『ボルドーの頂 １８２本 その１』

　　　　　　　　　　　　ボルドーの頂　１８２本　その１

　　　　　　　　　　　原題　Who’s on First　ボルドー第４版より

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　表題、『ボルドーの頂』は、ろくでなしチャン命名

　１８５５年のジロンドのワインの格付けと、その後のグラーヴとサン・テミリオンのワインの格付けは厳格な等級を作り上げた。そのため、今日まで、消費者は、ボルドーの格付けシャトーのワインを買うには等級によっていくら払わなければならないと指示されていた。これら歴史的格付けは、ボルドー・ワインの品質を格付けしようとして造られたものだったが、皮肉なことに、あるシャトーが生産するワインの品質を決定するという点ではほとんど役に立っていない。これらの格付けは、ワイン通にとってもワイン初心者にとっても、せいぜい歴史的な重要性しかない情報とみなすべきだろう。

　次にあげる格付けは、私がボルドーで最高の１８２種類のワインを、１８５５年の格付けに使われたのと同じ５段階の等級に分類したものである。これは、これらのシャトーの１９６１年から２００１年までの出来に基づいている。１９６１年から１９８１年までの成果よりも、そのシャトーの目指している芳香や１９８２年から２００１年までに生産されたワインの品質の方に重点が置かれている。というのも値要するに今現在がボルドーの黄金時代だからである。ボルドーは繁栄しているし、より多くのシャトーが従来よりも良好な設備や助言を得て、より質の高いワインを造っている。

　私の格付けには１８２のシャトーがある。ボルドーの主要なアペラシオンのすべて、特に１８５５年には(オー・ブリオンを例外として)除外されていたサン・テミリオンやポムロール、グラーヴ、フロンサック、カノン・フロンサックのワインを入れたため、私の格付けシャトーの数は１８５５年に級を得た６１よりも多くなっている。

　この格付けは、当然ながら私自身のものだが、私はこれらの生産者のワイン全てを、全ての重要なヴィンテージについて、一度だけでなく何度もティスティングしてきた。さらに、私はこれらのシャトーの大多数を訪問したことがあり、この格付けにおけるそのシャトーの位置を入念に検討してきた。私が定めたものはどれ１つとしてしい的なものではなく、長年のティスティングとボルドーへの訪問に基づいた個人的な判定である。さらに、私はそれが偏見無しに行われたと言えると思う。

　長年の間には何度かとても厄介な関係になったシャトー所有者もいるが、そのうちの何人かは一級に入っている。私が個人的に好意を持ち、尊敬している所有者の何人かは、合格していない。これは一種の冒険だが、結局のところ私は、消費者の目からボルドーで最高のシャトーを見ることが、不当に降格されたと感じるシャトーにとって建設的な目標になればよいと思うし、ここで称賛され認知されたシャトーが、最高のワインを造るのに必要な努力を継続してくれるだろうと期待している。　ロバート・パーカー著

　一級の品質　　全２０シャトー