あたしもそのまま倣うように彼らの視線の方向に顔を向けた。
霧の向こうから、数頭の馬がこちらに向かって駆けてくる。
一番先頭の馬に乗っているのは茶色の髪の少年だった。
この胡散臭い魔性の森には似つかわしくない爽やかな少年。続いて、その少し斜め後ろの馬に乗っているのは、反対に妖しさ漂う、緑っぽい黒髪の小悪魔的な美少女。
彼女は、この集団の中で紅一点のようで、余裕げに笑みさえ浮かべている。
あれ?
でも、この二人に見覚えがある…
あたしは、信じられない思いで目を見開いた。
見覚えあるも何も、リセとルナじゃないのっ!
な、何故、此処にっ?
「何者だっ!お前らっ。この魔性の森であやしいやつっ!」
派遣傭兵たちは彼らに向かって、それぞれの自慢の武器で対峙しようとしだしたので、あたしは冷や汗をかきながら止めに入った。
あんたらの人相のほうがよっぽど怪しいわよ、と心の中で突っ込みながら、彼らの前で大きく手を振り、制止を求めた。
「待って、待って。
彼らはあたしの仲間なの。決して怪しい者ではないわっ」
あたしの必死の訴えに、派遣傭兵の動きが戸惑ったように鈍るのを確認しながら、こちらに向かってくるリセたちの元へと走り寄る。
彼らもあたしの姿を確認すると、馬が駆けるスピードをゆっくりと落としていく。
やっぱり、リセとルナだわ。
後方にいる三人の騎士も、銀の月の隊員だ。
こうやって集団で見ると、皆、整った顔立ちをしていて、やっぱり銀の月は惚れ惚れするほどいい男揃いだわ、としみじみ実感する。
って、ずれたことを考えている場合じゃなかった。
「リセ、ルナっ!それに、皆っ!何で此処に?」
すると、ルナは心底嫌そうな顔をしながらも、隣にいるリセを意識したように非難めいた声を色っぽく出した。
「それは、こっちが言いたい台詞よ。あんた、急に忽然といなくなっちゃってさ。もう、こっちはすっごく大変だったんだからねっ!」
「やっぱり、お前。『此処』に来てたんだな。いやー、早馬で飛ばして良かったぜ。その様子だと無事みたいだな」
ルナと反対にリセは嬉しそうに言いながら、馬上から機敏に飛び降りた。
はくしゅ ★何とかあと一話更新を~



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