治大国若烹小鮮 おがた林太郎ブログ

衆議院議員おがた林太郎(福岡9区)が、日々の思いを徒然なるままに書き綴ります。題は「大国を治むるは小鮮を烹るがごとし」と読みます。


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 若干、旧聞に属しますが、先週の10日に質疑に立っています。NHK中継やその後の各TV番組でも取り上げられたので、ご存知の方も多いでしょう。全部を紹介する事は出来ませんので、ハイライトとなった部分だけをピックアップしてみたいと思います。お題は「獣医師学部新設をめぐる特区認定」です。

 

 まず、私は前川前文部科学事務次官に殆ど質問していません。「折角呼んだのに何だ!」とお叱りがあるかもしれませんが、準備をしていると「何聞けばいいんだろ?」という点に突き当たりました。大半の事は既に同前事務次官がメディアを通じて表明しているので、あとはその確認になります。であれば、特区認定に関する部分にフォーカスした方が良かろうと判断しました。

 

● 何故、突如、安倍総理は獣医師学部の全国展開への表明をしたのか。その裏付けは。

 「広域的に獣医師養成学部が存在しない地域において、一校に限り」といった趣旨の下で認められたはずのものが、何故、突如全国展開という事になったのかという疑問は拭えません。なので、どういうデータに基づいてそういう判断になったのかを山本担当相に聞きました。

 

【質疑抜粋】

○緒方委員 安倍総理大臣は、地域に関係なく二校でも三校でも、意欲のあるところにはどんどん獣医学部の新設を認めていくという発言をしておられます。ということは、二校、三校できたとしても、特に問題ないと。現在の獣医学部、全国の獣医学部の体制等を考えたときに、それが問題ないという判断がどこかにあるはずであります。しかも、その二校目、三校目も石破四条件にしっかりと沿ったものであるということはどこかで答弁があったと思いますが、そうすると、二校、三校つくっても大丈夫なぐらい、新しい分野、ライフサイエンスとか創薬分野とか、そういう新しい需要があるということをどこかで認定しているはずであります。その具体的なデータは何ですか、大臣。


○山本(幸)国務大臣 二校目、三校目という場合は、やるとすれば国家戦略特区でやるということになります。その場合に、四条件というのは当然ありまして、そこをクリアしなきゃいけないということはあるわけであります。
その場合、まさに新たな需要があるかということが一番重要になるわけでありますが、それは先端ライフサイエンス分野、あるいは創薬とかなんですね。あるいは、人獣共通感染症に対して対応ができるか。そういう分野の需要ということになります。これはもうはっきりあるということであります。ただ、では、何人要るかということについては、これは誰もはっきりと言えません。
その際に、一つ言えることは、現在の十六の大学で、定員は九百三十です。ところが、実際は千二百ぐらいとっているんですね。つまり、定員超過をしているわけであります。ところが、文科省は最近の方針で、定員超過はなるべくしないようにしろということで、これを削ろうとしているわけであります。そういうことを考えれば、それだけでも二百以上は足りないという数字が出てくるわけであります。
そういうことも考えますと、一校目、そして二校目ということは当然あり得るという計算は成り立ち得るというふうに思います。

 

● 今回、特区で新設を認めるに際して、閣議決定した「石破四条件」は満たされたのか。

 今回の特区については、いわゆる「石破四条件」というものが閣議決定されています。それが満たされた上で本件を進めているのか、というポイントがとても重要です。本件の「肝」と言っていいと思います。メディアによって、本件を重点的に取り上げてくれるところもあれば、単に「答弁が長い」という視点からのみ取り上げてくれたところもありますが、内容的には最も重要な部分だと思います。

 

 山本大臣が長々と答弁したのは、準備されたものをすべて読んだからです。という事は、これが内閣府の精一杯の答弁だという事です。読んでいただければお分かりいただけますが「穴」だらけです。

 

【質疑要約・抜粋(①~④については理解促進のため便宜的に付したもの)】

○緒方委員 全国展開する前の、一校に限り認めるというときに、石破四条件というものがありました。これは「日本再興戦略」改訂二〇一五というもので、「獣医師養成系大学・学部の新設に関する検討」ということで、一つ目が、現在の提案主体による既存獣医師養成でない構想が具体化し、二つ目が、ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき具体的な需要が明らかになり、かつ、三番目、既存の大学・学部で対応困難な場合には、そして四つ目が、近年の獣医師需要の動向も考慮しつつ、全国的見地から本年度内に検討を行うということであります。
この石破条件は現時点において満たされているというふうに思いますか、大臣。

 

○山本(幸)国務大臣 当然、そういうふうに思っているから、十一月九日の制度改正で獣医学部新設を認めるということにしたわけであります。(略)

閣議決定している特区の基本方針は、規制を所管する省庁が改革困難と判断した場合には、規制を所管する省庁がその正当な理由の説明を適正に行うことを求めております。その説明がなされない場合は、提案に基づく規制改革を進めていくべきと考えております。
この基本的考え方を今回に当てはめれば、獣医学部新設に関する五十年以上の規制改革事項について、文科、農水両省から明確な規制の根拠は示されなかったところであります。そのため、「日本再興戦略」改訂二〇一五で、まずは検討すべき事項として四項目を示し、平成二十七年度内と期限を切ったものでありますが、関係省庁である文科省が四項目に反すると立証していない以上、それだけで四項目との関係を含め問題ないと考えております。(略)
そこで、四項目について具体的に検討してきたものは次のとおりであります。

① 既存の獣医師養成でない構想の具体化等の点については、昨年の十月下旬の段階で、今治市や京都府からの提案書に、獣医師が対応すべき新たな分野や新たなニーズが明記されるなど、既存の獣医師養成大学とは異なる、獣医師が新たに対応すべき分野に重点を置いた教育内容が示され、また、さらに検討を加えることにより、こうした構想がより一層具体化していくものと見込まれると判断をいたしました。

② ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになっているといった点については、今治市の提案書、京都府等の提案書は、濃淡の差はあるものの、ともに先端ライフサイエンスや地域の水際対策の強化といった分野に獣医師が新たに対応すべき需要があると説明しております。
このように、獣医師の職域が多様化する一方で、獣医師の新たな供給は毎年、一定であることから、新たな分野における獣医師の養成需要はあると考えられております。

もとより、需要を定量的に把握することは困難であるが、製薬会社等の会社に勤務する医師の数や会社に就職する新卒者の数がこの十年間で約五、六割増加していることは、新たな需要が具体的に発生していることをうかがわせる一つの材料ではないかと判断いたしました。

③ 既存の大学、学部では困難との点については、既存の大学、学部でも水際対策や新薬開発など新たな人材養成ニーズに一定程度対応することは可能であるが、他方、新たなニーズに特化して、重点的に人材養成するには、カリキュラムの抜本的な見直しや専任教員の大幅な入れかえが必要になりますが、これを既存の組織で行うには限界があると判断いたしました。
また、入学定員を減らすことには、施設設備をつくり直す膨大な投資も必要となり、現実味がないとの声もあります。

④ 近年の獣医師の需要の動向も考慮との点については、農林水産大臣が繰り返し御発言されているとおり、産業動物獣医師の確保には困難な地域が現実にある、こうした需要動向を考慮し、広域的に獣医学部がなく、必要性の高い地域に限って、獣医学部の新設を認めることにより、獣医師会等の慎重な議論に応えるものと私が判断いたしました。

また、供給面においても、現在進められている定員厳格化が本格化すれば、獣医師の不足、これだけ現在確保が困難となっている地域や職種の問題がさらに悪化する懸念もあります。

なお、不足が見られる地域の獣医師を養成することは、獣医学部を認める直接の目的ではありませんが、水際対策を行う獣医師の養成を拡大することにより、結果として、隣接地域である産業動物獣医師の不足問題の緩和につながるとの農林水産大臣の御意見があったところであります。

 

● 「具体的需要」とは何か。

 時間も無かったので、「石破四条件」の中の「具体的な構想」、「具体的な需要」について少し具体的に聞いています。結構、驚きの答弁が返ってきています。

 

○緒方委員 (略)どれだけの具体的な需要があるのか、そして、前の、「現在の提案主体による既存獣医師養成でない構想が具体化し、」というのは何が具体化しているのか、わからないですね。
農林水産省の参画は得られなかったというのは、先ほど前川前事務次官からもあったとおりであります。そして、ワーキンググループでも、去年の九月十六日に行われたワーキンググループでも、当時の座長が、「獣医師が新たに必要な分野における研究者の需要を計測すべきだと思います。」という話をしております。
こういったデータに基づいて、その後の、十一月のいろいろな意思決定がなされていったのかというと、私はそうではないと思います。石破四条件は満たされていないんじゃないですか。
九月十六日以降、議論を平場で行ったことはほとんどないと思います。そして、このワーキンググループで、研究者の需要を計測すべきだというその座長の思いはかなえられていないと思います。
なぜ、その需要が明らかでないにもかかわらず、強引に押し切っているんですか、大臣。


○山本(幸)国務大臣 そのワーキンググループの議論の中で、具体的な、新しいところの数がどうだということを文科省の方から言われて、それに対して民間議員から、それは挙証責任の転換だ、もしそういうことを言うなら、文科省においてきちっとそのことを示すべきだというように反論されています。
つまり、需給の、その量とか数についてはっきり示すことなんて無理です。(発言する者あり)

四条件のどこに数とか量とか書いていますか。書いていませんよ。(緒方委員「具体的な需要と書いてあるじゃないですか」と呼ぶ)具体的な需要という、数とか量とかありませんよ。そういう需要という傾向が、定性的な傾向があれば十分だというように思います。

それについて、これを幾らだというような説明については、もしそれをやるとすれば、需給について、本当の需要曲線、供給曲線を文科省は書けなきゃだめですよ。書けますか。書けませんよ。それは、結局、市場メカニズムで決まっていくしかないんです。

したがって、ただし、そこに需要があるかどうかという定性的な傾向、これは、今おっしゃったように、既存の獣医師養成でない構想については、創薬などのライフサイエンス分野の研究者や公務員獣医師を養成する新しい獣医学教育拠点を目指すということが、今治からも京都からも、その中に入っているわけであります。しかも、創薬プロセスで、基礎研究から人を対象とした臨床研究の間の研究で、獣医学の治験、実験動物を用いた臨床研究などを重視する動きに対応した教育研究を推進するということが言われているわけであります。

また、国際獣疫事務局が提案する家畜の越境感染症のゾーニング対策における四国の学術支援拠点として地域の迅速な危機管理対応を支援するといった点で新たなニーズに応えるものである。

このことから、既存の獣医師養成でない構想を具体化していると言えるというふうに考えております。

 

 結局、全国展開の根拠となるデータは特に無いのです。一校に限る際の石破四条件にしても、「文部科学省への責任転換」と「強引なこじつけ」ばかりです。よくリサーチをしているわけではなく、思い込みと決め付けが極めて多い事も特徴です。最後の「具体的に検証できない『具体的な需要』」に至っては論外です。また、挙証責任については、前川前次官が言っていたように「内閣府と文部科学省がどっちが勝った、といった話ではない。国民に対する挙証責任がどうなのかが問われている。」という事だと私も思います。そこが果たされているとはとても思えない答弁でした。

 

 本当はこの後に続く質疑があったのですが、時間が限られていたのでここで終わりました。準備した質問の3割くらいしかこなせませんでした(いつもそうですが)。これらの答弁を踏まえて、来週の予算委集中審議で更に議論が深められる事でしょう。

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