「a hill(アヒル)」(☆☆)
ahill  
 鉄板焼きフレンチという融合型の新形態。

 「東京最高のレストラン2005」の注目店にも挙げられ、今波に乗る新進の店です。
 
住所:港区西麻布4-22-10プレステージ西麻布1F
電話:03-5766-2020
定休:日曜
営業:18時~深夜3時(2時LO)
 

 入籍の記念日を1日繰り上げて05年04月06日にお祝いをすることにしてここに伺いました。
 店の横の100円パーキングに車を停めて18時にお店へ。当然最初の入店です。
 ベージュ色の大きな石のタイルを組み合わせたような落ち着いた外壁。中も間接照明の薄暗い区雰囲気の良い空間。フルオープンのキッチンを中心としています。
 21時より前の予約が取れにくくなっているということですが、この日も19時過ぎには満席です。駅から遠いこの立地かつ周辺の激戦ぶりを考えると驚異的でしょう。
 
 メニューは4098円のA、6300円のB、8400円のCにアラカルトです。starter、second、mainから1品ずつ選べて、売りとしているカレーがつき、チーズにデザートを1品選べるMENU Bを選択。
 座って待ってオープンキッチンを見ると、目の前にカレーやマッシュルームソースの入った手鍋。奥のガスコンロにも準備された数多くのソースが金色の持ち手の手鍋に並べられています。どんなフレンチになるのだろうと、興味が尽きません。

 

amuse)ほうれん草とベーコンのロワイヤル

 和食器の上に緑のほうれん草と赤いベーコンを混ぜ込んだ玉子焼きみたいな形の突き出し。玉子はふわりと滑らかで茶碗蒸しのよう。ベーコンの塩味が程よい。
 
starter1)長野産グリーンアスパラガスのソテー マッシュルームソースにクリスタル・プロシュートを添えて Green asparagus saute with Cristal Prosciutto, mushroom sauce 1575円


 マッシュルームのクリーミーなソースの上に鉄板で焼いた極太のグリーンアスパラ、その上に半面に火を通したプロシュート。周辺にはオリーブオイルがたっぷり。
 
starter2)北海道産天然帆立貝のソテー 白ワインソース Grilled scallop, white wine sause 1575円

 ゴロリと肉厚な貝柱とそれよりも大きいのではないかと思うくらいのプリッと巨大な精巣、そしてヒモが鉄板焼きで。みじん切りの玉葱を使った白ワインのソースがかけられています。本日一番美味しく感じた一皿。
 
本日のポタージュ Today’s potage 525円

 本日はとうもろこしのポタージュ。滑らかな口当たりで普通な感じ。刻んだ浅葱を浮かし、これにもオリーブオイルを浮かしています。
 
second course1)フォアグラのソテー バルサミコソース Foie Gras sauté, balsamic sauce 2625円

 表面をカリッと焼いたフォアグラ。火の通し加減もよく普通に美味しい。バルサミコと赤ワインと思われるソースは濃厚で甘い。付け合せはインゲンと白アスパラのソテー。
 
second course2)本日の魚のソテー Today’s fish sauté 2100円

 本日は真鯛。鉄板で焼いた真鯛はほっくりしていて淡白。赤ピーマンとトマトの赤いソースとバジルの緑のソースにオリーブオイルで食べます。グリーンアスパラとインゲン、ホワイトアスパラなどのソテーとともに。
 
main course1)三陸産アワビのステーキ シェフのスペシャリテのこがしバターのソースで(+2625円) Abalone steak burned butter sauce 4725円

 アワビのソテーは柔かく弾力があり美味。焦がしバターソースは玉葱のみじん切りで仕上げた甘めのもの。落花生のスプラウトとオクラ、蕨という珍しいつけあわせがフレンチらしく重ねられていました。ソースに特徴があるようですが、アワビの美味さを引き出す役割はなく少々残念。ぶつかり合っているような、ソースが勝ちすぎているような。

 

main course2)特選牛フィレステーキ Special-choice beef steak Fillet 1890円

 中がピンク色で美しいフィレステーキ。霧島山麗で育てられた宮崎県の都城牛を使用。付け合せはニンニクチップと鉄板焼きらしい。少々盛られた柚子胡椒、小皿に出される柚子風味のおろし大根醤油で食べるのも良い。
 
ahill カリー 自家製福神漬けを添えて ahill curry, served with our original pickles 1890円

 牛筋に玉葱とマッシュルームの鉄板焼きのチャーハンにカレールーをわずかに混ぜたごはん。その上に野菜とフォンドヴォーを効かせたと思われるカレールーのかけられたカレー。浅葱もたっぷりかけられ、京野菜の自家製福神漬けが添えられています。この店ならではという一品ですから、一度は食べると良いか。福神漬けを加えて食べると美味しい。
 
3種のチーズ 3 kinds of cheese

 写真の13種のチーズから自分で3種選べます。各種そろえられたチーズはどれも美味でした。とくにブルーベリーの入った甘めのチーズは良かった。イチジクと胡桃の入ったパンが添えられています。
 
dessert1)ガトーオペラ キャラメルのアイスクリーム添え Gateau Opera, with caramel ice cream 840円

 甘みのほとんどない大人なキャラメルアイスクリーム。金箔を飾った濃厚なチョコレートのケーキ。

 入籍記念日を結婚記念日と伝えてありますので、チョコレートの文字で書いてくれています。歌ったりしませんので、その点も恥ずかしくありません。店の人すべてが祝福の声をかけてくれます。
 
dessert2)パイナップルのムースグラス ミルフィーユ仕立て チョコレートソースをかけて… Pinapple Mousse Glace, chocolate sauce 840円

 さっくりした軽いアイスにパイナップルもたっぷり。ミントの葉が添えられています。チョコレートソースは飾り程度でした。
 
 この店で食べていてとにかく良かったのはシェフとの距離が短いこと。

 鉄板のカウンターで調理してくれるので、快感すら覚えます。
 ただ、コンセプトは良いものの、まだまだ未成熟なお店だと感じました。料理の完成度もそうです。しかし、スタッフはすべて若く接客に対してきちんと情熱を持っていますので、より成長していくのでしょう。目が離せません。