4月9日娘の入園式に参加して来た。
もちろん生まれて初めての事だった。
だから初めて幼稚園に入る時、
娘以上に緊張しドキドキしていた。
同じようにピシッとしたてた、
沢山の親御さんとお子さんが、
会場へ向かった。
僕らは後ろの席。
娘は前方の席へ。
小さな背中33個が、
向こうの方で並んでた。
ある子は泣いてお母さんの元へ走り、
ある子は立ち上がって何かを叫び、
ある子は隣の子と仲良く話してた。
横を見れば、
若そうな夫婦や、
僕らより年上の夫婦。
それぞれが胸躍らせていたのが分かった。
それらを見てたら、
「30数年前両親はきっと、
入園式でウルっと来てたんだろうな」
って思った。
3歳の頃の記憶はないけど、
体が思い出したのか逆に僕がウルっと来てしまった。
その入園式での、
校長先生のお言葉が、
今も心に残ってる。
「親御さんはお子さんが赤ちゃんの時は、
出来る限り肌を離さないでください。
そして幼稚園に入る頃には、
肌を離しても手を離さないでください。
小学校に入る頃には、
手を離しても目を離さないでください。
思春期に入る頃には、
目を離しても心を離さないでください。」
その時期その時期で、
親子の関係は変わって行く。
だからその時に見合った、
お互いの関係を結んでいかなくてはいけない。
そんな事を考えてたら、
「大切」って漢字は、
「大きく切る」って書く事に気付いた。
きっと人と人との関係も、
同じ状態を保とうとするんじゃなくて、
その時々で「切って行く事」と、
新しい関係を「繋げて行く事」が、
大切なのかもしれないって事に気付いた。
大きく切れないとしても、
親とも子どもとも恋人とも、
パートナーとも友達とも、
大切なのは日々「小さく切る事」なんだろう。
最近またテレビでは、
我が子へ虐待するニュースが、
世間を賑わしている。
一つ一つの家庭内で、
今日も色んな事が起こってると思う。
その時はどうか、
今何を離して何を繋げたらいいのかを、
落ち着いて考えてくれると嬉しい。
そんな大それた事を、
おこがましくもふと思った。
そろそろ桜がピンクから、
緑に変わってく。
全ては移ろいゆくもの。
今日の僕は明日の僕とは少し違う。
その変化を止めるんじゃなく、
ただただ流れに身を任せて行きたいと思った。
式が終わり幼稚園を出ようとした時、
色とりどりのチューリップが風に揺れた。
「今日からよろしくね」
そう言われた気がして軽く会釈した。
※上記写真:櫻井幹也(京都・左京区)