素晴らしい日本の未来へアクセル

自らが模範を示すリーダーとなり、次世代のリーダーを育成するために日々努力します。


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---NBオンラインより(梶原しげるのプロのしゃべりのテクニック)


 人の印象を決める要素として「声」の存在はとても大きい。

 私はラジオ出身のアナウンサー。声一つで、遠近、親疎、喜怒哀楽、姿かたち、事件の詳細、試合の展開…。あらゆる状況を伝える訓練を徹底的に受けた。しゃべりの調子や高低、トーン、スピード、間(ま)。音声表現だけで、聞き手の心を揺さぶり、聞き手の頭に映像を描き出す描写力を鍛えられた。

 これらのテクニックは、ビジネスパーソンが仕事で「武器」として使えるものばかりである。この「武器」の肝は、「声」そのものである。私が最近になって「声力(コエヂカラ)」と呼んでいるものである。

 どんなテクニックを駆使しても、声力が貧弱だとダメだ。信頼感や説得力、表現力のすべては声力に負うところが大なのである。

「声」がない…

 かつて某テレビ番組で「誰々を何々にしよう!」というようなコンセプトのコーナーがあった。私はたまたま「主婦をラジオDJにしよう!」という企画に講師役で参加。ごくごく普通の中年のおばさまを「ミスDJ」(1980年代に文化放送でオンエアーされ、川島なお美、向井亜紀、長野智子といった当時の現役女子大生がしゃべった伝説の番組)に1週間程度で変身させるという、ちょっと無理のある感じのテーマだった。

 「梶原さんは鬼教官で、地獄の特訓というイメージでいきましょう」と、はなから私の役どころは決まっていた。いよいよ生徒となるべきおばさまと会い、言葉を交わしたとたん「うーん」と思わずため息が出た。

 「声がない!」(声力がないことをアナウンサーこう表現する)のである。

 私が想像していたのは、厚かましい塩辛声の口の悪いおばちゃんを、可憐な女子大生のように変身させるケースであった。下品なしゃべり方を上品にする、というのは比較的簡単だ。

 母音やアクセントの矯正、摩擦音、破裂音など、口の中での舌の位置、空気の通し方、唇の開き方を調整すれば下品な音は目に見えて減る。語彙(ごい)の選択や敬語の基本をほんのちょっと習得するだけで、見違えるほどあか抜けたしゃべりになるものだ。1週間もあれば十分と踏んでいた。

 ところが、この方は基本中の基本、「声」そのものに問題がある。

 どうやら、この企画に乗り気だったのはご主人のようで、「おとなしすぎる妻が少しでも明るいしゃべり方を身につけてくれたら」という切なる願いを込めての応募だという。

 なにを尋ねても、上品な笑顔で「はい」と答えているのだが、声量がないのでその「はい」が聞こえない。穏やかなやさしいご主人と上品な奥様。互いに声を荒らげてののしりあうなどといった経験は皆無だろう。

 「今どきこんな夫婦がいるんだ」と感心しながら、さて1週間で達者なDJに変身させるにはどうしたものかと思案にくれた。テレビの場合は、訓練の前後、ビフォアー・アフターを明瞭に出さなければならない。そのポイントは、彼女の声量を圧倒的にアップさせることだ、と決断した。

 「声が小さくて損ばかりしている」「声のでかいやつに圧倒されてしまう」と嘆いているビジネスパーソンはいないだろうか? そんな方には彼女に試みた「声力アップ」のためのメソッドが役に立つはずだ。

腹式呼吸どころか“肩式”または“首式”

 この奥様には圧倒的に「声力」が不足していた。

 私は、顔は悪いし頭も悪い。しかし唯一、声力だけは昔から強かったように思う。大声で怒鳴る親に反抗するために身に付けたのか、小学生の頃から地元茅ヶ崎の海に向かって大声で歌っていたからか。

 スポーツのスの字も知らないのに、スポーツアナウンサーに採用されたのも「声に力があるから、多少のことを教えれば、あとは伸びるだろう」と思われたからかもしれない(期待に添えず、1年でクビになってしまったが)。

 だが、自分に声力があるからと言って、それを他人に教えられるかといえば、それは別物。日本語がしゃべれるからといって、外国人に日本語を教えられるか、といえばNOである。必死で勉強し受けた「日本語教育能力検定試験」を軽く落とされた苦い経験を思い出した。

 彼女をDJにさせる上で必須の声力をつけさせる!私は「勉強フェチ」の癖が出て、「声の出し方」関連の本を読み漁った。いろんな人がいろんなことを言っているが、共通しているのは「いい声には腹式呼吸が基本」ということだ。

 「畳に寝ておなかに本を載せ、息を吸う時に本が上がり、吐く時に下がるようにせよ」「立った姿勢で手のひらをヘソに当て、鼻から息を吸う時におなかが膨らむことを感じろ。口から息を吐くときおなかがへこむことを感じろ」…などやり方は様々。

「あーあ」のため息。これぞ腹式呼吸

 彼女にいろいろやってもらい分かったこと。それは、どうやら彼女の呼吸は腹式どころか胸式でもない。“肩式”または“首式”とも言うべき呼吸法であった。すなわち極めて浅い呼吸で声を出している。そりゃあ、か細いはずだ。

 寝たり、立ったり、座ったり。いろいろなポーズで腹式呼吸法をマスターさせようと躍起になった。こういう「絵になる動き」はテレビスタッフの大好物だ。

 しかし、もともと体を動かすことが苦手な奥様には大変な負担だったのだろう。「ああしろ、こうしろ」と指図する鬼教官の無理難題によくついて来てくれたものだ。イスに座って練習していた時、さすがに疲れが出たのか「あーあ」と深いため息をついた。それがこれまでにない野太い声で驚かされた。

 「今のもう一度やって!」

 鬼教官の私に言われるままお上品な奥様は「もう、やってらんないわ」という感じで周囲に響き渡るように「あーあ」と声を出した。これぞ腹式呼吸の声だ。

 「すごい!これだよ。これ。音声さん、ちょっと巻き戻して聞かせて!」

 こうして、彼女は「自分の声を見つけた」のである。すべての基礎となる「声」を獲得した彼女のその後の進歩は速かった。身辺のエピソードをポエチックにまとめるのは、もともと得意だった。

 あとは、獲得した「基準音」をベースに「あえいうえおあお」の母音から、「かけきくけこかこ」以下ラ行までの五十音を繰り返す活舌練習を、口の中が流血するほどしつこくやらせ、身体にその感覚を叩き込む。

 最終的に3分ほどのおしゃべりを表情豊かにしゃべるだけだ。1週間たって、本物のスタジオで彼女のDJ番組を収録したが、これがあの「声のない主婦」とは思えない。我ながら上々の出来。私と本人はもちろん、番組スタッフも大いに驚き喜んだ。DJシーンの収録を終えスタジオを出てきた妻を、夫は花束と涙で出迎えた。

 私は、夫婦の愛の物語を伝えようとしているわけではない。「声で損ばかりしている」ビジネスパーソンも、このメソッドを使えば、声力を後天的に獲得できる。その方法を習得してほしいと言っているのだ。この主婦のケースをきっかけに、その後まとめた声力アップのスキルを記す。

実践!声力アップのスキル

1:イスに座って、背中を背もたれにつける

2:両手両足を楽に伸ばし、肩から首の力も抜いて、ダラーっとする

3:大きく、溜息をついてほしい。通常、この時に息を吸えば、おなかが風船のように膨らむ。背中が背もたれを押すのが分かるはず。これは腹式呼吸になっている証拠。ため息をつく(息を吐く)時に穏やかな笑顔を作ってほしい。これが声を前に出すポイントだ

4:「ああーー」と溜息を声に変える。体に力は入っていない。顔は自然にほほ笑んでいる。おなかの底から吐き出される空気が声門を通り、声帯を揺らす。

 「自分に、こんな大きな、力強い声が出るんだ!」とあなたは自らの潜在能力に驚かされるはずだ。その時あなたの耳から聴こえてきた、身体から伝わってきた音。それがあなたの声力100%の音であり、あなたの「基準となる声」。

 その後は、そこから1音上げてみる(音楽に例えるなら、「ド」を「レ」にすること)。逆に1音下げてみる。これで、声帯の緊張をコントロールする感じも体得できる。さらに、呼吸量の大小で音のボリュームを調節することも体感できる。

 この「基準音」で母音「あいうえお」を発してみる。その後は、あの主婦が試したように「あえいうえおあお」「かけきくけこかこ」…を繰り返し、五十音をひまさえあれば口にする。これを活舌訓練と呼ぶ。基準声から音程を上げたり下げたりしながら、ピッチ(スピード)を速めたり、遅くしたりしてみる。

 こうして獲得した「自分だけの基準声」をベースに、ボリューム、音程、ピッチを上げ下げすることで、話に遠近感や立体感、表情がつき、相手の「心に届く説得力あるしゃべり」ができるのだから、ビジネスパーソンもこれを実践しない手はない。

 ちなみに、あの主婦。今ではなんと地元FM局で本物のDJとして活躍中だ!


---すごいですね。DJにまでなるなんて。私も練習してみます。

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