実は私は外務官僚だったくせして、ちょっと英語に抵抗感があります。外務省にいたくせして、英語圏に長く住んだことがないので、コミュニケーションが出来ないわけではないのですがちょっと抵抗感があります。抵抗感が全くないのがフランス語、これは住んでいたからです。フランス語であれば、いつ何時話しかけられても大丈夫です。英語は10秒程度の事前心構えがないとたどたどしくなります。そして、私の英語の発音は少し変です。


 そういう私が言うのも何ですが、やり方はともかくとして英語教育に力をもっと入れることには大賛成です。大学受験にTOEFL、TOEICを導入するのがいいのかどうかは賛否が分かれますけども、少なくとも何らかのそういった誘因を働かせて勉強してもらうようにするのがいいと思います。


 若い方に話す際にいつも言うのが、「僕は職業柄、否が応でも英語を使うことが多かった。だけども、あなた方の世代は我々の世代よりも英語が当然に話せることを求められる出番が増える。仕事でもほぼ強制的に海外勤務をさせられることもあるだろう。コミュニケーションのツールと割り切って勉強しておいた方がいい。」ということです。これは「好き嫌い」というよりも、「必然」として捉えた方がいいと思うのです。


 もっと言えば、英語でなくてもいいです。国連公用語の一つが出来るようになればそれでいいと私は思います。英語、フランス語、スペイン語、アラビア語、ロシア語、中国語、どれでもいいです。ただ、いきなり英語以外のものを学ぶことは難しいでしょうから、やっぱり導入としては英語が出来るようになるのがベストでしょう。


 実は一番英語化が必要なのは政界です。最近はかなり増えてきましたけど、英語の最低限の知識のない人が多すぎます。よく国会議員は海外視察をしますけど、いつまで大使館からの通訳を付けて物見遊山的な海外視察をやっているのだろうかと不思議になることは多かったです。大臣、副大臣、政務官クラスが国際会議に出ても、会議場の中で一人だけ英語が出来ない状態でポツンと置かれていることは稀ではありません。今、国会側から「英語教育」について色々なメッセージが流れてきますけど、あの国会の場がもっと国際化すべきなんだろうと常々思っていました(これを私が言うと「エラそうに」と言われるので、現職の間は言いませんでしたが。)。


 外国語はやればやっただけ伸びます。そして早めに始めれば始めただけ、馴染みが早いです。だからといって、幼時からやることには違和感がありますけども、それは手法をよく検討しけばクリアーできる問題です。


 ともかく、英語については「好き嫌い」ではなくて、「不可避の必然」としてもっともっと重視していいでしょう。多くの若い方が、ツールの段階で壁に当たることなく、どんどん外に出ていってほしい。外国で活躍するもよし、日本で外国語を駆使しながら活躍するもよし、何でもいいのです。日本はともすれば、「海外から有能な人が入ってきてほしい」という一方的な願望を持ちがちですが、こちらから外にベクトルが働いていないのに、外から日本にベクトルが向くことはありません。


 雑なエントリーでした。