かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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画像引用→https://www.skincare-univ.com/t/proteoglycan/より



『プロテオグリカン』

という成分が美容分野で最近注目されているようです。


最近…というより数年前よりじわじわと広まってきて、

まだドカンと当たってはいませんが今後のヒットが見込まれる美容成分の一つかもしれません。


今日はこの成分についてまとめていきたいと思います。



◎『プロテオグリカン』 とは

プロテオグリカン。

あまり聞きなれない成分名だと思います。


意味合い的には

プロテオ→「プロテイン」(タンパク質)

グリカン→「グルコサミノグリカン」(糖類)

ということで「糖類」と「タンパク質」の性質を併せ持つ

『糖タンパク質』
という物質の一種です。


画像引用→http://topics.foodpeptide.com/?eid=1283372より


構造のイメージは上記のように、

タンパク質のメイン構造(コアタンパク質)に、糖類(グルコサミノグリカン)がいっぱいくっついている。

そんな構造をしているようです。



ちなみにこういう「タンパク質」と「糖類」の構造を一緒に持っている物質は非常に珍しいです。

なぜかというと『タンパク質』と『糖類』というのは

どちらもいくつもの特定分子が鎖状に連なったもので、「高分子化合物」と呼ばれるものの総称なのですが

タンパク質は「アミノ酸」、糖類は「単糖」という全く違う物質を、

それぞれ異なる結合方式によって結びつけています。

なので本来同一の分子になることはありません。


簡単に言えば材料も製造法も必要環境も全く違うものが一緒の工場で作られている感じです。

生化学的にはかなり珍しい物質と言えます。

(糖類・タンパク質についてはまた今度詳しくお話出来ればいいと思います)



◎大幅コスト削減で注目を浴びる


製造はこれまでは牛の軟骨などから抽出していたのですが、

これは非常に高額(1g約3000万円)で実用性が全くありませんでした。


しかし最近研究が進んでお魚から抽出する方法が確立されました。

こちらは1gで約3000円と、大幅なコスト削減が実現しています。

(この功績からこの研究の第一人者である弘前大学の教授が、内閣総理大臣賞を受賞したというのも有名な話です)



おかげでこれまでは高額過ぎて中々手を伸ばせない成分っだったのが

大量生産が可能になったことで大幅に研究が進み、

現在では医薬品分野で確かな効果も確認され、

その結果として化粧品や食品業界にも応用され始めたというところです。



◎プロテオグリカンの効能・効果


プロテオグリカンは元々生き物の身体の一部で活躍している成分です。

主に『軟骨』を形成する物質として知られています。

(軟骨の構成成分…コラーゲン:60%+プロテオグリカン:10%+水分)


その大きな特徴は『強力な保湿効果』にあると言えます。

とあるデータでは高い保湿効果で有名な「ヒアルロン酸」の1.3倍の保湿効果が確認されています。

画像引用→http://www.tervis.jp/fs/tervis/c/proteogrycanより



プロテオグリカンの基本構造を見ると、

そのコアタンパク質の周囲に無数の糖鎖がくっついています。

画像引用→http://www.ichimaru-db.jp/products/cosmetics/proteoglycan/より


お砂糖が水に溶けやすいように、『糖』という物質は非常に水と馴染みやすいです。

このような糖の構造がまるでブラシのように張り巡らされているのですから、

まるでスポンジのごとく強力に水分を蓄えることが可能です。



またコアタンパク質の特性によって、

EGF(上皮細胞増殖因子)のような性質を発揮することも確認されています。

ノーベル賞受賞成分『EGF』とは?

培養表皮を用いた実験で実際に細胞増殖作用を及ぼしたというデータがあるようです。


この作用から皮膚医学会から特に注目される結果となったみたいですね。




◎化粧品への効果は期待出来る?


しかし実際のところこのプロテオグリカン、

化粧品への配合ではその作用を十二分に発揮するとは考えられません。



化粧品分野においてはプロテオグリカンの効果は

・保湿作用

以外には大きな効果は得られないと考えられます。



その理由は上記で紹介したEGFの記事でも書いているのですが、


そもそもタンパク質レベルの巨大な分子は化粧品に配合したとしても

分子が大きすぎて皮膚角層のバリアを突破することは出来ないため、

皮膚細胞を作っている肌の奥底の基底層に作用するのは不可能
なのです。




プロテオグリカンのEGF様作用について、

以下のように『培養表皮』を用いた実験の結果が示されることがありますが、

→http://www.ichimaru.co.jp/products/proteoglycan/data1.htmlより引用


培養表皮というのは人工的に作った細胞分裂真っ最中の皮膚細胞であり、

実際の皮膚の環境とは全く異なります。


実際の皮膚では細胞分裂は皮膚の表面ではなく皮膚の奥底で行われ、

皮膚の表面には細胞分裂が終了した角質細胞のみが配置されています。



つまりただ単にプロテオグリカンやEGFを皮膚に塗布してもこのような効果は得られないのです。




そのため化粧品における応用に関しては、

プロテオグリカンに期待出来る効果は強力な水分保持作用のみであり、

それ以上のエイジングケア効果は今のところ効能として認められていません。

実際の皮膚塗布による細胞増殖の臨床データも特に揃っていません。




◎プロテオグリカンは化粧品の場合「ただの保湿剤」の扱い


もしプロテオグリカンを医薬品として経皮吸収製剤として利用したのであれば、

もしかしたら何らかの効果が得られるかもしれません。

医療分野への応用は一応期待は出来ると思います。


ですが化粧品の場合は過度の期待は出来ません。


確かに高い保湿作用によって肌のハリを改善したり、

乾燥シワを目立たなくする程度の効果はあるでしょうが、


それを塗布することでお肌そのものを若返らせることは難しいと言えます。



しかも保湿剤としての効果も正直なところ結構微妙です。

「ヒアルロン酸の130%の保湿効果」

というのも、実験によってはかなりマチマチで

場合によっては「保湿効果はほぼ同等」と評価されているデータもあります。

→http://www.ichimaru.co.jp/products/proteoglycan/feature.htmlより引用



例えば

『リピジュア(ポリクオタニウム-51)』

という保湿剤はヒアルロン酸の2倍の保湿効果があると言われていますし、



→http://coopervision.jp/contact-lenses/biomedics/1day-ev/feature1より引用


今の段階ではヒアルロン酸やリピジュアの方が原価価格が大幅に安価

ということを考えれば、

わざわざまだ高額のプロテオグリカン配合の化粧品を購入するメリットはあまり無いのではないか、

という気がしますね。



今後さらにコストダウンして、

ヒアルロン酸並に安価に流通するようになったのであれば

高い保湿効果やその生体安全性などは確かなものですので

是非オススメの保湿成分ということになると思います。



恐らく何十年後には

『化粧品における生体適合性の保湿剤』といえば、

ヒアルロン酸orプロテオグリカン

という二択で選ぶようになってくるのではないかなという気もしますね。




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