治大国若烹小鮮 おがた林太郎ブログ

衆議院議員おがた林太郎(福岡9区)が、日々の思いを徒然なるままに書き綴ります。題は「大国を治むるは小鮮を烹るがごとし」と読みます。


テーマ:

【要旨】

日米経済関係の観点から、保護主義、いわゆるスーパー301条、国境税(と日本の制度の関係)について質問主意書を提出。それなりに示唆的な答弁が得られた。

 

【本文】

 今国会、日米経済関係が今度どうなっていくのかについて、色々な疑問が提起されています。そういう中、まだどういう協議がなされるかも分かりませんので、少し変わったアプローチで政府に質問主意書を出しました。決してこの主意書答弁で全体像が見えるわけではありませんが、示唆的な所があるのでご紹介いたします。

 

 まずは、保護主義に関する質問主意書です。これまで、G20の財務大臣・中央銀行総裁会合後の声明では必ず「我々は、あらゆる形態の保護主義に対抗する。」という表現が入っていましたが、直近の会合後の声明ではこれが落ちました。麻生大臣は「『毎回同じこと言うな』って言って、次のとき言わなかったら『なんで言わないんだ』という程度のもの」と言っているようなので、政府の認識を2点問いました。

 

 答弁書では、日本の苦悩が見え隠れしました。私の「現在、日本はあらゆる形態の保護主義と対抗しているか。」という問に対して、答弁は「我が国としては、現在も自由貿易の推進に取り組んでいる。 」というものでした。別にいいじゃないかと思われる事でしょう。しかし、アメリカは、トランプ政権になっても「自由貿易」を標榜しているのです。しかし、その「自由」の中に「公正な」という言葉を強く含めます。「公正でない貿易は、そもそも自由貿易の基盤になり得ない。」、これ自体は正しい部分がありますが、それはともすれば偽装された保護主義になりかねません。だから、「あらゆる保護主義と対抗する」という言葉が必要なのです。

 

 麻生大臣の言うように「毎回同じこと言うな」となっていない事はご理解いただけると思います。日本とて、アメリカの意向を忖度するがあまり、これまでのポジションと同じ事(「あらゆる形態の保護主義と対抗」)と言わなくなっているのです。正直、ここは「アメリカに気を使いすぎ」だと思いました。

 

 その「公正」な貿易を推進するためのツールとして、最近、時折、聞こえてくるのが「スーパー301条の復活」です(他にもアンチダンピング課税の濫用等ありますが、これは稿を改めます。)。スーパー301条というのは、大まかに言うと、貿易相手国の不公正な取引慣行に対して当該国と協議することを義務づけ、問題が解決しない場合の制裁について定めた条項を指します。アメリカが、ある国との貿易が不公正だと目を付けたらその国と協議を求め、アメリカの希望するような解決策が出なかったら制裁措置を打つという、国際貿易ルールを順守する意識のかけらもないようなものです。

 

 WTOルール上は、必ずしも違法とまでは言えないという判断になっていますが、それはこれまで一度も制裁措置に至っていないからです。違法な制裁措置をネタに圧力を掛け解決を求める行為自体が私は間違っていると思いますが、その制裁が無い以上、判断しようがないという事もあるのでしょう。

 

 ただ、かつて日本はこのスーパー301条に対して非常に厳しい姿勢を貫いてきました。日米貿易摩擦の中で、極めて毅然と戦った日本の通産省、外務省等は立派だと思います。その時の古文書をひっくり返しながら、現政権の姿勢を問ういわゆる「スーパー301条」に関する質問主意書を提出しました。

 

(何故、こうやって古文書を引用したアプローチなのかというと、そうしないと単に「スーパー301条に日本は反対するのか?」と聞いても、「現在、そのようなものは存在しない」と言われるだけだからです。隔靴掻痒なのですが、昨今の答弁書の傾向からはこのやり方以外では答弁が返ってこないのです。)

 

 答弁書は、質問の性質上、過去の立場を再確認するものが多いのですが、ただ、スーパー301条的なアプローチに厳しい姿勢を取りたいとする政府の姿勢は見えて来ました。そうあってほしいと思います。ここは経済産業省や外務省の先人がこれまで築き上げてきた、通商ルール順守の正統派の気骨を見せてほしいと思う所です。

 

【なお、以下は極めてテクニカルです。途中まで読んで分からなくなった方は飛ばしてください。】

 最後に、トランプ政権が「国境税」を提唱している事との関係で気になった事がありました(なお、現在、共和党幹部が「国境税」ではなく、法人税をベースにした「国境調整措置」を検討している事は重々承知しています。)。というのも、「関税」ではなく、「国境税」と呼んでいる事です。ある産品がアメリカ国内に入ってくる時に徴収する関税ではなく、国境を越えた後に内国税として徴収するような意味合いがあるのではないか、それは関税ではなく内国税の問題なのでGATT違反ではない、と言うのではないか、という気がしたのです。

 

 実は、内国税であっても、輸入品だけに課税するのは内国民待遇(National Treatment)に反するのですが、それとの関係で、日本でも輸入品だけから徴収される「マークアップ」は国際ルール上大丈夫なのかなという問題意識が出て来ました。コメ、小麦、大麦、乳製品等を国家貿易で輸入する際に徴収するマークアップは、輸入品だけから取ります。普通に考えれば内国民待遇に反するのではないかという批判があってもおかしくはありません。つまり、トランプ大統領が提唱する国境税がそのまま導入されたとして、それを日本が批判したら、「おまえだって似たような事をやっているではないか。」とミラーアタックが返ってきてはたまらないという思いです。

 

 なので、GATTの諸規定に関する質問主意書を提出しました。上記の問題意識を過不足なく、問として立てています。答弁書はちょっと驚きでして、マークアップは関税、課徴金、内国税、内国課徴金といったいずれでもなく、全く別カテゴリーの「輸入差益」という位置付けでした。まあ、理屈としては分からなくもないですが、それにしても、「関税、課徴金、内国税、内国課徴金のいずれでもない何か」の存在というのは、本当に真正面から議論して、国際的に通用するのかなとちょっと疑問になる所はあります。

【テクニカルな部分はここで終了。】

 

 「枝葉末節だ。」という批判は甘受します。ただ、こういう所の積み上げなのです。その他にも上記に書いたアンチダンピング制度の正当性はどう見たらいいのか、米共和党が言っている国境調整措置は輸出補助金なのか、それとも法人税の仕向け地原則適用に過ぎないのか、といった色々なテーマがある事は知っています。そういった通なテーマを、通な気持ちで政府とやり取りしていきながら、変な方向に日本の通商政策が流れていかないように野党の立場から厳しくチェックしていきたいと思います。

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