめな量となるよう管理されるようになった。妙な話だが、これらのアペラシオンでは、より有名なボルドーのワイン産地の多くよりも、収量に対してはるかに多大な注意がはらわれている。

 

 私は、少なくとも年に2回は規則的にこれらのワインをティスティングしてきており、この地方の主要なシャトーは殆ど訪問してきた。殆どすべてのヴィンテージで品質が高くなってきている。2000年物が出来るまで、1989年と1990年は、これらのアペラシオンが2年連続で享受した最良のヴィンテージだった。以下に上げる私の評価は、これらのシャトーの1989年から2001年の出来に基づいたものである。優良~秀逸と評価されたシャトーはすべて、最高のヴィンテージには10年から12年は持ちこたえる能力のワインを生産した。多くはそれ以上持つのではないかと思っている。シャトー・ダーレムでのディナーのことが思い出される。もう1人のフロンサックのシャトー所有者であるジャン・ノエル・エルヴェが1928年のムーラン・オー・ロックを持ってきたのだ。60年目のものだったが、絶句するほど素晴らしいワインだった。この地区のワインがいつも決まってそれほど長く寝かせられるものだとは言わないが、非常にしっかりとして、リッチで、傾向としてメドックのような生硬さ、構造を持つワインである。畑はポムロールにごく近接しているが、ワインは、たいていの場合、ポムロールのスタイルとは全く異なる。

 

 

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