riraのブログ

日々のことのつぶやき


テーマ:

ワークサポート・システムプログラムの就労セミナーで行われているトレーニングの一つである「職場対人技能トレーニング(JST)」について紹介する。

職場におけるSSTのようなものである。


1. 職場対人技能トレーニング(JST)とは

JST=Job related Skills Training

職場で一般的に想定される、対人コミュニケーション課題を設定し、グループワークの中で、発達障害者自身によるロールプレイや、意見交換を行いながら、職場で必要となる対人コミュニケーションのスキルを付与している。


基本的な考え方

①職場で必要とされる背景や体得する意義等の知識付与。

②テーマは、どの職場でも共通する場面や、スキルを厳選する。

③受講者個々の認知特性のアセスメント結果に基づいた支援を行う。

④ターゲットとなるスキルについて、モデリングを通して分かりやすく提示する。

⑤ワークシートを用意し、板書も行い、視覚支援をする。ポイントを明示し、焦点付けをする。


2. JSTのテーマの例

・基本課題

○挨拶する ○報告する ○質問する ○確認する ○職場で謝る

○遅刻した時の対応 ○残業を引き受ける


・応用課題

○人のそばを通るときには ○会話を遮り、要件を伝える ○休憩時の会話


3. ロールプレイ体験

今回、セミナーの参加者で実際のJST課題をロールプレイ体験した。


テーマ 「会話を遮り、要件を伝える」

①テーマの説明

上司や同僚に自分の用件を伝えようと思った時、相手が他の誰かと話しこんでいると、自分から話しかけるタイミングがつかみにくいことがある。

しかし、相手に用件を伝えないままでいると、自分の作業が先に進まなかったり、上司が部下(あなた)の作業の進捗状況を把握できなかったりするおそれがある。

よって職場では、うまく相手の会話を遮って自分の用件を伝えることも重要。


②受講者が実際の場面で、困っていること

・話が盛り上がっている時、深刻な話をしている時、打ち合わせをしている時等には、会話を遮るタイミングがつかみにくい(特に、相手が自分にとって怖い人、嫌な人の場合)

会話を遮ることは苦手なので、相手の話が終わるまでひとすら待つことにしている。


・相手が作業中であっても、自分の要件のことで、頭がいっぱいになり、急に話しかけてしまう。

相手を驚かせていたかもしれない。


・声をかけても、相手が忙しいとなかなか応じてくれない。

その場合どうしたらいいか分からない。


③対応例

・相手が忙しそうにしている時 

まず、用件を手短に言う。 「○○の件ですが、今よろしいですか?」


・相手が電話中 

電話が終わるまで待つ。

隣の人に伝言をお願いする。

メモを渡す。


・相手が考え事をしている時

視線を合わせる。

「ちょっとよろしいですか?」と声のトーンを抑えて尋ねてみる。


・話しかけても、相手が気づかなかった時

もう一度、話しかける。

近づく。

名前を呼び掛ける(相手に聞こえる声で)

「すみません」「ちょっとよろしいですか?」と言う。


④スタッフのロールプレイ 1回目 (悪い見本)

・場面設定

Aさんが自分(主人公)。

BさんはAさんの上司(係長)。

Bさんは、Cさんと仕事の打ち合わせをしている。

Aさんが作業終了の報告と、次の作業指示をBさんに仰ぐ場面。


・会話の流れ

B係長 「明日の○○のことなんだけど、どうなってますか?」

Cさん 「はい、○○でしたら、今準備中ですが、教えていただきたいことがありまして・・・」


※AさんはB係長に報告があるのだか、会話が長く、切れ目が見つからない状況でモジモジしている。

視界に行かないので、なかなか気づいてもらえない。

長いこと、モジモジしたあと、勇気を出して唐突に言った。


Aさん 「作業が終わりました。次の指示をお願いします。」

Bさん 「・・・はい」


⑤スタッフロールプレイ(悪い見本)を見て気づいた点を出す。

・用件を相手の視界から見えないところから言っていた。→ 相手から見えやすい位置で待つといい。

・待っている時、モジモジしていて、用件があるのか無いのかわかりにくい。

・何も言わないより、「すみません」等、一言あった方がいい。

・同じ場所に複数の人がいる場合、相手の名前を呼ぶといい。


※この時、Bさん、Cさん役をやった人から、Aさんの態度についてどういう印象を受けたかも聞く。

→相手がどういう気持ちかを考える手掛かりとなる。


⑥スタッフロールプレイ 2回目 (良い見本)

B係長 「明日の○○のことなんだけど、どうなってますか?」

Cさん 「はい、○○でしたら、今準備中ですが、教えていただきたいことがありまして・・・」


※話が長く切れ目が見つからない状況だが、AさんはB係長の視界に入るように移動し、B係長に気づいてもらえた。


Aさん 「B係長、お話し中、失礼します。作業が終わりました。次の指示をお願いします」

Bさん 「はい、わかりました。それでは△△をお願いします」

Aさん 「△△ですね。はい、わかりました」


※このあと、悪い見本と比べて良かった点を出していく。


⑦受講者ロールプレイ

・スタッフロールプレイの良い見本を参考に、受講者がロールプレイを行う。

 ↓

・「良かった点」、「工夫すれば更に良くなる点」を出す。


※この時、工夫する点が多く出ないように注意する。批判的な意見を言いがちな受講者がいる時、あらかじめ2、3個までと決めておいたり、「良い点のみ」を出させることもある。

→人の良い面を認めるということを身につけさせたい狙いがある。


 ↓

・再ロールプレイの実施 


⑧まとめ、感想、振り返り


4. アプローチの工夫

JSTにおいて、

・テーマの理解そのものが困難な人

・ロールプレイは上手くできるが、般化が困難な人

 ※「声を掛けずにずっと待っていればいい」、とか、「上司への報告の必要性を感じない」とか・・・。

       ↓

効果があがりにくいケースが見られる。


そこで、テーマの内容について「した場合」と「しない場合」とを図式化したワークシートを使い、自分や相手の気持ち及び作業の状況を考える。

 ※モノローグ(吹き出し)の活用

      ↓

テーマが理解されやすくなるのではないか。


アプローチの工夫によって・・・

受講者のコメント

・「相手の気持ちを考えたことが無かったので、参考になった。」

・「ミスを指摘する人も、嫌な思いをしていることが分かった。」

・「素直に謝った方がいいと分かった。」

・「自分は実施しないことはないので、しない時の気持ちは分からない。」


※自分や、相手の気持ちを客観的に捉えることが苦手な受講者にとって、ある程度有効。

→テーマ理解の高まり


JSTが「受信→判断・思考→送信」における、「送信」部分だけでなく、「判断・思考」部分にも有効となる。


実は、そこが一番大事な点でもある。

JSTを数回やったくらいでは、パターンを覚えるだけで、実際の場面では使えないことが多い。

SST同様、長年の積み重ねが必要だ。

では、なぜやっているかというと、JSTを勉強して良かった、教えてもらえて良かった、と実感することが、人と関わっていくために、職場で上手くやっていくために、とても重要なことだからである。


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