国家試験対策_【社会調査】の得点源を検証する | ペーパー社会福祉士のうたかた日記

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社会福祉士資格をとるまでと、とったあと+α。浮世のつれづれ、吹く風まかせの日々。

久々に、バリバリと音を立てるほどの
国家試験対策、やったるでーですよ。

 

悪問奇問に泣かされる国家試験の中、
わしが受験したときからくらべると、
ずいぶんましになった科目といえば、
午後から一発目の勝負、【社会調査】。

 

以下、出題基準の大項目である。

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1 社会調査の意義と目的
2 統計法
3 社会調査における倫理
4 社会調査における個人情報保護
5 量的調査の方法
6 質的調査の方法
7 社会調査の実施に当たってのITの活用方法

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【社会調査】は毎年7問出題されるが、

大項目が7つあるからといって、

7つにばらけているわけではない。

7問中3問~5問が5と6で占有される。

 

特に、5量的調査 の、

7)量的調査の集計と分析 は常連。

細かい項目別にみると、こんな感じ。

だから、

量的調査の集計と分析については、

ここをやっておけば、確実に出るよ。

 

とはいえるけど、申し訳ないことに、

得点できるかというとこれ至難の業。

歴代の選択肢を見てみてくださいよ。
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第28回【社会調査】
問題87 ピアソンの積率相関係数に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 値は0から1の範囲の間で変動する。
2 2つの変数の因果関係を表すものである。
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第27回【社会調査】
問題87 クロス表とその分析に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
3 オッズ比とは,ある事象が起こる確率比を起こらない確率比で割ったものである。
4 オッズ比の最大値は, 1 である。
5 オッズ比の最小値は,-1 である。
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第25回【社会調査】
問題88 変数の散布度(バラつき,散らばり具合)に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
4 分散と標準偏差はいずれも散布度の指標であるが,この2つの聞には必ずしも決まった関係はない。
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出題者の趣味としか言いようがない。

こんなのソラでできるわけないだろ。

 

あ、いや、

 

ものすごく統計が大好きで大得意で、
できれば結婚したいという方なら、
ここを磨いて強みにしてもいいけど、

 

受験生の中には、【社会調査】って
実際やったことがないのはもちろん、
ここで見るのが初めての場合もある。

 

それなのにいきなりこんなことを
オラ答えてみれと言われてもねえ。

 

 

なので【社会調査】の得点源として
学習していれば確実に1点、の漁場は、
これ以外のところから探すといいかと。

 

で、

 

探してみるとニオうとこがあるじゃん。

事実として、ただそうなっている、
それだけの話だという前提だけど、

(出題予想ではないよという意味)

 

量的調査の観察法と面接法、

1年おきに交互に出てるジャマイカ。

どうだこの規則的な動きっぷり。

くれぐれも言い切りたくはなので、

第29回で観察法とは断言できないが、

観察法、面接法の2つのどっちかが

出されるってことは次回もほぼ確実。


あんな数式なんぞと格闘するよりは、
質的調査の方がハードルは激低い。


調査者と被調査者がパーソナルで、

関わったり対面したりという方法は、
相談援助業務を志すわしらにとって、
将来のイメージとしてわかりやすい。

 

数式にかじりついて獲ったって1点、
らくちんの瞬殺で獲っても同じ1点。
どっちを選ぶかは言うまでもなしー

 

では、超極私的【社会調査】ご託宣、

量的質的、どっちからやるか迷ったら

まずは、「質的調査」から着手する。

 

それと、もう1つニオってくるのが、
これなんかもなんとなく交互だねー

表の一番上の量的調査のところ。

社会調査の基本のキのとこなので、
ちょっと解説しときましょうかね。

 

「全数調査と標本調査」。
調査対象をある範囲で決めたとき、
その全員を調査するか(全数)
一部を抜き出すか(標本)の違い。

 

「小学生の読書量調査」っつっても、
都内ぜんぶの小学生に聞いてたら、
調査が終わったころには全員卒業し、
中学生になってるような人数である。

 

なので、出席番号の偶数、奇数とか、
その母集団の特徴を満たすような、
サンプルを抜き出して調査することを
標本調査、といいます。

 

社会調査でいうときの「標本」とは

「調査対象として抜き出された人」。

 

この"サンプルを抜き出す作業"を、
ハイ皆さん、なんといいましたか?

授業だったらばココでファイト一発、
誰が寝てても起きる大声を出すぞw

 

よくできました、

「抽出」ですね。

 

「抽出」ってよくわかんな~い!と
覚えるところすらわからない場合は、
まずはこの違いだけ把握しましょう。

エ?こんだけ?って、ハイこんだけ。

この違いがけっこうデカいんだよー

 

先ほども言いましたように、統計は、

全部を集計する意味と目的があるなら、

たとえば国勢調査は全数調査を行う。

 

けど、

 

全体の動向、傾向を知りたいんなら、

母集団のサンプルを抜き出して調査。

 

全体の一部を調査するということは、

ホントの事実の全体とはズレが生じる。

標本調査のときは、このズレ、

つまり「誤差」を最小限にとどめたい。

 

よって、どうしたらいいかというと、

抜き出す標本に偏りなく、意図なく、

機械的事務的に抽出した方がいい。

無作為抽出法が望ましい。

有意抽出法は望ましくない。

 

「有意抽出法」をわかりやすくいうと、

自分が所属しているママ友集団の中、
明日の一斉ドブ掃除に入れる人を
選び出しましょうとなったとしましょう。

 

ボスママとイヤミとスネ夫は避けたい!
頼みやすい優しいしずかちゃんと、
あとは出木杉くんに声をかけてみよう、

 

のび太くんは泣いて帰りそうだから、
面倒だしこいつも除外しとこう、という、

作為=自分の意志が働きませんか。

 

そう、

 

有意抽出というのは、調査する側の
「そうした方がやりやすい」という
恣意的、作為的な意志が入る方法。

 

これで公平で母集団まんまかつうと、
そんなことは絶対にありえんわけで、
出てきた結果に客観性は乏しくなる。

 

そして、

 

ドブ掃除にいつもかり出されている、
優しいしずかちゃんをみるにみかねて、
出木杉くんが提案した公平な方法が、

 

サイコロをふって奇数が出た人とか、

「機械的に確率で抽出する」、

無作為(確率)な選び方、というわけ。

 

と、ここまで理解できたらやっと次、
最初の図にこう足していくわけです。

 

 

「有意」の方でいちばんわかりにくい、
混乱しやすい、試験に出やすいのは、
割当法、クォータ・サンプリング。

 

まずは、これが有意だっていうこと、
それをしっかり覚えておくアルヨ。

 

どうしてこんなこと言うかって、
なんか、カタカナだってことだけで、
よくわかんないけど無作為っぽい、
パソコンとか使って抽出してそう、

 

みたいな、

 

アクロバチックな理解の子がいてw
それも一人や二人じゃなかったから、
ちょっと心配になっちゃったんよね。

 

でもこれ、教材もよくないんだよー
見せてもらったら、こんな説明。
---------------------
割当法(クォータ・サンプリング)
性別・年齢・職業・地域別に、母集団に比例するように標本数を割り当てる。
---------------------
>母集団に比例させてるんだから、
>数学的、統計的なんじゃないの?

 

>これのどこが作為的、有意なの?
>層化抽出法とかわんないじゃん!

 

とか言ってくるけど、違うんだよー

 

「母集団に比例するように」とは、
標本数が一致すればいいんであって、
具体的な標本を選ぶまでは入らない。

 

たとえば、

 

東京の若者の生態を知りたいとして、
調査員には、20歳から24歳まで5人、

25歳から30歳まで3人、などと、

調査対象の人数を"ノルマ"と決めて、

決まった地点で調査を始めたとする。

 

声をかけやすい人、かけづらい人、

知り合いとかそうでないとか、

見知った場所であるとかないとか、

サンプルは調査員が任意で決定。

 

渋谷センター街に集う若者たち5人を

渋谷区全域の若者の全体像として、

推測していいかどうかといえば、

こりゃもう全体と一部には誤差がある。

 

国勢調査に基づいて、

母集団から人数の割当をしていても、

調査結果が即、母集団と等しいとは、

とても言い切れない方法なんである。

 

つうことで、割当法は、

自分が聞きやすい、やりやすい対象を

意図的に選んで回答させる方法だから、

どっこも公平でもなんでもないわけで、

結果=大衆の総意とはなりませんえん。

 

これで大失敗した有名どころといえば、
1948年米大統領選挙のギャラップ社。

"デューイで確定"とブチ上げてたのに、
トルーマンが勝っちゃったよーってアレ。

 

これは、

地域と人数はランダムに選んだが、
実際に訪問員が調査した相手が、

ことごとく、デューイよりだったから。

 

世論調査に割当法はイクナイという、
めでたくない先駆けになっちゃった。

 

層化抽出法はこれとはまったく別。

 

たとえば、収入別に抽出するとき。

ランダムな集団を年収別に分けて、

↓層にして、

↓母集団の割合に合わせて抽出する。

この抽出の過程には、
この人には聞きやすいからとか、
自宅と近いからという調査者の都合、
調査者の意志はまったく入らない。
数字と計算でのみ、抽出される。

 

つうことで、賢明な受験生諸君、
過去問に挑戦してみるアルヨ。
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第25回社会福祉士国家試験
問題85 標本調査の長所と短所に関する次の記述のうち,正しいものを2つ選びなさい。

 

1 関心の対象である全員にではなく,その一部分の人々にのみ調査を行う限り,どれだけ適切に設計・実施された標本調査でも必ず標本誤差が生じる可能性がある。
2 訪問個別面接調査を行う場合でも,本来は標本調査より全数調査を行う方が誤差が生じないので望ましい。
3 標本抽出法には確率抽出法と非確率抽出法があり,実施が可能でさえあれば,偶然に左右されない非確率抽出法を行うのが望ましい。
4 無作為抽出が適切に行われていれば,調査対象者が多くても少なくても調査から得られる知見に違いはない。
5 標本調査によって母集団の性質についての統計的な推測ができるのは,母集団に含まれるすべての人が同じ確率で選ばれ得るような標本抽出の手続きをとる場合である。
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正解はCMのあとで!

 

これ以外にも、
標本を、自分の都合で決めてよい、
有意抽出の特徴について、
3回半くらいヒネッた問題が出た。
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第28回国家試験【社会調査】
問題88 グループインタビューに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 対象者の選定は,有意標本抽出によって行われる場合が多い。
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○か×か?正解はCMのあとで!

 

つうことで、【社会調査】、
今日書いたあたりで1点獲れれば、
後ろにはわしらの得意科目、

【相談援助】が待ってるからねー

 

くれぐれも、
要らん問題に必要以上に食いつき、
時間をロスすることのないように。


ではではー
あ、今週は4日しかなかったのかー
そしたらまた来週にでもー

 


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第25回問題85 正解1,5
第28回問題88選択肢1 ○