横浜発 驢馬人の美食な日々

横浜在住の“ろば~と”が行くグラン・メゾンからラーメン屋さんまでのグルメなデータベース


テーマ:

「山田チカラ」(☆☆☆)
YamadaChikara
 「El Bulli(エル・ブリ)」で修行された山田チカラシェフの独立店。

 確かな和食の技量の上に魔法のような調理法を重ねたそのコースは驚愕に値します。

 箱を大きくせず、小さなお店で和装の若い女将の接客で進み、和室で〆るところも他にないスタイル。

 賛否両論ある店だと思いますが、ぼくは好きです。朝食もあるところが素晴らしい!
 
住所:港区南麻布1-15-2 1F
電話:03-5942-5817
定休:不定休
営業:18時~24時

 道の向こうに六本木ヒルズが見える人気のない街角。小さな3階建てのビルの1階に白塗りの壁のお店がありました。入り口向かって右側には細い竹を植え、左に小さな覗き窓。

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 看板はなく、この覗き窓のガラスにちょこっとかかれているだけです。事前に店の画前をチェックしていなければ通り過ぎていたかも。扉は平坦な引き戸。中に入ると靴を脱いであがる簡素な玄関があり、左にあるダイニングの中はものすごく暗い。壁を切り裂くように縦に間接照明があるだけなのですから。

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 手前の右には照明を消してありますが和室がありました。
 

 お出迎えのときは入ってくるのを察したのか、若い板さんが和室の中から正座して出迎えてくださいます。
 実際の給仕などを担当されているのは和服姿の若い女将さん。背筋がしゃんとしていてきれいな方です。最初はとっつきにくいのかなと思いましたが、そこはカウンターです。次第に打ち解けました。そうすると気持ちよく食事ができるようになってきます。

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 食事の席はL字型のカウンターに8席のみです。

  

08年8月7日夜の来訪。

 親友の土金先生と姐さんを呼んでこの店へ。
 仕事が終わって20時の予約に間に合うように伺いました。「旬香亭」のころに伺うことは適わなかったので今日の予約が取れてうれしい。
 
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 飲み物でいただいたのは軽く紅茶のように発酵した香りのある香檳烏龍茶。ガラスのコップはとても薄いもので、冷たく美味しい。
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 姐さんはVICHY CATALAN(ヴィッチーカタラン)というスペインはバルセロナの温泉水で天然の発泡水。土金の親父も驚く軟水で注いで置いておいても泡はたたず、口に含むと微炭酸どころか細かな炭酸が口を刺激してきます。軟水であるためか、炭酸水の苦手なぼくもこれは美味いと思った。調べるとお医者様の水と書かれていますね~。
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 後からいただいたのはリンゴのジュース。これも100%のリンゴジュースでした。

 

2008.8.7
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 コース12000円しかありませんが、遅くの時間の方はちょっとメニューが違っていました。2回目以降だったのでしょうか。
 コースの前にキャビアを別に出すか聞かれましたが、一人6000円とのこと。ビビる金額ですし、ぼく一人ならともかく同行の二人もいるから贅沢はやめておきました。もともとお酒の飲めない自分ですしね。
 
おしのぎ
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 最初に出されるのは大きなスプーン一杯分の白米、ゴマ豆腐の味噌汁、そして和え物です。
 和え物は真鯛のこぶ締めとモロヘイヤに自家製のカラスミ2切れをのせて。オリーブオイルでまとめられた和え物というのも珍しい。こぶ締めですが、塩もきっちり効いています。自家製からすみもしっとりして香りよく良い感じ。
 ご飯は一粒一粒がそそり立つよう。やや艶がない気もしますが、つぶれた米が一粒もないのには驚かされます。
 味噌汁は赤出汁で中央にゴマのほんわり香るまったりしたゴマ豆腐です。
 ご飯が最初に出るのはどうか…という意見もどこかにあったかと思いますが、ぼくは逆転したこの店のスタイルが好きになりました。
 
サングリア
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 おしのぎをいただいているときに一緒に出されるのは柑橘系のジェラートの上にリキュールをちょいと注ぎ、上にたっぷりの葡萄ジュースのエスプーマをのせたグラス。

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 氷水で冷やしていたエスプーマの機会で女将さんが目の前で仕上げてくれ、二口くらいで飲むよう言われます。軽やかな葡萄のジュースに柑橘系の香り。お酒の飲めないぼくでも美味しく飲めるサングリアでした。
 
本マグロ正油ヌーベ
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 長方形の白いお皿にキューブをいくつも並べたようなお皿。
 本マグロの赤身と中トロ、ラディッシュを添えた車エビ、ホタテ貝柱、ますこ、丸くまとめたわさび、そして四角い形にまとめたプルンとしたムース状の醤油なのです。まぐろや車エビはオリーブオイルでマリネしてあります。これに醤油を少しとって一緒に食べる。軽い感じの醤油で、量を自分で調節しやすいのです。

 

サマートリュフビシソワーズ
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 これも目の前でサマートリュフを削りかけてくれて完成する一皿。
 塩気がしっかりしている冷たいヴィシソワーズは美味。フルールドセルのような塩の結晶を舌に感じたので、もしかしたら皿に塩を振ってから注ぎ込んでいるのかもしれません。
 ここに香りはやや穏やか目でコリコリナッツのような食感の良いサマートリュフです。
 
カプレーゼ
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 これもグラスで。下の層は赤というよりもオレンジ色のトマトのムース。その上にはチーズのエスプーマです。上には酸味のあるドライトマトを中央に添え、横にパリッと水分を飛ばしたバジルの葉です。カプレーゼにある食感を破壊し、滑らかな口当たりを実現した一味違ったカプレーゼでした。
 
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 ここで出されたパンはフォカッチャ。やや塩気が強めで外側がパリッとしていて美味しい。
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 次にバゲットが出されました。こちらはフォカッチャに比べて普通です。
 
手長エビ
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 手長エビのソテーに泡のボール。この泡はチーズの泡なのです。ほんわりと香るチーズの風味が面白い。スープに浸っているのですが、これはアメリケーヌソース。濃い海老の出汁が美味しい。
 
キノア
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 このお店のスペシャリテ。キノアのように見える粉末が半分の壁にかけられた器に、目の前で熱いコンソメスープを注ぎ込み、匙でスープごとすくい取って食べる。冷たさと熱さを同時に味わう。粉末は液体窒素で固形化したフォアグラのムース、コンソメもやや濃厚に傾いた出来栄えです。さらりと口に入るフォアグラがコンソメと交じり合い濃厚な旨みの競演に口の中がざわめきます。
 
穴子スモーク
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 御椀が目の前で蓋を開けられると、スモークの煙が中から広がります。御椀の中に桜チップのスモークの煙を閉じ込めてあったのですね。
 それが晴れると、なかにはふっくらとした穴子。その下にはペーストにしたレンコンと食感のある胡麻です。木の芽のさわやかさもうれしいですね。
 
佐賀牛
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 3種類の肉料理から選択できます。ぼくは佐賀牛のざぶとんと呼ばれる部位の肉を。味付けはシンプルに塩胡椒。まったくの直球勝負。火の入りも素晴らしい。肩ロースの上に座布団のようにのっている部位らしいのですが脂ののりといい実に美味い。
 付け合せは金針菜とマッシュポテトです。
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 土金先生は鶏です。食べていませんが、構成は同じ。
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 付け合せには葉物野菜が別添えで。

 
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 ここで締めの前にチーズを薦められました。木枠のガラスケースに。一緒にイベリコ豚の生ハムも出されるそうです。ということで当然注文。
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 生ハムはいつもながら美味いね~。それもそれだけではありません。

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 赤肉のメロンの球体ジュースが一緒に出されました。イベリコ豚を口に入れた状態で球体ジュースを口に入れると、生ハムメロンが口の中で完成!
 付け合せの干し葡萄も、好きではない自分が食べても美味。
 
五島うどん
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 長崎県の五島のうどん。日本三大うどんである讃岐、稲庭、水沢、五島の一つ…ということは調べてはじめて知りました。水沢か五島かは結論出ていないみたいですね。四大うどんにしちゃえばいいのに。つるつるしたのど越しの良いうどんで細い麺です。上には香りよい岩海苔がたっぷり。そしてこの汁もまた美味。甘みがなんとも上品。
 
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 デザートは一口でいただけるちょいとビターなキャラメルのアイスと濃厚なカスタードのプリン。
 
 食後にはお茶がいただけます。金沢出身のぼくはほうじ茶で。ほかにも煎茶、抹茶などがありました。
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 お茶菓子はしっとりしたフィナンシェとさっくり軽いガトーショコラ。
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 最後に可愛らしい飴ちゃん。

 ぼくが食べたのはマンゴー味でした。

 

 お茶は和室でいただけるとのことでしたが、先客がいて相席もご迷惑かと。時間も遅く、終電に間に合わないため早々に帰らせていただきよく見てはおりません。
 
 さて、トイレウォッチャーなのでトイレも。和室の奥にあります。杓子を添えた水桶にちょろちょろと水が流れる手洗い。ちょっと使いづらい気もしますが和の面持ちが面白い。トイレはその奥で折りたたまれる開き戸です。
 
 総評は☆☆☆(三ツ星)です。同様のスタイルでされる店が増えればかわってくるのかも知れませんが、現状ではしっかりした技術の上に「エル・ブリ」の魔法を乗せて展開している稀有な店です。その点において「龍吟」よりも上の評価。写真撮影可能なのも評価がこれだけ分かれている理由かもしれません。
 ところで、土日限定で朝食をやっているそうです。
 7時、8時半、10時の三部制。早速、次の日曜日の朝8時半で予約しました。

 

08年8月7日日曜日朝に再訪。

 朝6時半起床。急いで準備をして7時に家を出た。
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 目的は8時半に予約したこの店の朝食。3500円です。この時間帯のお客はぼくらだけでした。

 10時の回には数組いらっしゃいましたね。

 (朝食は予約制で夕食時に声をかけられた方だけだそうです。まずは夕食を食べてみてください~)
 
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 最初に出されたのはニンジンのジュース。添加物はないとのことでしたが、ニンジンの味はそのままに、ドロドロではなくきゅうりでも使っているのではないかというほどにすっきりさわやか。これはすごい。作り方を知りたいなぁ。
 
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 最初のお盆はご飯と味噌汁、香の物です。ご飯は白米と玄米入りのお粥かの選択。

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 おかわりのときにかえられるのでどちらからでもOK。
 おかゆはよい火の入れ方で、お粥嫌いのぼくがとても美味しくいただける。玄米の食感もよいのでしょうが、振ってある塩が効いていて。
 味噌汁は豆腐とわかめ。麹味噌なのでぼくと家内の好みです。これも美味しい。
 香の物はなす、きゅうり、大根。どれも濃すぎず良い。それに小さな南紅梅のような梅干2個。

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 途中に追加される次の盆はおかずの盆です。

 鮭の塩焼きが手前に。刻んだ茗荷もいやみなくさやか。塩をつけて食べる。
 その奥には4つの小鉢です。
 左からわさびを添えた胡麻豆腐、モロヘイヤと揚げた豆腐のおひたし、ひじきの煮付け、温泉玉子です。玉子は生卵も選択可能。
 温泉玉子は箸でプリンとした黄身を持ち上げるくらい。とろとろの白身も美味しい。
 
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 これらをいただくのに調味料も出されます。奥から海苔、七味、山椒、醤油、塩です。
 

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 これは途中に3人分まとめていただいたきんぴらごぼう。

 これがまたものすごく美味しい。日本料理の確かな技を実感させられます。

 

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 グラスで供される生湯葉。わさびを添えています。

 
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 水菓子は梨でした。グラスに切ったものを。おお、甘い。
 
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 最後に煎茶です。白い湯飲みが美しくきれい。
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 それにお茶菓子に金平糖です。白と赤が美しい。日本の美を感じます。

 
 「エルブジ」で修行ということがどうしてもクローズアップされますが、和食に関しても基本がしっかりしていて、ごく普通のメニューでも「これは」と思わせるような美味しい作りをされているのが印象に残りました。
 総評は☆☆☆(三ツ星)に格上げです。
 土日限定といえど、朝食がいただけるなんて良いと思いませんか?

 

山田チカラ (ヤマダチカラ) (創作料理 / 麻布十番)
★★★★★ 5.0

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