真夜中の弥次さん喜多さん

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 見てきました。
 割と人を選ぶ映画だな、と、思いましたが、こんなに客席がざわめく映画は久しぶりでした。好きな人はとことん好き、嫌いな人は絶対受け付けないという映画です。自分のいい加減な体質がありがたいですわ(笑)。


 江戸、とあるボロい長屋。ワイルドで男らしい商家の若旦那、弥次さん。
 そして美貌でヤク中の役者、喜多さん。
 二人はディープに愛し合っている。喜多さんのヤク中を治すため、そしてリヤルを探すため、二人はお伊勢さまを目指して旅に出る。
 東海道を進む2人が出会う人々と事件、そしてリヤル探しの旅の終わりに待ち受けるものとは果たして?


 私は渋谷で見たんですが、帰りにセンター街で売ってたドラッグより、こっち(映画)の方が酩酊感が強いと思いました。(いや、ドラッグ買ったことないけどさ)
 それくらい、ある意味乱暴で、登場人物やエピソードの奔流は暴力的なほど。
 だからこそ、乗れた時の快感が楽しいんじゃないかなあ。
 心底体調が悪かったら見られない映画かもしれない。こういうものを見ていると、自分の中の「心の動体視力」を試されている気がして、「こなくそー。見切ってやる!」となります(笑)。


 でもでも、かわいいんですよ、弥次さんと喜多さん。
 長屋でディープに愛し合う時も「おいら」と「おまえ」のゆかたを来て。弥次さんは喜多さんのヤク中をなんとか治したいと思って必死で、ワイルドでモテモテのくせに喜多さん一途。喜多さんがいないと情けなくベソベソ泣く!(笑)
 劇中キスシーンもあるのに、長瀬も中村七之助もよく出た!よくやった!って感じです。
 特に七之助はホモのヤク中と、以降の役者生活をちょっと心配するようなキャスティングなのに、これが素敵。かわいくカッコよくやってて、この役者さんを見直しました。(私の中では今まで「『ラストサムライ』に出た歌舞伎の人」だった)
 中村勘九郎もぶっとんだ役で出ていて、「このおっさん尖った人だなあ」と、本当に感心しました。歌舞伎の人ってベースがしっかりしているせいか、ある意味前衛的なものに関して一番抵抗がないのかもしれません。


 小池栄子にもびっくりしました。実は、この映画の中で役者として一番見直したのは彼女だったりします。そのうち大化けする予感たっぷりの怪演でした。


 こんなに悪趣味(誉めてる)のに、「リヤル探し」でいきついたところが、「お互いにどれだけ相手を強く思えるか」なところが、一番奇想天外だったかもしれません。
 愛に迷った時にぜひ。



監督・脚本:宮藤官九郎、 原作:しりあがり寿(第5回手塚治虫文化賞マンガ優秀賞受賞)、、撮影:山中敏康、美術:中澤克巳、音楽:ZAZEN BOYS、衣装:伊賀大介、特撮:柘植靖司
CAST:長瀬智也、中村七之助、小池栄子、阿部サダヲ、柄本佑、生瀬勝久、寺島進、竹内力、森下愛子、岩松了、板尾創路、桑幡壱真、大森南朋、おぎやはぎ、皆川猿時、古田新太、山口智充、清水ゆみ、しりあがり寿、松尾スズキ、楳図かずお、中村勘九郎、毒蝮三太夫、研ナオコ、ARATA、麻生久美子、妻夫木聡、荒川良々

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国際化

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 久しぶりに社食に行ったら、表示が2ヶ国語になってました。(和・英)
「トレイはここで下げてください」
とか
「はしとフォークは別々にこちらに入れてください」
とか。
 どうも月末にビルで国際会議か何かやるらしいです。
 そうか、色々な国の人が来てあの社食を食べるのね、と、思ったら、なんとなく国と国の間のミゾがどこで生まれるかわかったような気に。私、あのビルで働いて3年になろうとしていますが、いまだに社食のご飯を誉めた人を見たことがありません。


 悪いことはいわないので、近所のSUBWAYでも注文して置いとけ。
 2ヶ国語表記より、その方が親切だ。
と、大変失礼なことを思った今日のワタクシ。

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天より授かりしもの

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 久々のマキャフリィ作品、『天より授かりしもの』(アン・マキャフリィ、赤尾秀子訳/創元推理文庫)。
 私はマキャフリィをずっと読んでいたので、京極堂が出た時にもその厚さに驚かなかった覚えがあります。そんなわけで、マキャフリィといえばブ厚い文庫でおなじみだったわけですが、ここ最近の文庫化作品はいずれも本の厚みのない作品。
 それでも、マキャフリィの年を考えると充分以上のおつりが来る感じ。
 念のためいいわけしときますと、年をとったから出来はどうでもいいということではありません。たとえ、こってりと長い本を書く体力はなくなって小品の発表でも、その作家の本が読める幸せとでもいってみましょうか?
 確かマキャフリィは1920年代生まれだから(ググってみた。1926年4月1日生まれ)……78歳ですか!
 もう、新作が読めるだけでありがたく思わないとなー。
 そんなわけで、落語でたとえれば、浅いあがりで小話をいい風情で語ってくれるような、そんな感じの作品です。
 孫娘に書いたそうで、献辞を読むとふむふむとなります。

 ラスト、ちょぴっとセクシャルな感じがするのは、往年のマキャフリィ・ファンには嬉しいところ(笑)。

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おねがいマイメロディ

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 今まで、マイメロディには1ミリも心が動いたことがなかった私ですが、新番組のアニメを見てから、ちょっと変わりました。
 私が初めて見た時は、マイメロが魔法で試合中の男子サッカー部員のユニフォームをヘソ出しミニスカのチアリーダースタイルに変えてました。(ドキっ☆ミニスカだらけの男子サッカー大会)
 サンリオ的にはオーケーなんでしょうか、この番組。


 今日は、川に叩き落されたマイメロが白目をむいて流れていってました。

 本当に、サンリオ的にはOKなんでしょうか?


 だがしかし、そんなことはともかく(ともかく?)、問題はマイメロのキャラ設定でしょう。
 どうもあのアニメを見る限り、天然の黒さを感じる(笑)。無邪気なだけに始末が悪い、真っ白いくせに黒うさぎ。
 一応、敵キャラのクロミが毎回かわいそうで、かわいそうで……。



なんだか好きだ。


 いや、だから、どうせ早起きしてるし、日曜の朝はこれからも見ようかな、って(笑)。

いい日旅立ち

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 家族が本日、旅立って行きました。
 妹の友達が地元で結婚式を挙げるそうで、私も知っている子なので出席したかったです。
 でも、今週はイベントが山盛りで涙を飲んであきらめるの巻。
 せめて、今日の予定がなければ行けたのになあ。

春の防災訓練が。

 くそう。防火隊長の役割が憎い。
 6月には消防庁に講習も受けに行かないといけないのです。
 うちの会社には若い男の子もいるんだから、防火隊長なんて、そっちにやらしとけ。
 私に期待されても、社長をかついで扉を叩き壊しながら逃げるとかはできませんてば。


 行きたかったなあ、スラバヤ。

誘拐犯はそこにいる

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 クラーク母娘初の共同執筆、『誘拐犯はそこにいる』(メアリ・ヒギンズ クラーク 、キャロル・ヒギンズ クラーク、宇佐川晶子訳/新潮文庫)。
 これはガラコンサートみたいなものなので、出来をどうこういうものでもないような気がする。お互いの看板キャラクターを出演させての合作だし。

 私立探偵のリーガンと怪我で入院中のミステリー作家の母のもとへ、父の身代金百万ドルを要求する電話がかかった。
 強運のアマチュア探偵、アルヴァイラおばさんの秘策とは? クラーク母娘初のコラボレーション。


 ちょっとお菓子が欲しい程度に本が読みたい時にはぴったり。
 最近、長い本が多かったから、こういう1時間ちょっとで読めるものは息抜きになります。

阿修羅城の瞳

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 映画『阿修羅城の瞳』を見てきました。
 新感線好きの知人から
「今でもトラウマ」
と、いわれたのでどれほどかと覚悟していったのですが、

なかなか「デビルマン」を越える作品にはめぐりあえないものですね。

 いや、それはともかく(笑)、結構よかったです。
 すべては、小日向文世の南北につきる感じ。あの、のほほーんとした顔と口調で、ものを作る人間のゴリゴリの業を演っちゃうところがとってもイイ。もう、キャスティングの勝利ですね。
 この映画の主人公、はっきりいって南北でした。(私には)
 小日向ファンは必見です。

 ところで、世間の評価が低いのは、ストーリーの説明不足なんじゃないかと思います。
 演劇って生身の役者さんが目の前にいるから、ぶっとんだ設定でもスコーンと説得させられちゃうんですが、映画だとなかなかそういかない。「阿修羅城…」の舞台を見て知ってる人はともかく、まったく知らない人が見たらシンドイよなあ、と、思いました。
 普段あまり考えないけど、同じように役者さんが出てお芝居しているのに、舞台と映画って別物なんですね~。

 あ、音楽もよかった!
 映画のサントラなんで10年以上買ってないけど、買おうかな。

亡国のイージス

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 『亡国のイージス』(福井晴敏/講談社文庫)読了!

 いやあ、長かった。
 上下巻のこの本、1冊でも普通の文庫より厚いよ。
 私、アベレージよりは多少読むのが早いと思うのですが、たぶん、上下あわせて1ヶ月以上かかってます。
 最初、この著者独特のクドい描写になかなか慣れなかったのですね。このクドさが福井晴敏という人の特色であり良さでもありますが、いかんせん長い。これが文庫2冊をとんでもない厚さにしとるのだ。

 しかし、後半、慣れてきました。(上巻3週間かかったが、下巻は1週間で読めた)
 それと共に「福井晴敏、ひでぇ」と、思いました(笑)。
 だって、この人、ちょこっとしか出ない人にもきちんと名前とバックボーンを与えて、こちらがキッチリ感情移入したところで殺すんですよ……。何回も、そのたびに悲しいんですよ。ああ……。
 そうでなければ、この『亡国…』のドラマ自体が成り立たないとはわかっちゃいるがツライ。

 たとえば、上巻。
 エージェントの訓練中、訓練生それぞれに子犬が渡されます。与えられた条件は、この子犬と山中2週間過ごすこと。
 限られた一人分の食料の中、子犬に食べ物を分ずに死なせた訓練生は失格だし、足手まといだからと、子犬を置き去りにしても失格。
 胸の中に子犬の温かさを確認しながら厳しい2週間を過ごし、終わったと思った時に上官から与えられた命令は……

その犬を殺して食え。

でした。

ガーーーーーーッデム!

 犬ばかとして、ここで本を放り出さなかったのが不思議です(笑)。

 自衛隊という組織についてどう思うかという問題は難しいところなのですが、そういうのは置いておいて「シーマンシップ」のところはよくわかります。
 人は海では普通にしてては生きて行けない。
 生身で大海の真ん中に放り出されたら、間違いなくそこに待つのは「死」です。
 だからこそ海で生きる人間は助け合わなければいけない。
 それがシーマンシップです。
 ここに描かれる海自は、まずシーマンであり、シーマンとしての矜持を失いません。政治や思想の様々な思惑がある中、様々な人間が翻弄される中、結局、シーマンは復讐者でも政治家でもテロリストでもなくシーマンなのです。
 それが悲劇でもあり、救いでもありました。

 だれかの親であり、誰かの息子でもある男。

 福井晴敏が少ししか登場しないキャラクターにも名前をつけているのは、このことを読者に忘れさせないためでしょう。
 誰かは誰かの大切な人であり、もしかして今そういう人がいなくても、生きていれば誰かの大切な人になれるかもしれない。
 それは、シーマンシップで育んだ絆であるかもしれないし、違うところで生まれた絆かもしれない。
 結局、この本はオヤジが山ほど出てくるのに「青春小説」でした。
 どうしても切り口が「平和」とか「国家」で語られることが多い本なので私も敬遠してたのですが、それで読まないのはもったいなかったです。
 実はこれ、某サイトで熱心に語られていたので興味を持ったもの。(映画化とは関係なくね)
 こういうことがあるので、人様の日記を読むのはやめられません。

保育園へいらっしゃい

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 「ほいくえん・愛」の保育士さんは、みんなイケメン!

 このステキな設定を裏表紙で見て買ってしまいました。『保育園へいらっしゃい』(街子マドカ/ ビーボーイコミックス)。
 ジャケ買いならぬ、設定買いでございます。
 ちなみに、カテゴリからいうとボーイズラブです。先日、とある目的で自分ん家の本棚を探したんだけど、うちにはBLの本はなかったという……。
 なんて健全なんだ、うちの書庫。
 男性向け18禁だったらあるのに☆


 そんなわけで、BLの棚を見ていたら、この本を見つけました。

 読んでみて、大当たり。
 BLが苦手なヒトにはアレですが、ハードなシーンもないし、まあ、イケメン保育士が活躍するファンタジー恋愛マンガだと思えば……。(どこいらへんがファンタジーかというと、お迎えのお母さんに目もくれないで、男性同士で恋愛してるとか)


 BLだからといって読まないのが、ちょっともったいないような作家さんです。

 笑って、切なくて、前向きになる話。
 特に、大人をくどく強気小学生がたまらない感じです。(思い当たるフシがあったら笑ってもらって結構さ……)
 いつだって、まっすぐな子供に大人はかなわない、と、思う1冊。

金魚屋古書店(1)

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 飛行機の中で読もうと思って空港で買った『金魚屋古書店』(芳崎せいむ/小学館IKKIコミックス )。
 片方が通路で、隣の席はいなかったので、気にせず飛行中だらだら泣いてました。


 なんで私がこの本を読むと泣いてしまうのか。
 それは私がマンガ馬鹿一代野郎だからです。
 いくつになってもマンガを読むのはやめられないし、定期的に適当に処分してるにもかかわらずも寝太が抜けそうに蔵書があるし、週末の全巻イッキ読みなんて、それこそ至福だし。


 人生で何度、マンガに泣かされて、切なくさせられて、笑わされて、勇気づけられたことか。
 この巻の中にもチロリと出てくる海外にいてツライこと「マンガが読めないこと」には大きくうなずきます。私も、親に「なんで留学しないの?」と聞かれた時、真面目に「マンガとおせんべいがないから」と、答えていました。
 おせんべいはまだポテトチップや他のジャンクフードで代用するにしても、マンガは替えがきかない。


 たぶん、あなたが私のようなマンガ馬鹿なら、やっぱりこの本は泣けるはず。


 この本はどうしても、ある程度大きくなった人のマンガ話がかかれるのですが、今もリアルタイムに少年ジャンプやサンデーやマガジンに毎週ワクワクしてる読者がたくさんいます。
 今、毎週楽しみにワンピを読んでいる小学生が大人になったら、やっぱりこんな風なドラマが起きるのでしょうか。
 起きるよね。
 だって、それがマンガの力だもの。


 こんなに毎週、ドキドキワクワクさせてくれる何かがある国なんだよ、と、思うと、日本に生まれてよかったとさえ思う。
 ええ、だってマンガ馬鹿一代野郎ですもの(笑)。