画像から特徴点を見つけ(SIFT前半)、パラボラフィッティングを施した Keypoints というプログラムを前回までに公開しました。

セッピーナさんが、これを実際の星の写真に使って、評価をしてくれました。
→リンク 「写真から星の座標を得る」アプリ 

ここにあるExcelファイルは視位置や大気差まで考慮して作られています。
計測位置と撮像位置の誤差をSVGファイルに出力する機能もあります。

さっそく自分で撮った写真で使わせていただきました。
一番の興味は、カメラも焦点距離も違う写真でどのくらい精度が出ているのかです。
エクセルファイルをダウンロードして基本的な項目を入力していき、星表データも付け加え、最後にソルバーを実行しました。(ソルバーは入れてなかったのでアドインインストールしました^^;)

元画像、アルビレオが中央やや右上にあります。


keypoints の出力から4つを選択
※新kp.exe は第2引数が省略でき、一時的ですがオクターブとスケールが出ます。
$ kp.exe 9222.bmp > 9222.txt
9222.txt から抜粋
-----------------------------------------------
  :
[1][0]1902,2185,1901.629469,2185.433319
[1][0]2278,1559,2279.272359,1559.299128
[1][0]1794,713,1793.790139,712.251737
[1][0]1112,711,1113.047618,710.359489
  :
441 keypoints found


Tetra2f.exe に入力しました。
※tetra2f.exe は座標入力に浮動小数点が使えます。また10等級までの星データを持ちます。
$ tetra2f.exe 1901.629469 2185.433319 2279.272359 1559.299128 1793.790139 712.251737 1113.047618 710.359489
-----------------------------------------------
param: HLEN:4592, VLEN:3056, ALPHA:0.55861615, 1901.629469 2185.433319 2279.272359 1559.299128 1793.790139 712.251737 1113.047618 710.359489
answer(s):
TYC 2146-1486-1,,293.10039833,27.92253556,8.9589999999999996,8.7289999999999992
TYC 2133-663-1,,292.79890917,27.95169,10.56,9.0800000000000001
TYC 2137-1457-1,,292.64072,28.28092361,9.3599999999999994,8.8940000000000001
ox = 0.342082, oy = -0.814392, oz = 0.468771
ra=292.784664(19h31m08s), dec=27.954523(27d57'16")

画像中央の赤経・赤緯が求まりました。


これをエクセルファイルに入力して、赤経~収差係数(3乗)を変化項目にして残差が最小になるようソルバーを使いました。結果がこれです。


そしてSVGがこれです。
赤点が撮像点、黒点が計算位置とのことです。


高度53度でそんなに大気差の影響はないのではと思いましたが、大気差適用のほうが残差の値が小さく、効きを実感しました。

私の環境では、上下がつぶれ中央から遠いところではより離れている感じがします。
まだ4つしか見ていませんが、歪曲収差が複雑なのではと疑っています。
歪曲収差を求めるのが今後の課題です。