かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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「石けん」「合成洗剤」については、

長くその安全性を議論する「洗剤安全性論争」が続いていました。






一般市民の間ではこの議論は今でも根強くなされていますが

今回この安全性論争について「いました」という過去形にしたのは、


実は専門家の間ではこの問題は、

既に30年以上も前に決着が付いているからです。



数十年前に社会現象ともなって

合成洗剤の安全性には大きく嫌疑がかけられましたが、


当時多くの科学者によって洗剤の研究が進められ

それでも現在私たちの身の回りに合成洗剤が溢れていることを考えれば、



その安全性議論がどのような結論を迎えたのかというのは


もはや語るに及ばないことだと思います。




このシリーズでは

洗剤の安全性論争がどのようにして始まり、どのように収束したのか…


そして、

なぜ収束したはずの問題が現代にも根強く生き続けているのか…


という二つのポイントについておはなししていきたいと思います。




◎洗剤論争が起こっているのは、日本だけ?


実は洗剤についてここまでうるさく議論が繰り広げられているのは

日本だけなんです。


世界中のどの国を探しても、

石けんだとか合成洗剤だとかを未だにあーだこーだ言い続けている国はありません。


確かに、特定の合成洗剤には世界的に問題となったものもあります。


「分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(ABS)」の低生分解性問題や、

「リン酸塩型洗剤」の富栄養化問題、

「ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル(APE)」の環境ホルモン問題

などは、世界的に着目され原因究明が図られた洗剤問題です。


開発間もなかった合成洗剤にはこれらの問題が世界的に指摘され、

その問題を解決した新型洗剤が開発されました。



逆を言えば合成洗剤の大きな問題というのはこの3つくらいのものであり、


これらの問題視された洗剤が現状使用されておらず

既に改良型で代換えされていることで

世界的な「洗剤問題」は解決しているのです。


これ以降欧米その他先進諸国では洗剤の議論はなされておらず、



日本のように

合成洗剤擁護派と石けん推進派の二極対立

が起こっている国はどこにも存在しないのです。



つまり、合成洗剤に過剰な不安感を持っているのは、

日本独自の異様な習慣(?)と言えるのですね。




◎日本で問題視された洗剤問題



世界では一切問題視されなかった洗剤問題が、

なぜか日本では大きく注目されました。


特に

環境問題として

「生分解性」
「魚毒性」などが、


人体への安全性問題として

「発がん性」
「催奇形性」「内蔵蓄積性」などが、


それぞれ大きく問題視されました。




元々この洗剤問題が大きく注目されたのは

1961年に洗剤メーカーの「ミヨシ化学」で、

研究員の死亡事故が起こったことに端を発するとされます。


この際に問題となった洗剤は先にも述べた

「分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(ABS)」

でした。


実際には研究員の死亡事故とこの洗剤の毒性の関連性は不明ですが、


ABSは「分岐鎖」という自然界には無い構造を持っていたために

生態内での分解性が低く、

体内に侵入すると分解されにくく体内で蓄積される危険性があったことや、

実際に河川に流入したABSは微生物による分解を受けにくく、

異常な河川の発泡問題を引き起こしました。


↑異常発泡で防波堤の影が消えている(左)



ABSについては世界的な研究が進み、

1970年には改良型が普及して環境破壊は緩和されました。


しかし日本ではこの後も多くの毒性報告や研究結果が提出され、


ABS以外の様々な合成洗剤にも同様に毒性が疑われ始めたのです。




◎洗剤論争の結論



これらの合成洗剤の安全性議論は1960年代初頭から始まり、

収束するまでに約20年程の時間がかかりましたが、


1980年になる頃には専門家の間ではこれらの問題も全て

「常用する使用用途の上では問題とならない」

という結論が結ばれているのです。


詳しくは「洗剤の毒性とその評価」(1983 厚生省環境衛生局)


という巨大なデータブックにて詳細に解説されているので割愛いたします。
(大きな図書館とかにあるはずです)




確かに石けんと一般的な合成洗剤では

環境負担は石けんの方が小さい場合が多いです。




しかしそれはあくまで過剰量で比較した時の話です。

一般家庭において一般的な使用量で使用した場合には、

今使用されている洗剤であれば

どの合成洗剤でも特筆すべき環境負担はありません。



洗剤の水環境に与える影響について



人体影響に関しても、


現在常用される合成洗剤と石けんの間で大きな毒性の差はないことがわかっています。


むしろ皮膚刺激性では石けんのそれはASやLASなどと大差無く、

非イオン性の界面活性剤やカルボン酸を原料とした合成洗剤では

石けんよりもはるかに優れた洗剤があることがわかっているのです。


洗剤の安全性



つまり日本で問題視された洗剤問題は、

どれも大して重大なものとは言えず…


現在でも石けんor合成洗剤という二元論が繰り広げられる理由としては不十分なのです。




この結論を考えれば「どちらが優れているか」という議論に意味はなく、


学者間では洗剤における安全性議論は既に過去のことであり

「合成洗剤より石けんの方が良い!」

というような主張をする専門家は誰もいません。



ではなぜ、

今でも消費者間では

この石けんor合成洗剤という論争が続いているのでしょうか。





この理由については、

また後日おはなししましょう。






参考文献
石鹸安全信仰の幻,洗剤の安全性と環境問題(大矢勝)




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