2年前、大好きなおとうさんがいなくなった



いつも膝に乗せてくれて
いつも一緒に寝てくれた



大好きなおとうさん


あの日の夜、おねえちゃんが帰ってくるちょっと前
おとうさんは突然苦しみ出して

驚いた私は
「おとうさん、だいじょうぶ?
おとうさん!」
って何度も呼んだ

でも、おとうさんは倒れてしまって
すぐあとに帰ってきたおねえちゃんと、
そのあとに来た大勢の男の人たちが
おとうさんを連れて行ってしまった

私は、どうしていいのかわからなくて
ただ、震えながらおとうさんたちの帰りを待った

怖くて怖くて 不安で
でも、きっとおとうさんは帰ってくる

ただいまー、って
いつもみたいに帰って来て頭を撫でてくれるって
そう思ってた

深夜、おうちに帰ってきたおとうさんは
横になったまま動かなくて
いつもとは違う部屋に寝かされて

一緒に寝ようと隣に行ったのに

おとうさんは、
いつもみたいに

おいで、っていうこともなく

ほんの少しも動きませんでした

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少しして
おとうさんは、
小さな箱に入って帰ってきました

おねえちゃんはずっと泣いたり
ぼーっとしたり

おとうさんのお顔に向かって何か話しかけたり

時々、ふっと立ち上がって、
ご飯あげなきゃね、って
ぼんやりとした日々を送っていました

おとうさんがあの箱の中だなんて信じられなくて
お写真のおとうさんは笑ったお顔で動かなくて
あれはおとうさんじゃないって思って

写真のおとうさんは、ちび、おいでと
二度と言ってはくれなくて

おとうさんどこなの?って

私はずーっと家中を探しました

でも、おとうさんは帰ってこなかった

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何回朝になっても

何回夜を迎えても

おとうさんは帰ってこなかった

泣いてたおねえちゃんも
少しずつ泣かなくなっていって

日常が戻ったようで

でも一番大好きだったおとうさんは
戻ってくることはなかった

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おとうさんがあの日、倒れた場所

おとうさんがいつも座って、お膝に乗せてくれていた場所

そこに、私はいつも寝た

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ここにいると、おとうさんが帰ってくるみたいで

ただいま、ってお仕事から戻ってくるみたいで

私は毎日ここで待った

耳も遠くなっていた私は、
玄関で待っていても音なんか聞こえなかったから

ここにいればおとうさんが来てくれるんじゃないかと思った

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おねえちゃんは

「おとうさんのお骨、大好きな海に行ったよ」

って言った

おとうさんはお休みのたびに海に行って
大好きな釣りをして
夕ご飯の時には私を膝に乗せながら

自分がどれほど大きな魚を釣ったか

自慢げに話した

よく素焼きにしたタイなんかを
ほぐして食べさせてくれて
ご馳走だったなぁ

おとうさんは海に行って
まだ帰ってきてないのかなぁ

そんなことを考えた

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それからしばらくして

おとうさんがすとりーとびゅーに写っていたよと

大好きな釣りをしていたよと
お骨をまいた海にずーっといて
釣りをしていたんだよと聞いた

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おとうさんは、やっぱり海にいたんだ

大好きな釣りをして
毎日楽しく暮らしているんだ

そう思うとちょっと安心した

あの日の苦しそうなおとうさん

私も、見ていたから

ほんとは元気で
海にいて
楽しく毎日暮らしてるんだと

そう思うことにした
ホッとした
おねえちゃんも、ホッとしたみたいだった

海にいてくれた事がとても嬉しかったみたいだった
私も嬉しかった

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そして、私も腎臓が悪くなってきて

海にいるおとうさんに
ちょっと近づいた気がした

心と心が
魂と魂が
何だか近寄った気がした

ゆっくりゆっくり
こっとへおいでと
おとうさんがそう笑ってる気がした

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チックンも車も嫌だけれど

お仏壇のおとうさんの笑顔を見に行くと
気持ちがスーッと楽になって
なにも怖くなくなるんだ

おとうさん、
ちびは毎日元気ですよ

お薬も、いやーな検査も頑張っていますよ

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新しい子も増えて

でもおとうさんはいつも私を
大家族だった時の末っ子だった私を
「ちび」と呼び続けていた

私も、ちびって呼ばれるのが大好きだった

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おとうさんにとって私はいつまでもちびだった

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今、私は
死んだおとうさんと眠った寝室で
毎日のんびり暮らしています

適度におやつも貰い
あまり美味しくない腎臓のご飯も頑張って食べています

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おとうさん、今日はお盆ですね

庭では、おねえちゃんと
やっと帰ってきたおにいちゃんが
おとうさんを迎えるための火を焚いています

その火のゆらめきの中に
おとうさんが見えたのは
おねえちゃんたちは気づいていません

ちび、病院頑張ってるな
ご飯もよく食べてるな
偉いなと

頭を撫でて貰いました

懐かしいゴツゴツした手の感触に

私は、嬉しくて鳴きました

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おとうさんの大好きな
茹でたとうもろこしも、おはぎも
コーラもお菓子もありますよ

またお膝に乗せて
あの場所で
頭を時々撫でながら
白毛の混じった毛を撫でながら

ちびも年取ったな、

と笑ってね

おとうさん、おかえりなさい

ゆっくりしていってね

また、海のお話を聞かせてちょうだいね












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