かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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◎「ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE)」


このポリオキシエチレンアルキルエーテルは

数ある界面活性剤の中でも特に謂れ無きバッシングを受けてきた

とても不憫な界面活性剤の一つです。



通称「AE」と呼ばれる界面活性剤で、

現在では日用品や工業用として多くの場面で活用されています。



◎ポリオキシエチレンアルキルエーテルの構造と種類


ポリオキシエチレンアルキルエーテルの構造は

これまでの一般的な界面活性剤のものとは異なります。


↑これがAEの一般的な構造ですが、


これまでのものは、例えばラウリル硫酸Naのように

親油基と親水基が明らかに異なった構造をしています。

右側の親水基では、Na+が分離(電離)して、

本体はマイナスに帯電しています。



しかしポリオキシエチレンアルキルエーテルには、

そのように電離した部位がありません。



実はポリオキシエチレンアルキルエーテルは

その分子に電荷を持たない

「-O-(エーテル結合)」や「-OH(ヒドロキシ基)」

などの親水性部位を多数持つことで、

水になじみやすい親水基の代用としているのです。


このように親水基が電離せず電荷を帯びない界面活性剤は、

「ノニオン(非イオン)界面活性剤」と呼ばれています。


ポリオキシエチレンアルキルエーテルは

ノニオン界面活性剤としては最もポピュラーな部類の洗剤です。



またその構造は上に表示しているものだけでなく、

炭素鎖や親水性部位の結合数に応じてその性質を操作することもできます。




◎高洗浄力・極低刺激性


ノニオン界面活性剤の素晴らしい点は、

その界面活性剤単体の性質としては

皮膚刺激がほとんど無いということです。


これは洗剤の皮膚刺激が

そのイオン性に由来していることが大きな理由と考えられており

そもそもイオン性を持たないノニオン界面活性剤には

その点の心配が一切ありません。



そしてノニオン界面活性剤は

極微量でも強力な洗浄能力を持つことでも知られます。


というのは非イオン界面活性剤は親水基構造などを調節できるので、

強力な洗浄効果を持ったものを簡単に作れてしまうからです。


ただ発泡性がアニオン界面活性剤ほどではなく、

また脱脂作用も非常に強く、

シャンプーの基剤としてはあまり好まれません。



しかし衣料用洗剤としては大変優れており、

クリーニング用オシャレ着洗剤など

繊維を傷めず洗浄するための洗剤として重宝されています。


また手刺激を考慮した食器用洗剤にも用いられています。




◎低生分解性?


脱脂能力が強く発泡性が弱いという点からして、

シャンプーに用いられにくいというのは確かにありますが


それでもあまりこの洗剤は僕たちの身近にはあまり見られませんね。


これは1980年ごろにこの洗剤が開発された際、

その生分解性が著しく低いのではないか?


と問題になった為だと考えられます。



なんでも河川に流入した洗剤が原因で

100匹近くのコイが死亡した…

という事例が報告されています。

また水道水中から大量のAEが検出された…

ということもあったようです。



このことが原因で

AEは人口に作られた合成界面活性剤であるから

異常に生分解性が低く、

廃棄した洗剤が永続的に分解されない可能性が高い

として偏った報道がなされ、市民に大きな不安を与えた過去があります。



とは言っても、

これは後の調査で付近の工場の人的ミスによって

膨大な洗剤が河川に流入したことが原因だったと分かっており、


実際にはAEの生分解性は問題になるほど低いものではありません。


また界面活性剤は魚類のエラの機能を阻害してしまうため、

どのような洗剤も魚類にとっては量が多くなると猛毒なのです。

その時ミスによって流出した洗剤がたまたまAEだっただけで、

AEの魚毒性が著しく強いということではありません。



生体毒性という点で言えば、

AEのそれは石鹸よりも無毒の場合もあるということが知られています。




◎比較的安価でタンパク質変性作用を持たない優秀な洗剤


総合的に判断するとAEは非常に優秀な洗剤です。

安いアニオン界面活性剤よりは高価ですが、

比較的安価に製造が可能であり

またタンパク質変性を起こさない低刺激洗剤です。


利用の用途によれば、

大変使い勝手の良い洗剤ということになるでしょう。


「ポリオキシエチレンアルキルエーテル」

という名前は少々無骨ですが、


衣料用洗剤などでこの洗剤が使用されているのを確認したら、

一定の安心感を持っても良いのではないでしょうか。



◎低刺激洗剤の開発に寄与


実はこのAEの構造機構は

現存する低刺激洗剤に広く活用されています。


アニオン界面活性剤にこのAEの構造を付加することで、

その刺激性を著しく低下させることが可能であることがわかっているのです。


その代表的なものとして、

「ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸Na」

通称「ラウレス硫酸Na」はよく知られていますね。


その他にも

「ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸Na」などの

俗称として「酸性セッケン」と呼ばれるものも

この構造を分子内に持つ洗剤です。



AEの開発は

これらの優れた洗剤を開発することに大きく寄与したということなのですね。



それだけでなく

これ以降様々なノニオン界面活性剤が開発されていますが、


その全てにこの洗剤の機構が活かされている


と言っても過言ではないかもしれません。




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