桜の季節に合わせて計画していた記事があったんですが、ちょっと見過ごせない訃報が入ってきましたので、予定変更です。
心の寂しさに合わせて、通勤途中の夜桜の写真にしてみました。
Gato Barbieri、4月2日に83歳で亡くなりました。
私は彼の熱狂的なファンではありませんが、この日本で彼の記事を書く人はほとんどいないだろうと思って、ここに書き留めておこうと思います。
一般的には、Gatoはラテン・ジャズのサックス・プレイヤーとして知られています。ジャズ・ファンの間では、60年代後半から70年代前半までのFlying Dutchmanレーベル時代の作品だけが評価されているようです。
映画ファンの私が彼の名前を初めて知ったのは、マーロン・ブランド主演の問題作「ラスト・タンゴ・イン・パリ(Last Tango In Paris)」の音楽担当としてでした。
Gato Barbieri : Last Tango In Paris
フュージョン・ファンにとっては、Neil Larsenがカヴァーしたヴァージョンが有名ですよね。
Neil Larsen : Last Tango In Paris
ついついリズムに耳が行ってしまう名演ですが、Gatoが作り出したメロディのユニークさは見事です。
私は、「Last Tango In Paris」のサントラ盤を含めて、彼のアルバムは6枚持っています。
(1枚行方不明なのは、ヒミツです。)
彼は70年代中盤になるとA&Mレコードに移籍して、積極的にカヴァーを取り上げたりして、非常に聴き易い音楽を連発します。
Gato Barbieri : Europa
このA&M期のGatoは、「ムード歌謡」などと言われて、とんでもなく評判が良くないです。けれども、私はこの時期の作品、結構好きなんです。何より、Gatoが気持ち良さそうに吹いているのが伝わってきます。私としては、Gatoの個性がとても良く出ていると思うのです。テナー・サックスの音の魅力!!美しさよりも情熱を感じる音。長く伸ばした音に、いろんな音が含まれていて、日々進歩しているシンセサイザーでも絶対に再現できない「人間の音」を感じるのは、私だけでしょうか?私は、この「音」がGatoの最大の魅力だと思っています。
朗々と吹くGatoのサックスを、もう一曲。これもスタンダードですね。
Gato Barbieri : Poinciana
と~っても気持ち良いです。確かに「ムード歌謡」と言われれば、そうかもしれません。嫌いな方は、嫌いで良いんです。私は、これが好きなんです!!
たぶん、好き嫌いが分かれると思いますが、テナー・サックスをやっている人は、是非彼の音を体験して欲しいと思うのです。テクニック云々の前に、いかに音に個性を出せるかというヒントになるんじゃないかと思います。
私の大切な音楽体験の一ページを飾ってくれたGatoに、心から感謝です。
最後に、本家のSantanaと共演した「Europa」の動画を見つけましたので、是非ご覧ください。
Santana with Gato Barbieri : Europa
R.I.P.
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