治大国若烹小鮮 おがた林太郎ブログ

衆議院議員おがた林太郎(福岡9区)が、日々の思いを徒然なるままに書き綴ります。題は「大国を治むるは小鮮を烹るがごとし」と読みます。


テーマ:

【要旨】

 外務委員会でトランプ政権の通商政策を取り上げる。「公正な貿易」を追求するツールとしてのスーパー301条、アンチダンピングについて質問。特にアンチダンピングについては、地元の電磁鋼板へのAD課税を例として。

 

【本文】

 昨日、外務委員会で質疑に立ちました。その中でトランプ政権の通商政策アンチダンピング(特に電磁鋼板)について取り上げました。映像はそれぞれのリンクを見ていただければと思います。

 

 まず、トランプ政権の通商政策について、WTOドーハラウンド交渉を推進すべきではないか、日本は「あらゆる形態の保護主義」と対抗しているのかといった質問をしました。答弁の際、よく出てくる表現として「自由で『公正な』貿易」というものがありました。この「公正な」という言葉が曲者なのです。たしかに「公正」であることはとても大事ですが、ともすれば、自分に不利益な事態が生じたら「不公正だ」と言いがかりを付けてくるキーワードに転換されてしまうのです。

 

 その一つのツールが、スーパー301条です。スーパー301条的アプローチは、不公正な貿易があると思われる国を名指しして調査を始め、その結果不公正な貿易があると判断されたら制裁を打つというような内容のもので、1980-90年代日本が苦しんできました。こういうものは絶対に受け入れるべきではないですし、そもそも論として違法な制裁をちらつかせながら調査を掛ける事自体が問題だと思うのです。

 

 外務省は「違法な制裁が打たれたら、WTO提訴も含めて考えたい」という答弁でしたが、それだと不十分なのです。何故なら、違法な制裁は基本的に打たれないのです。その前の脅しの段階で、調査の対象になった国はビビッてしまってアメリカに配慮するからです。今の姿勢だと、結局、日本としてスーパー301条による脅しを容認することになりかねません。かつて、クリントン大統領時代、大統領令でスーパー301条的なアプローチが採用されたこともあり(つまり法律が無くてもやれるという事)、すぐにでもこういう話が出てきかねませんので、この点はもっとよく議論をしていく必要があります。

 

 次に、「公正な貿易」を確保するツールとしてのアンチダンピング(AD)について取り上げました。特に私の地元である新日鐵住金八幡製鐵所の主力の一つである電磁鋼板へのAD税を取り上げました。私の質疑は鉄鋼新聞に取り上げていただきました。

 

 アメリカが課しているAD税は、そもそも論として、廉価販売による損害の算定、そのプロセス等について問題が多いのです。簡単に損害が認定されたり、手続きに付いてこれなかったら不利なデータで算定されてしまったりと、もうやりたい放題です。その一つの例が無方向性電磁鋼板へのAD課税です。無方向性電磁鋼板というのは、モーターとかに使われる鉄鋼です。

 

 米国において無方向性電磁鋼板がAD課税されたのは、2014年です。ただ、2010年(日本からの輸出は2万トン強)くらいからAD課税直前の2013年(14,464トン)まで減ってきており、日本の輸出が廉価販売でアメリカの鉄鋼産業に不当な損害を与えているという事実はないと思います。しかし、日本、中国、韓国、台湾、ドイツ、スウェーデン全体でAD調査が行われ、日本の輸出減は考慮されることなく、最終的には日本の無方向性電磁鋼板には135.59-204.79%の課税がされてしまいました。いわばとばっちりみたいなものです。

 

 その一方で、韓国の無方向性電磁鋼板に課せられたAD税は6.88%。日本産へのAD税と比較すると、最高200%弱の差があります。では、日本は韓国と比べて200%分も廉価販売をしているのか、ということになるわけですが、いくら韓国の方が安く生産していたとしてもそんな差にはなりません。実はロビーイングの差だという見解があります。日本はこのロビーイングに人、モノを投じ切れていないように思うので、その点はきちんと促しました。


 そもそも、アメリカのAD課税には長期のものが多い事を私は問題視してきました。1978年以来課されているPC鋼より線、1987年以来課されたままの溶接管継手等が代表的です。本当は、一定期間たったら見直すこととなっている「サンセット・レビュー」という仕組みがありますが、アメリカは「見直した結果、継続することにしました」としれっと言うだけです。米鉄鋼メーカー、電磁鋼板について言えばAKスチールからのアプローチを受けた連邦議会議員が暗躍しているのでしょう。しかも、TPPにおけるアンチダンピング関連部分は殆ど何の成果も得られていません。今後の日米交渉では、きちんとこのAD部分はきちんと主張してきてほしいと伝えました。

 

 あと、電磁鋼板へのAD税と言えば、対中国でも存在しています。日本が中国に輸出する方向性電磁鋼板には平成27年7月23日付で39.0-45.7%のAD課税がなされています。ちなみに韓国37.3%、EU46.3%です。

 

 方向性電磁鋼板とは変圧器等に使われます。実は方向性電磁鋼板については、新日鉄住金八幡製鐵所からこの技術が韓国ポスコに漏洩し、その技術が宝山鋼鉄(宝鋼集団傘下)に漏洩しています。当初ポスコは「独自技術だ」と言っていましたが、ポスコ→宝鋼集団への漏洩に関する韓国国内の裁判で、元々は新日鐵住金八幡製鐵所からポスコに漏洩したことも明らかになりました

 

 という事は、宝鋼集団が方向性電磁鋼板の生産で使っている技術の少なくとも一部は日本からの漏洩のはずです。そういう技術を使いながら方向性電磁鋼板を作っている中国が、本家本元である日本からの輸出を廉価販売と主張してAD課税をするのは奇妙ですよね。地元で頑張っている皆様の中に納得する人は一人もいないと思います。

 

 AD課税の関係は、経済産業省の参考人の答弁が「当事者意識あるのかな?」と思うようなものであった一方で、中川経済産業大臣政務官はかなり真剣に問題意識を受け止めていました。質問後少し話したら、「面白い内容だった。この件はしっかりやるから。」と言っていました。期待したいと思います。

 

 総じてテクニカルな内容ですけども、一つ一つが日本、特に我が地元での雇用に影響するような内容です。しっかりとした目線を持って、こういうテーマを追い続けていきます。

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