マルゴー&南メドック 評 価 その1
Margoux & Southern Medoc 評 価
その1 ボルドー第4版より
概 観
位 置/ メドックの4大アペラシオンとしては最南端。ジロンド河の左岸
にあり、ボルドー市からは北に21㎞。
葡萄の栽培面積/ 1,356ha
参考掲載 サン・テステフ 1,378ha
ポイヤック 1,200ha
サン・ジュリアン 880ha
村 名/ アルサック、カントナック、ラバルド、マルゴー、スーサン。
平均年間生産量/64万ケース (1ケース12本)
参考掲載 サン・テステフ 76万ケース
ポイヤック 64万ケース
サン・ジュリアン 49万ケース
格付けされたシャトー/全部で21
1 級
シャトー・マルゴー
Chateau Margaux 詳 解
2 級
シャトー・ローザン・セグラ
Chateau Rauzan Segla こちらへ
シャトー・ブラーヌ・カントナック
Chateau Brane Cantenac こちらへ
シャトー・ラスコンブ
Chateau Lascombes こちらへ
シャトー・デュルフォール・ヴィヴァン
Chateau Durfort Vivens こちらへ
シャトー・ローザン・ガシー
Chteau Rauzan Gassies こちらへ
3 級
シャトー・パルメ
Chateau Palmer こちらへ
シャトー・マレスコ・サン・テグジュベリ こちらへ
Chateau Malescot Saint Exupery
シャトー・ディッサン
Chateau D’Issan こちらへ
シャトー・ジスクール
Chateau Giscours こちらへ
シャトー・キルヴァン
Chateau Kirwan こちらへ
シャトー・カントナック・ブラウン
Chateau Cantenac Brown こちらへ
シャトー・デスミライユ
Chateau Desmirail こちらへ
シャトー・フェリエール
Chateau Ferriere こちらへ
シャトー・ボイド・カントナック
Chateau Boyd Cantenac こちらへ
シャトー・マルキ・ダレーム・ベッケー
Chateau Marquis d´Aiesme Becker こちらへ
4 級
シャトー・マルギ・ド・テルム
Chateau Marquis de Terme こちらへ
シャトー・プリューレ・リシーヌ
Chateau Prieure Lichine こちらへ
シャトー・プージェ
Chateau Pouget こちらへ
5 級
シャトー・デュ・テルトル
Chateau Du Tertre こちらへ
シャトー・ドーザック
Chateau Dozac 5級 こちらへ
主な葡萄品種/ カベルネ・ソーヴイニョンが主体で、メルロー、プティ
・ヴェルド、微少量のカベルネ・フランが続く
主な土質/ 一般則として、この大きく多様な村の表土は薄い。最高の
畑は河の近くにあり、上質な、砂利質の土壌を持つ(ペサック・レオ
ニャンで見られるものと大差ない)。さらに内陸に入ると、より粘土や
砂が見られるようになる。
マルゴーは、メドックの主要なワイン産地の中では確実に最大で、不規則に広がっているコミューンである。1,356haという栽培面積は現在、サン・テステフを凌いでいる。マルゴーを初めて訪れる者がまず気が付くのは、マルゴーのシャトーがいかに広範囲にわたっているかということである。ボルドーのワイン街道(県道2号線)に沿って位置しているシャトーは少なく、ドーザック、プリューレ・リシーヌ、パルメ、マレスコ・サン・テグジュベリがある。シャトー・マルゴーはマルゴー村の幹線道路から少し入ったところにあり、ほかの主要シャトーは、アルサック、ラバルド、カントナック、マルゴー、そしてスーサンといった5つの主なコミューンに散在している。
マルゴーでは、1855年の格付けで、最も多くのシャトーが格付けされた。その総数は21で、ポイヤックの17を4、サン・ジュリアンの11を10、サン・テステフの5を16上回る。
素人目には、マルゴーが高品質ワインの生産者の数で他を圧倒しているかのように映るだろうが、1960年代、1970年代、1980年代におけるかなりの期間の実績から見れば、それは見事に外れている。この頃、マルゴーの少なくとも6ケ所のシャトーは、惨澹たる出来であったし、またほかの少なくとも4~5ヵ所は、もしメドックの格付けの見直しが行われていれば、格下げを免れなかった。こうしたシャトーの大半は、1990年代後半からワインの品質を向上させている。しかし、ほかの主要なアペラシオンと比較すると、マルゴーは、いまだにボルドーで最も期待を裏切るシャトーが多いアペラシオンである。
堂々たる一級の女王であるシャトー・マルゴーですら、ぱっとしない時期があったのだが、それが劇的に改善されたのは、1977年にメンツェロプロス家が、この貴婦人の質を怠慢にも落として、しかも価格は一級のまま下げようとしなかったジネステ家からこのシャトーを買い取ってからである。
つまりこれまでの30年間の大半の期間、マルゴーにはばらつきが激しく、精彩を欠いたワインしか生み出せないシャトーが多かったというわけなのだが、いくつかの偉大なマルゴー・ワインの持つ快いヴーケとうっとりさせるような魅惑こそ、マルゴーがサン・ジュリアン、ポイヤック、サン・テステフのそれと比べて、文句なく濃厚で人の心を離さない。この点はボルドー・ワインについて書かれた殆どの記事の中で触れられている。触れられていないのは、真の意味での偉大なマルゴーのワインとは、シャトー・マルゴーとパルメに限られると点である。
最近では、ローザンセグラ、マレスコ・サン・テグュジュベリ、ラスコンブ、ブラーヌ・カントナック、キルヴァン、デュ・テルトル、ジスクール、ディッサンが、品質を意識した生産者の仲間入りをした。
マルゴーの土壌や、そこで生み出されるワインの品質には大きな幅があるため、ボルドー・ワインに入れ込んでいる愛好者にとっても、マルゴー・ワインは意欲をかきたてるものである。一般的に言えば、マルゴーの白色の土壌は、メドック地域では一番軽く、砂利が多い。このアペラシオンの南、ラ・ラギューヌがあるリュドンでは、砂がテロワールを占めている。これらの土壌には、高い割合でカベルネ・ソーヴイニョンが栽培されている。例えば、マルゴーでは(シャトー・パルメを例外にすれば)、サン・ジュリアンやポイヤック、サン・テステフに比べてメルローの占める割合がかなり小さい。こうした痩せた土壌は、最高のマルゴーが素晴らしいヴィンテージに享受するフィネスとアロマの複雑さにうまく作用する。
Margoux & Southern Medoc 評 価 その2 こちらへ
Margoux & Southern Medoc 評 価 その3 こちらへ
Margoux & Southern Medoc 評 価 その4 こちらへ
改・ブログ総索引-1 こちらへ
改・ブログ総索引-2 こちらへ
改・ブログ総索引-3 こちらへ
改・ブログ総索引-4 こちらへ