皆さまこんばんは
実はエバーグリーンインターナショナルさんから最近発売されたNEWインスピラーレGTシリーズの中でも、スーパースタリオンGTだけは他のラインナップと異なり、SD17サイズが採用されています。
この辺りも実戦で使用するルアーやシチュエーションを踏まえたパーツ選択。
いよいよ本格的に夏らしい空気になって来ましたね…。毎日暑過ぎです
さて、今回のタイトルの
「同じ様に見えて、全然違う」
その他、サイドワインダー等に採用されている非ブランクタッチ方式のTCS、今は廃盤となりましたが、ロードランナー等に使用されていたTBSタイプ等がルアーフィッシング用途としては一般的です。
上記の様に、見た目からして形状が明らかに違う場合は誰が見ても「違うなぁ…」と判別出来ると思うのですが、同じ形状のリールシートであっても、実は細かいところで全然仕様が異なるのをご存知でしょうか
例えば、皆さまご存知のECSシート。
こちらのリールシート、実はサイズが2種類有ります。
上記の画像の通り、ECSシートにも2種類有ります。
ECS16と呼ばれる、SD16サイズ。
ECS17と呼ばれる、SD17サイズ。
寸法をご確認いただいて判る通り、SD17サイズはSD16サイズと比較して一回りシート自体が厚く、大きくなっているんです。
更にシート内部の構造の相違点として、SD17サイズは一回り大きくなった分の重量増を抑えること、グリップとブランクスを接着するエポキシ接着剤が触れる表面積をより広く確保することを可能とするように筋状のリブが設けられています。
そしてこれらのシートに組み合わされるブランクス、或いはカーボンパイプの太さによって、実質的なパーミング感がかなり変わってきます。
上記写真の内容をご覧いただくと判りますが、SD17サイズは外径15mm以上の比較的太いブランクス、カーボンパイプに対応しており、高負荷への対応を想定し、ブランクス外径も太くなりがちなヘビー寄りのロッドに適合する設計となっています。
(MHクラスでもハイテーパー寄りの設計になっているロッドについてはこちらを採用しているケースも多いですね)
シート部の厚みの違いは2mm弱。
組み合わされるカーボンパイプの外径の違いは数mm程度。
僅かな違いだと思うかもしれませんが、手元の数mmの差はロッドティップ側では更に大きな差になりますから甘く見てはいけません…
この辺りも実戦で使用するルアーやシチュエーションを踏まえたパーツ選択。
因みにTCSシートについても同様にサイズが2種類有ります。
TCSシートはよく分厚い、太いと言われますが、グリップそのものの外径は同じSD16サイズでの比較においては実は変わりありません。
大きく違うのはトリガー上部の絞り込みの差。
ブランクス、或いはカーボンパイプが露出することにより両サイドからの絞り込みも入るため、この部分の数mmの差は数字以上に大きく感じます。
因みにECS SD17サイズとTCS SD16サイズの比較ではシートそのものの厚みは寸法上はECS SD17サイズの方が厚いですが、実質的な使用感はもしかするとECS SD17サイズの方がコンパクトにグリッピング出来る感覚が出るかもしれません
ただ、実際はTCSシートの様に軽く握り込んだ状態でホールド出来る方がロッドを自然な手首の角度でキープでき、持ち重り感を軽減出来たりもしますので、一概にコンパクトに握り込めるECS シートが全てのロッドに対して優れている、というものでも有りません。
(ただロッドを持つだけで重い・軽い、と判断するのでは無くて、リールをセットし、ガイドにラインを通し、ルアーをセットして実戦で使用した際のバランスが如何に優れているかが重要ですね。)
用途に合わせたブランクス設計、ガイドセッティングに加え、リールシートの選択はロッドの使用感を左右する極めて重要な要素。
人間の感覚はとても繊細なので、「このロッド、何か良い感じだな…」とか、「このロッドはキャストし易いな…」という感覚は往々にして正しいバランスが取れているからだと思います。
そしてそれには必ず理由があるはず
だから一つひとつのパーツがどの様な設計になっているのか?また形状や大きさが意図するところは…?等々、細かい部分を紐解いて理解するプロセスが私としては楽しくて仕方無いですし、趣味としても追究したいところでもあります笑
(市販品を選ぶ際にもきっと役立つはず…。)
以上、長文且つマニアックな内容となり失礼致しました。
(また既にご存知の内容であれば申し訳ございません…。)
私がこれまでの人生で蓄積してきた上記な様な内容は今後のロッドテスト、開発に関するレポートにも活かしていきたいと思います。流行や最新の素材・設計をただ追うのでは無く、本当に実戦時を想定して優れたものを明確な理由の元に取捨選択して採用出来れば何よりですね。
(現時点で私の知識の及ばない部分については、引き続きメーカーの技術者の方々にも知識を仰ぎながら勉強を続けてまいります。)
それでは本日はこの辺りで失礼致します