「OREXIS(オレキス)」(☆☆)
http://www.orexis.co.jp/
OREXIS

 白金にある大人の雰囲気のフレンチの店。

 アジアンテイストを取り入れるなど面白い試みの料理が出るここは雰囲気が良いにもかかわらず子連れも可能とうれしいレストランです。
 
住所:港区白金2-3-3カームコート白金高輪1F
電話:03-5918-8311
定休:月用・第2火曜
営業:12時~14時/18時~23時半
 
 白金高輪の駅から程近いマンションの1階。競り出たダークグレイのシックな箱がこのレストランです。
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 中央の壁には上から照らされた銀色の店名とその影、左右対称の扉がただ通り過ぎるときはひっそりした感じのこの店が実は贅沢なデザインであることを感じさせてくれます。店名の下の壁はガラスで小さなテーブルとクッションも置かれている柔らかな皮のソファが見えます。これは入ってすぐ左にあるウェイティングです。手前は白い玉砂利を敷き、周辺には短い緑が植えられています。
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 扉には縦のスリットのようにガラスが入っていて外が見えることもあり、店の前に着くとすぐに扉を開けてお出迎えしていただけます。壁がダークグレイであるためもあるのでしょうが、ダウンライトでのみ照らされる中も暗めで良い雰囲気。
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 店の前からだと右が扉で左右対称のスリットの入った扉に見えた場所は半個室でした。白いテーブルクロスが2つのダウンライトで照らされた空間。壁には花を飾るスペース。背景にタイルを敷き詰めて、間接照明で照らされたそこは、まるで金色の柱のようです。

 

08年10月8日夜の来訪。

 夜はワゴンタクシーで17時20分出発。両親と我が家でここに伺う。
 
LE MENU DEGUSTATION 12800円
 食前酒は飲みませんでしたがおつまみだけはしっかりいただけました。
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 2種類のサブレ。ひとつはチーズ味がして上に香ばしい黒胡麻が。もうひとつはクミンシードがのっており、カレーで感じるスパイシーな香りがいたしました。どちらもサクサクです。
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 ソフトドリンクの品揃えはそれほどすごくありません。ウィルキンソンのジンジャーエールにオレンジジュース、サンペレグリノとペリエとシャテルドンのガス入り3種に、ガス無しはパラディーソ。
 
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 パンは2種類。丸いフランスパンと表面にけしの実を貼ったバゲット。

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 バターも2種類。四角いのは無塩、三角は有塩のバターです。

 

 料理の名前がわかる紙などはないので玄関のアラカルトメニューから名前を推測して表記してあります。
 
先付け
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 黒いプレートに3品。
 左から球体ジュースに使うような一口サイズの陶器のスプーンに抹茶を振りかけたハーブのアイクリーム。抹茶の苦味、ハーブの爽やかさ、アイスの甘みにオリーブオイルの油分が加わり、底に敷いてある塩の結晶の塩分が味を引きたてます。
 中央は鮪の赤身を白板昆布でサンドイッチにし、トマトを加えたヴィネグレットソースをかけたもの。昆布の旨みに鮪の味わいが良く、娘にほとんど食べられてしまいました。。。
 右は上にチョリソの中身を敷いたピリ辛のバゲット。赤ワインビネガーでつけた小さな玉葱のスライスとクリームチーズがのっていました。
 

ガスパッチョ
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 トマトの冷たいスープ、ガスパチョです。
 中央にはミントを混ぜ込んだアボガドのムースを浮かせてオリーブオイルを垂らしています。
 中にはシャクシャクした野菜も入っています。まったりクリーミーなムースに冷たいスープと野菜の食感が楽しめました。
 ただ、娘には不評。子供向けではない大人の味です。
 
ヴァンデ産鴨フォアグラのコンフィ ディネット仕立て
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 ガラスのお皿にジュエリーがちりばめられたような形で盛られています。
 左奥にはメインのフォアグラ。しっとりとしていて滑らかな口当たり。ペーストを固めたものかと思えばそうでもなく、フォアグラをメダル状に成型して固めたような印象です。塩気も良く美味しい。リングのように飾っているのはしっとり目の薄焼きクッキーです。量もたっぷりあるので、これをいろいろな素材とあわせて食べる趣向。
 左手前にはカリッと焼かれたブリオッシュ。左中は赤ワインのゼリー。中央はイチジク、黄桃を会えたもののようです。右手前にはエディブルフラワーで飾った葉物野菜。右奥には赤いスパイス(パンデエピスと言われたような気がしますが、調べても不明です…)と砕いた白胡椒でした。
 
ブイヤベース
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 海老の味わいも濃いブイヤベース。色からして濃厚です。ここに小ぶりのムール貝。旨みからすると、モンサンミッシェルのもののを思い出します♪ 中央にはソテーされたハタ。肉厚で充実した弾力が魅力的です。ブイヤベースの具にはプリッとした麦も入っていました。上には素揚げしたイタリアンパセリ。
 手前の黄色いソースはガーリックの強いマヨネーズです。少しずつあわせて食べるのも好み次第でよいと。
 
手長海老と秋の茸のオープンラビオリ カルダモン風味の軽いクリーム
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 上にラビオリのパスタ生地を載せて、コリコリした食感がうれしい黒トリュフのスライスを添えた一皿。ラビオリの下にはショウガ科の多年草カルダモンの葉、味わいの濃い手長海老、ジロール茸とトランペット茸です。クリームのソースもやはり海老の味わいが良いもの。
 これまた手長海老はほとんど娘に食べられてしまいました。最近こればっかりです(笑)。
 
鶏のコンソメスープ
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 口直しのタイミングで出たのはさっぱりしたジェラートではなく、濃厚な味わいの鶏のコンソメスープ。
 小さなカップに注がれたそれはとても濃厚な出汁で驚きです。
 
セル・ダニョーのロティ グリーンカレーペーストとミント風味のココナッツ米を添えて
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 セル・ダニョーとは仔羊の鞍下肉。これを円筒形に纏め上げ、仔羊の出汁のソースでいただく。レアな仕上がりで臭みなく柔らかで美味しい。これにつけるのはグリーンペッパーを使ったソースで、タイ風カレーを食べているような味わいでした。添えてあるのはソテーしたブロッコリーにココナツミルクでリゾットにしたようなお米。ミントを使っているらしく、グリーンソースともマッチしています。アジアンテイストが混ざっていますね。
 
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 プレ・デセールはバナナのムース。上には砕いてあるサクサクのサブレで、下のムースは滑らか。口に入れると驚くほどバナナです。
 
ピニャコラーダ・エバネサンス
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 デセールはこれ。ピニャコラーダはラムをベースにパイナップルジュースとココナッツミルクを砕いた氷と一緒にシェイクするカクテル。これを模したもので、100%のパイナップルのすりおろしジュースにココナッツミルクのエスプーマを固めたものをおき、上にレム酒のグラニテと赤い粒胡椒をのせています。
 
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 飲み物はコーヒー、紅茶、エスプレッソにハーブティーからの選択。ハーブティーはレモングラス、ミント、ベルベーヌからの選択。

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 ベルベーヌを選びました。すっきりしたレモンの香りとほんのりした甘みがあります。
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 お茶菓子に出されたのはスプーンの上に生チョコレート。ビターな口当たりです。
 
 ところで、娘にも特別なお料理を。
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 なんと、比内地鶏のローストです。腿肉で、骨付きも添えられています。肌理細やかな質のお肉にパリパリの皮が美味しい。
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 最後にはバニラアイスも。
 
 ネットで見ていると、悪くないけど印象に残らない料理という言葉が目立つ。
 そんなことはない。料理は十分に素晴らしいできばえ。量も少なくなく、お腹がはちきれるほど出てくる。これはデギュスタチオンであったためかもしれませんが。
 サービスのスタッフも優しく問題はないのですが、あえてこれ以上を望むのであれば、この豪勢な箱に見合うだけの料理のプレゼンテーションをすべきだと思います。「サローネ」が素晴らしいのは藤巻さんの技量によるところも大きいのです。
 総評は☆☆(二つ星)です。
 料理の出てくるペースが遅くて。手長海老までで3時間が経過しており、帰りのタクシーが迎えに来てしまいました。これらが改善すれば三ツ星にもなりうるお店だと思いました。

 

オレキス (OREXIS) (フレンチ / 白金高輪)
★★★★ 4.0