治大国若烹小鮮 おがた林太郎ブログ

衆議院議員おがた林太郎(福岡9区)が、日々の思いを徒然なるままに書き綴ります。題は「大国を治むるは小鮮を烹るがごとし」と読みます。


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 国連の大陸棚限界委員会が、日本の大陸棚の延伸について勧告を出しました。かなりの部分が取れています。ちょっと思ったことを書いておきます。最近、あちこちから「マニアック度を下げて、もうちょっと分かりやすく書け」とお叱りを受けていますけど、今日のもかなりマニアック系ではあります。なお、地図はこのサイト を参照していただいていいと思います。


 誰も論評しないのですけど、実はアメリカと利害がぶつかる地域で取れているところがあります。南硫黄島と母島から起算して200マイル以上に延伸した部分は、北マリアナ諸島のパハロス島からでも主張できる場所です(地図上では右下の小さな部分と同じく右下の四角の部分です。)。日本の本来の主張よりはかなり削られましたけど(特に南硫黄島基点の部分)、この部分を獲得できたことは隠れた得点です。一方で、南鳥島から小笠原に伸びる部分の大陸棚は認められませんでした(日本の元々の申請は小笠原から南鳥島までずっと繋がって日本の大陸棚だというものでしたが南鳥島側の東半分は認められなかったということ。)。まあ、技術的に連続性が認められなかったということでしょう。これは仕方ありません。


 あと、外務省の談話や報道では四国海盆(日本のEEZに囲まれた真ん中の部分)が取れたのは沖ノ鳥島と基点とする事が認められたからだ、と言っているのですが、それは違うんじゃないかなと不安になっています。あの部分は沖大東島や小笠原諸島からの延伸として「も」主張できる部分です。政治的メッセージとして、沖ノ鳥島を基点とすることが認められたと言うのはいいのですが、限界委員会は技術的にはそう判断していないのではないかと不安になります。まあ、四国海盆自体は日本のEEZに囲まれた公海部分ということで「取れて当然」的なところがあります。ただ、それがどういう根拠で取れているのかということはよく精査しなくてはいけません。


 何度もこのブログに書きましたが、この限界委員会は大陸棚の延伸の判断にのみ権限を持っており、それ以外の、例えば「沖ノ鳥島が島か岩か」に関する国連海洋法条約第121条の解釈などするはずもありません。同条約上は、岩である場合は大陸棚自体が主張できません(私は島だと思っていることはきちんと付言します。)。実際に、限界委員会には中韓からは「あれはただの岩である」との口上書が既に出ています。また、限界委員会では「委員会として別途の判断をするまでは、沖ノ鳥島の部分については判断しない」という趣旨の決定が存在しています。そういう決定が出ているのに、四国海盆への延伸が認められた事実をもって「沖ノ鳥島を基点とする、つまり沖ノ鳥島が国連海洋法条約上の島であることが認められた」とするのは理屈に合わないような気がするのです。


 あとマイナーネタですが、私がちょっと気になっているのがパラオです。今回判断が先送りされた沖ノ鳥島南部の延伸部分ですが、相手はパラオです。沖ノ鳥島南部の延伸部分について判断が先送りされたのは、パラオとの関係が整理されていないこともあるような気がします。沖ノ鳥島とパラオの間の大陸棚が双方から延伸可能だと仮定する場合、日本が国力(と技術力)を使ってこの部分を取ってしまうような慣行が根付いてしまうと、国の力の差で決まることはおかしいといった問題点もあるでしょう。パラオと事前調整が付いたとしても、そもそも技術的に判断する限界委員会で外交的に調整が付いたから、当該部分は全部日本のものになることを是とするというのもちょっと変です。ここは上手く収めるにはパラオと等距離で二分するくらいの気構えがいいのではないかと思っています(日本の主権的権利の及ぶ範囲を狭める主張をすることはけしからん、というお叱りは甘受します。)。


 今日は時間がないので細かく書けませんけども、一番の懸念は「沖ノ鳥島を基点とすることが正式に認められた」という外務省の発表とそれを受けたメディアです。多分、技術的にはそう判断していないような気がします。


 沖ノ鳥島と本件との関係について、私の受け止めを言えば「今回の勧告で(沖ノ鳥島の性質に関する)真の戦いが始まった」くらいのところです。これまでも、中国は沖ノ鳥島の200カイリ水域で調査をする際は、国連海洋法条約上必要な通報をしてきませんでした。そういう意味で、これまでも戦いは存在していたわけですけども、それが「大陸棚延伸」というかなり表舞台での議論に乗ったということで平場での真の戦いになるということです。喜びムード一色の日本のメディアには違和感を覚えますね。


 いずれにせよ、内閣官房の総合海洋政策本部はよく頑張りました。連休が終わったら、東京でよく話を聞いてみようと思います。その際、私なりに労いたいと思います。しかし、総理とか海洋政策担当相からのコメントが少ないんですよね。日本の主権的権利が及ぶ地域が増えたということですから、もう少し政務が大きくアピールしてもいいと思うのですが。

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