かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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前回の記事

使い過ぎは禁物! 殺菌剤の効能と注意点(その1)



さて、前回の記事では現在我々の生活のいたるところに存在している

『殺菌剤』

を簡単にご紹介しました。


強力な殺菌剤は健康を害する菌類を根こそぎ除菌し、

身体の異常をてきめんに抑える効果があります。



しかし、最近ではその効果についてある危険性を指摘する専門家が増えています。


それが、

殺菌剤を多用しすぎる事でかえって身体が異常を起こしやすくなってしまう

ということです。


これについての詳しい内容をまとめていきましょう。




◎『菌』は悪者ばかりじゃない?


当ブログでも幾度と無く取り上げている話題ですが、

我々の身体には身体を守る為の『良い菌』が沢山住んでいます。


その数と言えば体内・体外を合わせればなんと100兆を超えると言うのです。

その多くは腸などの内臓類に住んでるわけですが、大腸菌とかビフィズス菌とか乳酸菌とか、皆さんもよくご存知の『善玉菌』というやつです。


そして当ブログで何度も扱っているのが

『皮膚(表皮)常在菌』

という菌の話です。

なんと表皮だけで1兆匹も住んでいるそうです。



皮膚常在菌というとそのほとんどがアクネ菌表皮ブドウ球菌の2つが頑張ってるのですが、(もちろん場所によりますが)

彼らは皮膚表面を弱酸性に保ち、保湿し、雑菌の繁殖を抑えます。

彼らが死滅した皮膚環境は肌のバリアが非常にもろくなり、

雑菌の繁殖を抑えられなくなり肌に異常を引き起こします。



◎『殺菌剤』は善悪の区別が出来ない


画像→菌は悪者なのか?-現代日本人の過剰な清潔志向について考えてみる- より引用


そして殺菌剤の問題というのはこの点です。


確かに肌に危害を加える危険な菌だけを除菌してくれるというのであれば

それはとても良いことだと思います。


しかし残念なことに、

殺菌剤には善玉菌だの悪玉菌だのを区別する器用さはありません。


つまるところ

殺菌剤を使えば本来身体を守っているはずの良い菌まで一緒に殺してしまうのです。



その結果、

表皮常在菌の数が減って外からの外来雑菌を抑えることができなくなり

身体本来の抵抗性を失ってしまうというわけです。



◎殺菌剤を使い続けなければ肌が荒れる?


ニキビや様々な要因で、一旦殺菌機能を持った商品などを長期間使ってしまった場合、

これの使用をやめた途端肌が荒れてしまうため、

結局その商品の使用をやめられなくなる…


という事例をよく聞きます。


当ブログの相談ケースでも非常に多いです。



殺菌作用のある商品を広範囲で使用した場合、

その周囲の善玉常在菌もほとんどが滅菌されます。

その結果雑菌が繁殖しやすい脆い状態となっているため、

これを常に殺菌効果のある化粧品で殺菌し続けなければ肌の健康が維持できないようになってしまうのです。


本来ならば肌の持つシステムで雑菌は繁殖出来ないはずが、

必要以上の殺菌によって必要な善玉菌も殺してしまったことが原因で起こる事例です。



ニキビを抑える為に殺菌機能の洗顔料を長期にわたって使用し、

その結果このような状態に陥るケースがとても多いようです。


(そもそもニキビの原因菌は表皮常在菌の『アクネ菌』。増えすぎた分を適度に殺菌するなら良いですが、根絶やしは良くないに決まっています。)


こうなってしまうと地道に常在菌の復活を待つしか無く、

その間は肌が荒れ放題になってしまうので大変です。



◎インフルエンザの時期には手荒れ患者が激増する?


以前とある薬学博士の本を読んだ時にあった内容ですが、

インフルエンザが流行る時期には手荒れの患者が激増するそうです。


これはインフルエンザを予防する為に殺菌剤の入った薬用ハンドソープやアルコール消毒剤を過剰に使用することが原因だそうです。


しかし皮肉な話なのですが、

インフルエンザというのは『ウイルス』で、『菌』ではありません。

簡単に言うと「生き物」ではないのでウイルスに殺菌剤はあまり効きません。


そればかりか殺菌剤で手を洗い続ければ手の本来のバリアシステム(常在菌のバリア)が失われ、

様々な病原菌の繁殖を許しやすくなり、

それによって手荒れを起こしてバリアが完全に失われれば、

逆にそこからウイルス感染しやすくなるとも言えるそうです。


手荒れで『病院』に受診すれば、それだけウイルスのありそうな場所に行く頻度も増えますしね。



つまり予防のために行っている行動が逆にウイルス感染しやすい環境を作るとも言えるのです。



実際にはウイルスなどは流水だけでも十分流れるため、

そういう時期には頻繁に水や湯だけで手を洗えば

わざわざ殺菌効果のあるものを使用する必要は無いのだそうです。




◎殺菌剤の常用使用は他にも多くの問題を引き起こす懸念がある


例えば『フケ症』なども殺菌剤の功罪だと僕は感じています。


男性用のシャンプーにはなぜか殺菌剤の配合が多く、

別にフケ症でもなんでもない人が何の気なしに使ってしまって

頭皮の常在菌を殺し尽くしてしまうことがフケ症の原因の可能性があります。


「コレ(殺菌シャンプー)を使わないとフケが酷くなるんだ!」という中年世代の男性が多い理由も何となく見えてきます。


また『体臭』も同様に、殺菌のし過ぎで常在菌がいなくなると、

雑菌が繁殖して悪臭を放ちやすくなると言います。


足の臭いが酷い人は必死で足を洗いますが、

足裏は特に皮脂が分泌しにくく常在菌が生息しづらいポイントです。

常在菌を一度殺せば雑菌の繁殖を抑える手立てが無くなり悪臭の原因となるのです。

『水虫』も同様の理由で説明ができます。




◎『殺菌剤は必要ない』のが自然な状態


このように、殺菌剤を長期にわたって使用することで起こりうる健康上の異常は数知れません。


もちろん殺菌剤に頼ることで状態を安定に保てていることに不満が無いのであれば、

それを非とする理由はありません。


しかし本来、人の体はそれひとつで完成しているはずで、

わざわざ外から殺菌剤を投入しなければ状態を安定に保てない…

というのは実に変な話だということはぜひ認識するべきです。



殺菌剤で状態を保っているのは、それはあくまで「その場しのぎ」であって

絶対に『根治』『正常』ではありません。




殺菌剤を使用する際には、

必ず短期使用を心がけて出来るだけ早く使用を断つことをオススメいたします。


前回の記事でも説明したように、

殺菌剤は非常に強力な効果を持っているので

使えば覿面に効果を発揮します。


ですがいつも言うように、

『効果の大きいものには相応のリスクがある』

のです。


見るからに効果がある殺菌効果の商品を使用する場合には

今回の記事の内容をぜひ思い出して頂いて、

後々に響かないように安全に使用出来るようにしていただけたら良いなと思います。





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