出雲贋桜伝

テーマ:

 BQMAPの舞台は、いつも見終わって切ない気持ちになります。
 そして、とうに脱ぎ捨てた青春スーツを着込んだような気持ちに。
 今回は、色々な愛の形が描かれていて、その中には打算や計算ずくの愛もあるのに、結局すべてが切ないのはなんでだろう。


 たぶん、登場人物が一所懸命生きていて、その結果が利用したり殺したりという結果になってしまうせいかも。


 国津神三姉妹が、それぞれに個性があってよかったです。
「嫌いなんて言ってごめんね。だいすきだよ」
 そういって事切れるサクヤの明るいだけに悲しい最後は、会場も泣いてました。


 スサノオやウズメ、アマテラスといった、割とおなじみな名前が出てくるお話でした。
 だからなのか、国津神と天津神と人はどう違うのか、とか、過去の因縁話とかすべてすっとばして語られるのですが、まあ、それはそれでいいのかもしれない。
 神がまだ人の間で暮らしていた時代、遠い昔にあった神話のようなファンタジーのような恋物語のようなおはなし、と、いうことで。


 出会うために何度でも生まれ変わり
 出会ったら、命を賭して戦う
 何度でもお前を殺す
 何度でも。
 愛しているから。


 割と唐突に語られるスサノオとオロチの愛も、なんかよかった。
 ちょっと私、今週見た二本で、おはなしについて考えなおした。
 ハリウッド映画のように、全部わかりやすく説明すればいいってものでもないんだなあ、って。



『出雲贋桜伝』
BQMAP page090337
2009年3月19日(木)~22日(日) 新宿シアターサンモール
[作・演出・美術]奥村直義
[CAST]
スサノオ:前田剛、ツクヨミ:臼井琢也、アマテラス:丘崎杏、タケミカヅチ:立花拓也、オモイカネ:町田晶子、サルタヒコ:山本伸一、チルヨ:竹内順子、メブキ:高瀬郁子、サクヤ:知桐京子、クシナダ(ウズメ):本多可奈、ホヒノ:明神杏奈、タケミナカタ:矢部亮、オオヤマツミ:小笹将継、ナムチ:栂村年宣、ウサギ:土屋真由美
[コピー]
その愛はすべてを焼き尽くす。
[あらすじ](公式HPより)
国譲りの神話の舞台として
日本書紀 などに登場する出雲の国。
これは神と、
ヒトと、
神でもヒトでもないモノたちの、
愛の物語です

AD

蜉蝣峠

テーマ:

 見てきました。蜉蝣峠。
 ACTシアター前に赤とか黒とかのTシャツの人が列ってたから、「客層変わった……!?」と、思ったら、DoragonAsh待ちの人でした。
 
 正直、第一幕が終わって幕間に入った時、どこに着地するかどうしてもわかりませんでした。
 が。
 二幕になって、坂道を転げ落ちるように(って表現が悪いな)収束していく物語たち。
 正直、シャモの着ぐるみで出てきたつっつん(堤真一)が、あんなにクールに終わると思わないじゃないですか。
 ○んこ投げて○んこ丸出しの闇太郎が、あんなに切ない純愛キャラになると思わないじゃないですか。


 と、いうわけで、殺陣あり、愛あり、ムード歌謡あり、切り口満点な舞台でございました。


 堤さんの殺陣は本当にきれいでカッコいいですね。


 どうしても、つっつんというと『吉原御免状』と比べてしまうんですが、あれと比べちゃいけないな、って思いました。
 原作つきで、しかも、隆慶一郎。ストーリーの奇抜さと説得力は、比べものになりません。
 ただ、舞台って、物語の起承転結がカッチリしてればいいって話じゃないんだな、って、改めて思いました。


 あと、銀之助の勝地涼くんが思った以上によかったです。
 座長の奥さんに間男したために、切り落とされて、男でも女でもなくなってしまった役。
 言動も行動もバカのようで、つきつめた明るさは時代を生き抜くための処方のような気さえしてしまう。そんな役。


『蜉蝣峠』いのうえ歌舞伎・壊<Punk>
2009年3月13日(金)~4月12日(日) 赤坂ACTシアター
[作]宮藤官九郎
[演出]いのうえひでのり
[CAST]闇太郎:古田新太、天晴:堤真一、お泪:高岡早紀、銀之助:勝地涼、サルキジ:木村了、がめ吉:梶原善、流石先生:粟根まこと、お寸:高田聖子、立派:橋本じゅん 他

AD