治大国若烹小鮮 おがた林太郎ブログ

衆議院議員おがた林太郎(福岡9区)が、日々の思いを徒然なるままに書き綴ります。題は「大国を治むるは小鮮を烹るがごとし」と読みます。


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 公益社団法人「日展」について、先日、このエントリーのような質疑をやりました。

 

 私の質疑は、昨年の日展で、① 特選を目指す人物が、有力会派内で、審査員内定者に渡すための金銭の取り纏めを行い、実際渡した、② 審査員内定者が(日展規則で禁じられている)事前下見会をやった、という2点に関するものでした。いずれも放置していたら、芸術界に飛び交う金銭を防止できなくなるものであり、看過し難いです。

 

 質問のフォローアップとして、内閣府と文化庁が説明に来られました。色々なやり取りをしましたが、結論から言うと「一切問題ない」という判断だそうです。理由は「そもそも、昨年の日展について審査員が決まったのは7月28日の理事会であり、それ以前に何が行われようとも、一切の問題を惹起しない。」ということでした。

 

 私から以下のようなことを追加的に聞きました。本件は各担当からきっちりと言質を取りました。

 

(1) 昨年の日展については、「膿が出切った」と考えたから、文化庁後援、文部科学大臣賞、内閣総理大臣賞を出したという事でいいか。(対文化庁)
 → その通りである。

 

(2) 昨年、7月28日の日展理事会にて審査員が決まったが、仮にそれ以前に「自分は今年の日展で審査員をやる」と公言している人間がいたとしても、その確証は理事会決定がない以上何の根拠もないという理解か。(対内閣府)
→ 何の根拠もない。

 

(3) ということは、昨年であれば7月28日以前、例えば直前の7月27日に金銭の授受のある事前下見会を、審査員内定者(と公言する者)が行ったとしても、何ら問題がないという事か。(対内閣府)
 → 日展規則に反しないものであり、何ら問題はない。

 

 聞いていてビックリしました。これですと、例えば、ある権限を持っている部局に異動が決まっている公務員が、内示後に関係業者と金銭の授受関係にあったとしても、正式発令以前であるから、少なくとも賄賂罪が成立しないと言っていることに似ています。

 

 どんな組織でも、発令に際しては「内示」のようなものや「確証を抱く背景事情」があると思うのですが、それを全否定して、正式な発令以前であれば、金銭要求等、何をやっても構わないと判断するのは、とても奇妙なことです。これは日展改革に思いの深い方々からお話を聞きたいと思います。是非、私の所までメールを送っていただけると助かります(rintaro-posterアットhotmail.co.jp。アットは@に変換してください。)。勿論、個人情報の守秘は万全にやります。

 

 日展の「闇」は深いなと改めて思います。その「闇」の中で、種々の金銭要求に苦しむ芸術家を何とかして解き放ちたいというのが私の思いです。

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同じテーマ 「国会質疑(2015年以降)」 の記事

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 2020オリパラ招致をめぐる様々な疑惑については、我々も党内でよく調べていますが、ちょっと意外なテーマについて今日は書きます。

 

 まず、仮にオリパラ招致で不正な金銭の授受があったとして、根本的な問題は「それは日本で犯罪か。」ということです。結論から言うと、「多分、犯罪ではない。」ということになります。まず、日本においては民間団体間の金銭の授受には賄賂罪は適用されません(一部例外があります。)。

 

 ただ、外国公務員等への賄賂は、OECDで議論が進み、日本でも不正競争防止法で罰則が手当てされています。外国公務員等に賄賂を贈ると、日本国内で罰せられます。さて、ここで重要なのは、IOCや国際陸連に勤務する者は外国公務員「等」の「等」に入るのかということですが、まず、法制定過程でIOCは明示的に外れているそうです。国際陸連についてはどうかということですが、政府ははっきりとは言いませんでしたが、かなり可能性が低いでしょう。

 

 しかし、フランスは違います。まず、一定の条件下で民間団体間でも賄賂罪が成立します。しかも、ここからがスゴいのですが、2012年刑法改正でスポーツ関係に特定した賄賂罪が成立することになっています。具体的には、スポーツに特定した罰則はどちらかと言うと「八百長」に関するものでして、「スポーツにおける賭け(paris sportifs)」に対する賄賂行為が罰せられます。

 

 ただ、今回のオリンピック招致事例では、元々の民間団体間での賄賂罪の適用がある可能性が高いため、フランスでは捜査が進んでいるものと思われます。

 

 ここからが難しいのですが、安倍総理、馳文部科学大臣、遠藤オリパラ大臣がよく言う「フランスの司法に最大限の協力をする」という、その「最大限の協力」です。党内チームで、私から「ここでいう協力というのは、日本とフランスとの(公的ルートでの)捜査共助か?」と聞いたら、答えは「そうです。」でした。

 

 しかし、日EUの捜査共助の枠組みでは、自国で罰せられない犯罪については、捜査共助を断ることが出来るとなっています(普通、捜査共助というのはそういうものです。)。なので、今回の事例は、フランスでは犯罪だけど、日本では犯罪でないので、日本の司法はフランスから共助要請が来ても、あくまでも任意での捜査共助しか招致委員会関係者に要請できません。招致委員会関係者が断るとか、協力内容に限定を掛けてしまうことも可能です。招致委員会は(既に解散していますが)、組織体としてはNPO法人なので、政府に出来ることは「国としては最大限協力してほしいと思っているので、宜しくね。」、ここまでです。

 

 招致委員会関係者が、任意の共助要請にどの程度答えるのか、結構、ここはポイントではないかと思います。 

 

 なお、フランスが本件で頑張っているのは、2024年オリンピック開催地にパリが手を挙げている事と無関係ではないと思います。こういうカネが飛び交う事例を防止して、クリーンにカネの掛からないかたちで選考プロセスをやりたいと思っているのではないかと思われます。現時点での対抗馬はロスアンジェルス、ローマ、ブダペストです。

 

 いずれにせよ、今回の事例を踏まえれば、こういう「民間団体間での賄賂罪」、「スポーツ(八百長)に特定した賄賂罪」については、日本でも検討する必要があると思います。

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 沖縄での殺人、死体遺棄事案については、これは絶対に許せません。「綱紀粛正」、「再発防止」という言葉が空しく聞こえるくらいです。

 

 そういう中、24日、衆議院安全保障委員会が開かれました。私は同委員会のメンバーではありませんが、玉木筆頭理事からお話を頂き、30分質疑に立ちました(映像はココの緒方林太郎の部分)。

 

 このエントリーでは、質疑の後半(15:20くらいから)についてご説明したいと思います。「軍属」についてです。今回の容疑者は、米軍側から「軍属である」との連絡があり、日本もその前提で捜査、事情聴取としております。

 

 「軍属」には地位協定の保護が掛かります。今回は基地外で逮捕されたことから、「軍属」に対する裁判権の問題は生じておりませんが、仮に基地内に逃げ込んでいたら、やはり引渡し、拘留、裁判権の是非について問題が生じたでしょうから、将来的な事を考えれば、この「軍属」の定義がどうなっているかはとても重要です。

 

 NATO地位協定の対比をする必要があるため英語で引用しますが、日米地位協定における「軍属」の定義は以下のようになっています。

 

【日米地位協定】
b. "civilian component" means the civilian persons of United States nationality who are in the employ of, serving with, or accompanying the United States armed forces in Japan, but excludes persons who are ordinarily resident in Japan or who are mentioned in paragraph 1 of Article XIV. For the purposes of this Agreement only, dual nationals, Japanese and United States, who are brought to Japan by the United States shall be considered as United States nationals.

 

 米軍との間で「雇用(employ)」、「勤務(serving with)」、「随伴(accompanying)」の関係にある人間が「軍属」に当たります。この中には、米軍の直接の指揮下にない方が含まれています。特に「勤務」、「随伴」の部分はかなり広い概念です。なお、「勤務」の英文である「serving with」は、日本語の語感よりも広いという事もあります。

 

 質疑では、今回の容疑者はこの3類型のどれかという質問については、現時点では「分からない」ということでした。軍属であることが明らかなのに、どういう事情で軍属なのかについて答弁出来ないというのは疑問が残ります。つまりは米軍が軍属だと言っている、ということだけが拠り所という事です。

 

 いずれにせよ、この軍属の定義は広過ぎると思います。よく考えれば、今回の容疑者は米軍に直接雇用されておらず、直接の指揮下にないわけですから、「綱紀粛正」、「再発防止」と言っても、限界があるはずです。

 

 実際、NATO地位協定における軍属の定義は「雇用」のみが含まれます。今回の容疑者は米軍請負企業による雇用ですから、恐らくこのNATO地位協定では軍属に当たらないと思われます。

 

【NATOの地位協定】
b. "civilian component" means the civilian personnel accompanying a force of a Contracting Party who are in the employ of an armed service of that Contracting Party, and who are not stateless persons, nor nationals of any State which is not a Party to the North Atlantic Treaty, nor nationals of, nor ordinarily resident in, the State in which the force is located.

 

 日米地位協定では明確に定義が広いわけでして、NATO並みを追うのであれば協定の見直しが必要となるでしょう。ただ、政府は「運用で対応する」という答弁でした。仮に運用で対応したいという事であれば、米軍が自主的措置として「雇用」、「勤務」、「随伴」の一部、つまりは米軍の指揮下にない人を軍属の対象から外し、地位協定の保護を与えないとするという方向になるでしょう。

 

 そういう方向に向けた意気込みだけでも聞きたいと思いましたが、ここも答弁がありませんでした。米国防総省ですら「今回の容疑者は軍属に含まれるべきではなかった」、「軍属の範囲を見直したい」といった趣旨の話をしているわけですから、日本としての意思を示す観点から軍属の概念を狭める方向で問題提起したいくらいの答弁は欲しかったです。

 

 折角、安全保障委員会で質疑の時間があったのに、地位協定の解釈について答弁は殆どありませんでした。そこまで米軍の意向を忖度する必要があるのかな、事ここに至れば、少なくとも運用改善の方向性に向けた意気込み・方向性くらいは示すべきだったのではないかなと首を傾げてしまいました。

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【このエントリーはFBに書いたものを加筆修正したものです。】

 

 今国会において、与野党の有志議員が司法書士会と協力しながら作成した成年後見制度の活用を進める法律(議員立法)が通りました。私は、同法を審議する内閣委員会の野党筆頭理事(野党代表)を務めているため、法律の成立に現場で関わりました。

 

 現在、高齢化が進む中、大きな課題として「財産管理」があります。認知症等の方の財産が適正に管理されることで、安心した社会を構築していくことは日本にとって急務です。ただ、課題は山積でして、今回成立した法律を通じて、家庭裁判所の体制が追い付いていないといったテーマ等、色々なハードルを越えていければいいと思います。

 

 その中で、同法について司法書士会の方とお話をする中で、成年後見に伴う横領等の不正事案への話が出てきました。報道でもよく出てきますので、問題意識をお持ちの方は多いと思います。当然、司法書士会も問題意識は共有しており、司法書士会が立ち上げた公益社団法人「成年後見センター・リーガル・サポート」で「業務報告制度」を行っています。これは何かというと、同制度を通じて個々の成年後見事案をチェックするということです。必要かつ重要な制度だと思います。

 

 普通の時は個別の名前をマスキングしてチェックしている、不正事案が生じたら原本確認をする、ということでやっていたのですが、昨今、不正事案が多いことから、内閣府の公益認定等委員会から「平時でも、原本確認をランダム・チェックのかたちでやるべし。」というお達しがあったそうです。

 

 他方、同センターの方から「幾つかの既存の制度との関係で、リーガル・サポートの活動に困難が生じることがある。」とのご指摘がありました。具体的には①障害者権利条約におけるプライバシー権、②司法書士法第24条の守秘義務、③個人情報保護法との関係で、原本確認を含む業務報告制度は問題がないのかとのご指摘でした。法律の専門家の方ですから、やはりこういう法律との整合性がクローズ・アップされるようです。

 

 私自身、利用促進と不正事案防止は車の両輪だと思っており、何とかこのリーガル・サポートの活動の障害となりかねない関係法令の解釈を確定させたいと思い、18日、衆議院法務委員会で本件について質問しました。

 

 具体的な質疑は、以下の緒方林太郎の部分をクリックしていただければと思います。13-4分ですのでそれ程長くはありません。

 

【質疑要約】
○ 冒頭、内閣府に設けられる成年後見利用促進委員会には実務者を含めるべきとの質問をしました。その方向で検討したいとの答弁がありました。

 

○ その後、上記3点のハードルについて質問しました(答弁者は外務省、法務省、内閣府(成年後見関係部局、個人情報保護部局))。答弁においては、ちょっとヘッジが掛かっている部分はありますが、基本的にはこれら3点がリーガル・サポートの活動の業務報告制度に反するものとは認識していないし、実務上もそうなっていないと答弁がありました。

 

○ 最後に、成年後見制度の利用促進、リーガル・サポートの活動の重要性について法務大臣に聞いています。温かいエールが送られていると思います。

 

 実はこの質疑はたったの15分弱ですが、事前の打ち合わせではかなり時間を使いました。私としては「良い答弁」が欲しいので、通告の段階で答弁についてもよく役所と相談しました。夜遅くまで各部局と調整をする等、かなり大変だったのですが、結果としてみれば、全体として良い答弁が得られたのではなかったかと思います。

 

 今後、成年後見活用法により体制が整備され、成年後見が利用促進され、認知症等の方々が増大する中、安心できる社会が構築されることを心から願います。その過程で、リーガル・サポートの業務報告制度によって不正事案が防止され、成年後見制度の信頼性が益々高まってほしいです。

 

 メディアには取り上げられないネタですけども、今国会におけるメモリアルな質疑の一つでした。

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【以下はFBに書いたものを纏めて、若干の加筆、修正を加えたものです。】

 

 2020年東京オリパラ決定をめぐる、ラミヌ・ディアク元IOC委員(元国際陸連会長)への不正送金の疑いについては、昨日、JOCから聞き取りをしました。

 

 JOCは「280万シンガポールドルをブラック・タイディングス社に送金したが、それはコンサル料。問題ない。」と言っており、その旨の元招致委員会理事長(現JOC会長)、事務局長名でのステートメントを出していましたが、JOCから聞き取りをしたところでは、その根拠は「当時の事務局長がそう言っている。」ということだけでした。契約、収支報告、財務書類とかの関連書類で裏を取ったわけではありません。

 

 しかも、招致委員会(NPO)は既に解散しているので、関連書類が何処にあるのかについて、JOCは「知らない。いずれにせよ、JOCにはない。ただ、ステートメントの根拠であった当時の事務局長の記憶は鮮明だから信じている。」そうです。余談を持たずに聞いていても、「?」が頭に100個くらい出てきました。来週、引き続きやります。

 

 本件でフランス司法省が発表した文書を私なりに訳しました(一文が長く、直訳しているため読みにくいことはご容赦ください。)。

 

【2016年5月16日国家財政検察局コミュニケ(仮訳)】
 2016年5月11日、国際的な報道機関は、2020年オリンピック東京招致委員会に由来する、シンガポールに拠点を有するブラック・タイディングス社に対する130万ユーロの支払いに関する情報を報じた。

 

  2015年12月、ロシア陸上選手のドーピングのケースにおいて国際陸連内での隠蔽に関する買収、資金洗浄事件の枠組みで、国家財政検察局は、日本のある銀行(注:不明)に開設された口座からシンガポールのブラック・タイディングス社に対する、「Tokyo 2020 Olympic Game Bid」の名目(注:用語、書式に相当する単語)での、280万シンガポール・ドルに相当する、2013年7月及び12月に行われたであろう(注:確定的な表現ではない)2つの資金移動について情報を得た。

 

 ①IOC(国際オリンピック委員会)による2020年オリンピック開催地決定に近いタイミングで行われたこれらの資金の流れの存在、②ブラック・タイディングス社の資金によってパリで行われた大規模な購入(注:何が購入されたのかは不明)が並行的に確認されたこと、及び③国際的なスポーツ競技大会(注:複数形)の開催都市決定手続きに際して行われたと思われる資金面での要請(注:誰が誰に要請したのかは不明。なお、語感としては要求したというよりおねだりに近い。)に関し、国際アンチ・ドーピング機構及び報道機関によって伝えられた情報は、本刑事調査の開始を正当化するものであった。

 

(①~③の番号は、便宜的に加えたもの)

 

 2015年12月24日、国家財政検察局は、上記の取引の性質を確定させ、また、2020年オリンピックの開催都市決定プロセスにおいて汚職及び資金洗浄の事実が行われたのかを確認するため、被疑者不詳で、能動的汚職(注:贈賄)、受動的汚職(注:収賄)、重大な資金洗浄、組織的集団による隠匿、犯罪者集団への参画の嫌疑で、予審開始請求を行った。

 

 本情報は、パリの大審裁判所財政部門の3名の予審判事に伝えられており、引き続き手続きが進むこととなる。
【引用終わり】

 

 フランス司法省がここまで言っているのに、本当に「クリーン」とか、「正当な対価」とか、「一点の曇りもない」とか言っていて大丈夫なのかね、と思います。

 

 ところで、ディアク氏がセネガル人だと言う事で、元セネガル大使館書記官としては格別の関心を持っています。

 

 スポーツ選手としては、元々は走り幅跳びの選手でした。まだ、セネガルが独立する前、フランスの大会で優勝もしています。当時から7.7mくらいの記録を残しているので優秀な選手だったのでしょう。なお、政治家としては首都ダカールの市長、国民議会副議長を経験しています。首都の市長ですから、なかなかのポストです。

 

 そんな中、ディアク氏についてフランス語の記事を探していたら、ル・モンドでとんでもないものが出てきました(ココ)。

 

 フランス語使いとして解説すると、国際陸連の会長として、ロシアの陸上選手のドーピング疑惑隠ぺい、そして、選手の資格停止を遅延させることの対価として、ディアク氏は2012年のセネガル大統領選挙において、当時、(同氏が支援していた)野党候補の選挙費用の支弁をロシアに求めたようです。ロシア側のカウンターパートは、バラフニシェフ・ロシア陸連会長(国際陸連財務担当)だったと書いてあります。額は150万ユーロです。

 

 ディアク氏は、フランスの捜査当局者に対して「現職のワッド大統領に勝つため、若者の動員等のためのカネがかかった。当時、ロシアのドーピング問題があり、バラフニシェフと話して共通の理解を得た。そして、ロシアは大統領選挙にカネを出した。うちの側ではパパ・マッサタ・ディアク(息子)が窓口に立った。」と話しているそうです。

 

 ル・モンドは「誰の支援に使われたかは、ディアク氏は語っていない。」と念押しをしていますが、誰がどう見ても、当時野党候補だったマッキー・サル現大統領の支援に使われたことが示唆されます。

 

 サル大統領、バラフニシェフ氏、いずれも否定しているようですが、ロシア陸上選手のドーピングとセネガル大統領選挙、意外なリンケージです。

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 まずは、TPPの協定文について以下の第八章の各附属書の規定をよく読んでいただければと思います。基本的に文章の構造は同じですが、それぞれ医薬品、化粧品、医療機器に関する部分です。

 

附属書八-C

14. いずれの締約国も、医薬品について当該締約国による販売許可を受けるための条件として、当該医薬品について製造国の規制当局による販売許可を受けることを要求してはならない。

 

附属書八-D

18. いずれの締約国も、化粧品について当該締約国による販売許可を受けるための条件として、当該化粧品について製造国の規制当局による販売許可を受けることを要求してはならない。

 

附属書八-E

15. いずれの締約国も、医療機器について当該締約国の規制当局による販売許可を受けるための条件として、当該医療機器について製造国による販売許可を受けることを要求してはならない。

 

 簡単に言えば、アメリカで作った医薬品、化粧品、医療機器について、それがアメリカで販売許可を受けていなくても(つまり、アメリカでは全く流通していなくても)、日本で販売許可を求めることが出来ることになります。

 

 まあ、政府に聞けば、「日本では販売許可に際して、審査、承認プロセスはしっかりしているから、製造国での販売許可の有無は元々関係ない。」と言うでしょう。恐らく、現行法でも、日本で販売許可を出す際、製造国での販売許可は義務ではないでしょう。したがって、この附属書の規定による国内法改正はありません。これまでの実績については、よく調べてみたいと思います。

 

 ただ、「アメリカで製造した薬が、最初に販売され、使用されるのが日本になる(こともあり得る)。」と聞くと、大半の日本人は「えっ、アメリカですら使われていないのに、何故、まず日本で販売するの?」と違和感を持つのではないでしょうか。ある知人は「実験台にされることだってあるということか?」と言っていました。

 

 私はそこまでは言いませんが、感情論として「まず、おたくの国で実績積んでからにして。」と言いたくはなります。

 

 ここは少し意見の分かれるところかもしれませんね。「世界の何処でも使われていない最新の化粧品」という所に希少価値を見出す方も居られるかもしれませんし、ましてや「効果が高い最新の(アメリカで製造された)医薬品は、別にアメリカで使われていなくても、まず使いたい。だから早く日本で承認すべし。」という要望をお持ちの方の思いを否定する意図はありません。

 

 ただ、それは現行の国内法でも可能であるとするなら、新規に条約にこういう規定が入ることの気持ち悪さだけが残るのです。

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 TPP交渉では、二国間でのサイドレターというものが結構たくさん作られています。一番最悪なサイドレターは、恐らくこれでしょう。このサイドレターの「かんぽ生命」部分を熟読して、怒りを覚えない日本人はまず居ないと思います。国辱のサイドレターです。

 

 ただ、今日取り上げるのはその部分ではありません(後日にしたいと思います。)。もう少し柔らかいテーマでして「バーボン・ウィスキー」です。酒類について、こういうサイドレターがあります。その冒頭にこういう規定があります。

 

「日本国は、バーボンウイスキー又はテネシーウイスキーとして製造された製品が、それらの製品の製造を規律するアメリカ合衆国の法令に従って同国において製造されていない場合には、日本国の関係法令に従い、同国においてそれらの製品のバーボンウイスキー又はテネシーウイスキーとしての販売を禁止することを検討する手続を開始する。」

 

 これを読んでみると、「まあ、アメリカでバーボン・ウィスキーを作っている方にとっては、製法の違う日本産ウィスキーに名前を勝手に使われてはたまらないよね。」と同情する方もおられるでしょう。ただですね、「バーボン」と言うとアメリカ産だと思うでしょうが、あの語源は元々は「ブルボン」なのです。アメリカ独立戦争の時、フランスのブルボン朝がアメリカの味方をしてくれたことへの記念で付けられたケンタッキー州の地名です。単にブルボン(Bourbon)を英語読みしたらバーボンになっているだけです。ちなみに、この会社を「バーボン」を呼ぶ方はさすがにおられないでしょうが、表記は全く同じです。

 

 アメリカは基本的に「地理的表示」についてはとても背を向けています。地理的表示で有利になるのがヨーロッパで、新大陸系の国々は地理的表示を保護されると苦しくなるからです。ただ、このサイドレターでは、バーボン・ウィスキーについての地理的表示の権利を創設するものではないと書いていますけども、事実上は「地理的表示」に限りなく近い発想です。欧州に苛められる時は地理的表示に背を向けるけども、自国の産品で保護したい時は、バーボンという名前を使うなというのは、とてもご都合主義に見えます。しかも、その名前たるや、元々はフランスの王朝の名前じゃないかと思うと尚更です。

 

 ちょっとひねくれて、「アメリカで決められた製法で作っていないコーン・ウィスキーに『バーボン』と付けるな。」と合意しているわけですから、ならば、そのウィスキーに日本語名で「ブルボン・ウィスキー」と名付けてみたらどうなるかなと考えてみました。外国語表記は従来通り「Bourbon Whiskey」です。アメリカからケチを付けられたら、「いやいや、外国語表記では同じに見えますけど、国内ではバーボン・ウィスキーとは呼んでないんですよ。うちでは、フランス語っぽくブルボン・ウィスキーと呼んでいます。」と言い逃れをしてみる時、国際法上どうなるかなと考えてみました。

 

 結論から言うと、サイドレターの日本語訳との関係では「ブルボン・ウィスキー」は○(国際法上問題ない)っぽく見えますが、正文たる英語では×かなと思います。英語正文と日本語訳との間に隙間が少しあって、それは「Bourbon」を「バーボン」と邦訳していることに起因します。

 

 ただ、誰かこのサイドレターの日本語訳と正文の間隙を縫って、英語表記では「Bourbon Whiskey」、日本語では「ブルボン・ウィスキー」という商品開発をやらないかなと(勿論遊び心で)思ってみたりします。そして、「TPPサイドレター日本語訳では(アメリカで決められた製法で作られていない)『バーボン・ウィスキー』がダメだと書いたあるだけじゃないか。うちの商品は『ブルボン・ウィスキー』だ。」と強弁してみるわけです。結構、面白い結果になりそうな気もします。

 

 荒唐無稽な話に聞こえるかもしれませんが、実は地理的表示に関する国際交渉というのは、こういう話をかなり真面目にやります。

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【以下のエントリーははFBに書いたものに加筆、修正したものです。】

 TPPの特別委員会で明らかになった事の中で、秀逸だったと思うのは4月19日のこの記事の質疑でした。普通に読んでいると「ああ、そうなのか」と思われるでしょうが、実は玉木雄一郎議員の「質問力」がとても光った質疑だったのです。聞き方がとても良かったのです。

 解説すると、聖域5品目(コメ、麦、指定乳製品、牛肉・豚肉、甘味作物)というのは、実務上、関税分類で行くと594品目あります。例えば、牛肉ですと冷凍、冷蔵の分類や、枝肉、部分肉の分類等でかなりの品目があります。なので、聖域5品目といっても、実際には数がとても大きくなります。その一つ一つを「タリフライン」と言います。

 これがどのようにTPPで変わるのかということですが、まず、「タリフラインで変更されたものは?」と聞くと、変更されていないタリフラインはたくさんあります。コメであれば、大多数のタリフラインは変更がありません。単に新しいアメリカ枠、豪州枠のタリフラインが追加、変更されただけです。それ以外の従来の輸入制度については何も変わりません。これですと答弁は「●●品目については変更がない」という感じになります。

 では、「守り切れたか」と質問するとしましょう。これは争いのある所ですが、既存の答弁では「関税割当や国家貿易等のツールを設けた。関税撤廃期間も長く取った。しっかり守り切った。」という理屈になります。

 こういう質問だと、交渉結果の実態がよく見えないのです。そんな中、玉木議員の質問で最も秀逸だったのは「『無傷』だったものはあるか?」というフレーズです。「無傷」という言葉の定義はなかなか難しいですけども、かといって答えないわけにもいきません。「無傷という言葉の意味が不明なのでお答えできない。」という答弁では、さすがに国会審議がもたないからです。

 答弁を書く側に自分を置いてみると、これ程嫌な質問はありません。コメの既存の制度はいじっていませんが、それにプラスαで新枠による輸入を行う以上、既存の制度にも影響なしとしないからです。その他の品目でも影響無し(無傷)と言えるものはまずありません。

 19日午前中の審議で本件で議事が止まった後、午後の再開後では、仕方なく、森山大臣は「無傷なものはない」と言わざるを得ませんでした。

 ちょっとした小技の世界ですが、同じ質問をしているつもりであっても、用語をうまく使わないとスルッと逃げられてしまいます。隔靴掻痒の状態になります。逆に上手くやれば衝撃的な答弁が返ってくるということです。私も試行錯誤していますが、同じ現象に対してどう問いを投げ掛けるかというのが「質問力」に繋がるケースはとても多いです。

 こういう所で、我々は皆、頭を捻りながらやっているわけです。

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 題は「書かれておらず、言われてもいない」という事ですが、今日はTPPについて少し書きたいと思います。これまで暫くTPPについては書くのを控えておりました。というのも、ここに書くと国会質疑でのネタバレになってしまう恐れがあるためです。

 某紙記者さんから「役所に『緒方さん、ブログにこんな事書いてますよ。』と話したら、『既にチェックしています。』と返事がありました。」とご忠告を受けたため、審議中は控えておりました。

 今日のお題はSPS協定、TBT協定に関する部分です。検疫とか規格とかの話が、TPP協定によって今後どうなるかということです。検疫や規格(例えばJIS、ISO)が貿易の障害にならないようにするというルールが、元々WTO協定の中にもありまして、それがこのTPPでどう強化され、されていないのかということは実はこのTPP協定の審議の大玉の一つです。私のみならず、玉木議員、福島議員を始めとする猛者と一緒に本件は事前によく勉強しました。

 政府の答弁は、「現在の検疫、規格等の規制は、TPP協定によって影響を受けるところは無い。」という感じです。これは正しいです。今の規制は変更を迫られないでしょう。「なんだ、別に心配しなくてはいいではないか。」と思われるでしょう。政府の答弁もそういう効果を狙っていると思います。

 しかし、ここからがポイントでして、「『新規に』検疫、規格等を導入しようとするとどうなるか。」という点については何も言っていないのです。条文ベースであれこれ書くことはしませんが、TPP協定でこのハードルは格段に上がります。正にここが題の「Unwritten and Unsaid」の部分です。

 例えば、食品表示を今より強化しようとする場合、アメリカの利害関係者のご意見拝聴という公式のプロセスを入れる必要があります。その他にも、その強化をするための立証責任が格段に上がります。

 TPPでは農業の関税障壁ばかりがクローズアップされますが、結構な大玉としてSPS、TBTの両協定、知的所有権、国家企業、医薬品関係、諸々のサイドレター等、論点は山のようにあります。政権与党は40時間程度の審議と言っていましたが、とてもとてもそんな時間数では足らないと思います。

 コメのミニマム・アクセスを受け入れたWTO協定の衆議院での審議が50時間程度でした。しかし、あれは協定妥結の時の与党は細川政権、妥結を激しく批判した自民党は野党でした。一方、審議の際は自社さ政権で、妥結時の与党は野党に回っていました。国会審議の4割くらいは、野党から自社さ政権に対して「なんで、妥結の時反対したの?」というもので、審議としてはちょっと奇妙なものでした。その時ですら50時間審議です。今回とは事情が全く異なります。

 TPPの審議は継続審議です。衆議院の解散があれば廃案になります。秋の国会で仕切り直しで、上記のような論点についてしっかりと審議していきたいと思います。
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 先日、内閣委員会で15分だけ質問時間を頂きました。今国会も終盤に入ってきて、残すところ閣法としては「宇宙関係2法案」だけになりました。そんな中、一般質疑の恐らく最後の機会という事で、私がかねてから課題としていた「日展改革」について、気になっていることを質問しました。

 公益法人日展については、平成25年10月に朝日新聞が不正疑惑を取り上げて、大問題になりました。日展五科の書、特に篆刻の分野の賞の選考において、日本芸術院会員を務める日展顧問が差配をしていた、その際に金銭のやり取りがあった、そういう慣行が篆刻のみならず、書全体にもあったということでした。これらについては、日展が設置した第一次第三者委員会でそのような事実があったことは否定できないとの結果でした。

 その後、色々な事があったのですが、大きな所だけを言うと、①公益法人法に基づく内閣府からの報告要求があった(法令に基づくものでかなり厳しい措置です)、②にもかかわらず、日展内で不正疑惑もみ消しの動きがあった(が、内閣府に厳しく怒られて取り消した)、②平成26年は日展には文化庁の後援は付かなかった、④その後、改革が進められた、⑤平成27年は日展に文化庁後援、文部科学大臣賞、内閣総理大臣賞が許可された、そんなところです。

 経緯については、内閣府と文部科学省の作成した以下のクロノロジーが詳しいです(不祥事部分はかなりぼかして書いていますが。)。
 
 一方で、私の所には、昨年8月投書が来まして、①改革された日展で禁じられている(審査員への)謝礼金の慣行は改まっていない、②同じく禁じられている(審査員による)事前の下見も引き続き行われている、という趣旨のものでした。

 ただ、出所不明の情報であることもあり、慎重に対応しました。まず、内閣府、文化庁にその投書の内容を伝え、確認を求めました。両省からは「現時点(昨年8月)で、平成27年日展の選考が進んでおり、確認をすることは選考プロセスに影響を与えるので、平成27年日展が一段落したら調べたい。」というものでした。

 それはそれで理解できるので、一段落した昨年末に確認してもらったところ、①金銭の授受はあったが、それは日展の賞をめぐるものではなく、金銭を受け取った書家(昨年、日展審査員)の個展に対するお祝いだった、②たしかに研究会は行われたが、それは従来行っているものであった、という趣旨でした。もう一つ付け加えれば、金銭を受け取り、下見会を行ったのは、その書家が平成27年日展審査員として任命される前の事であり、問題ないという事もありました。

 ただ、この手の展覧会の審査員は突然任命されるものではなく、事前にある程度の心証を持っているはずでして、私への投書でも、「昨年春くらいの段階で、当該書家は『今年は自分が審査員をやるだろう』と公言していた」そうです。そういう人物に対して、個展へのお祝い目的だからといって(日展で賞を目指す)門下生が金銭を渡す行為はおかしいでしょうし、そういう人物が下見をする会も違和感は拭えません。これが可能なのであれば、日展の改革などすべて脱法的に骨抜きになっていきます。

 そういう事を踏まえて、内閣委員会で公益法人のコンプライアンスという視点から質問しました(映像はココ)。結構、コンパクトに分かりやすい質疑だと思いますので、是非ご覧になってみてください。

 感想としては、内閣府は厳しかったですね。担当室長は「(そういう事が行われていることは)改革の方向に反する」と明言し、具体的な事実関係を調査することを約束しました。期待したいと思います。

 逆に文化庁は極めてガードが堅かったです。当初、不正審査疑惑が出た時は、当時の下村文部科学大臣は「膿を出し切る」とまで言っていたのですが、どう見ても、その気概はもう薄くなっています。昨年8月に投書が来た時に指摘した際から感じていたのですが、どうも日展側に立った姿勢が目立ちます。昨年、後援を付与し、文部科学大臣賞、内閣総理大臣賞を出してしまった手前、今でも問題があるとは言えないのでしょうけども、その理屈は完全に本末転倒です。文化庁のこのアンチ改革マインドは問題が多いです。

 今後の動向次第ではまた、内閣委員会か、文部科学委員会で取り上げたいと思います。いつも言っていることですが、私は芸術の中身に関わることはいたしません。単に芸術家の方々が自由闊達に創作活動をする事が出来るような基盤を整えたい、それだけです。 
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