「藪蕎麦 宮本」(☆☆)

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 静岡は島田インターからほど近いところに建つ一軒の古民家。

 こここそが頑固職人宮本晨一郎氏の石臼自家製粉の江戸前蕎麦の店。

 ひと客ひと客ごとに大切に作られる香り、咽喉越し、食感のそろったそばに、濃い目のつゆはここまで来る価値があります。
 
住所:静岡県島田市舟木253-7
電話:054-738-2533
定休:月曜(祝日は翌日)
営業:11時半~15時(売り切れ終了)
 
 静岡や焼津インターをはるか超え、島田インターで降りると車ですぐの場所に店はありました。
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 街道沿いの緑多い一軒家です。
 街道沿いに立てられた木の看板で店名、店の前には蕎麦商の看板。純和風のエントランスを通り、中に入ると天井の曲線の梁も美しい古民家でした。

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 土間みたいな場所で待ち、座敷に上がります。

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 座敷は古時計がボーンとなり、裸電球が下がっていて、昭和の懐かしい趣があります。

 

06年7月16日の来訪。

 連休の日曜日に珍しくドライブ。
 とはいっても、運転嫌いのぼくが行くのだから、理由は明白で美味しいものが目的。
 1軒目は雑誌「PEN」の蕎麦特集で静岡からリストアップされたこの店。池之端藪蕎麦で9年間修行された宮本晨一郎氏の石臼自家製粉の真っ当な江戸前蕎麦の写真に惚れていました。

 目の前の駐車場は11時半過ぎで4台が埋まっており、お店の女の子に案内されてよりインター側の駐車場に停めさせていただく。

 
 注文はいろいろ迷いましたが、注文を取りに来た方と相談し決めました。
 蕎麦は基本的に1枚が本当に3口半で食べられる量しかないので、一人1枚は絶対で、ぼくらはざると手挽きを1枚ずつ2人前食べました。1人前を二人で割って…といういつものぼくらスタイルはまったく合いません。そのくらいの量なわけですね。
 
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 最初に出てきたのはお茶かと思いきやカンと冷えたお冷が陶器のコップで。
 麦茶とか出ないところはちょっとびっくりですが、水が良いようです。

 
天だね 1500円

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 最初に来たのはこれ。
 サクサクと軽い芝海老のかきあげ。天ぷらは驚くほど軽く、上に積み重なるように厚い。中の海老もプリッとしたものがゴロゴロです。これに春菊らしき葉っぱの揚げ物が付いてきました。
 天つゆは旨味がしっかりしていてやや濃い目の味わい。
 薬味には大根おろしとせん切りの冥加です。
 
天ぷら きす 1400円

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 さっくりと程よく揚げられたキスの天ぷら2匹分。これに緑色の茗荷の天ぷらと天ダネ同様の春菊のような葉の天ぷら。
 天つゆだけではなく、自然海塩と思われるやや赤い粗塩が付いてきました。
 薬味は大根おろし。
 
ざるそば 800円

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 細いつややかな手打ち蕎麦。ざるで出てきます。

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 そばつゆは濃い目、さすがは藪系列。ぼく好みです。ちょちょっとつゆにつけてそばをすすると香りと味わいよく、咽喉越しも良い。
 蕎麦湯は透き通ったものでしたが、つゆを割って飲むとしっかり美味しい。最後まで飲み干してしまいます。
 薬味はネギ、大根おろし、わさびです。
 
手挽そば(汁なし) 600円

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 こちらはおかわりで汁なしを注文することに。通常はざるそばと同じ800円です。
 おかわりの要領でざるが取り替えられます。
 やや透き通っていて黒い粒が見える手打ちの蕎麦。コリコリした食感で、ざるよりも香りが強い。
 これも3口くらいで食べ終わる量なのが残念!
 
 ちなみにトイレは外に出たところに和式でありました。
 
 仲居のおばさんにも、他のお客さんにも娘を可愛がっていただきました。
 他のお客さんも比較的近くから来たようですが、天ぷらそばをご夫婦共に食べられ、量が少ないこととそうめんのように細い、ということであまり評価されなかったようです。ご夫婦の年代的にがっつり食べたい派なんだろうな、と。そういう人には向かないようです。

 

薮蕎麦 宮本 (やぶそば みやもと) (そば / 島田市その他)
★★★★ 4.0