【芝居部門】

 

4位が同票で2作品となりました。

 


王冠第4位王冠 
雪組中日劇場/赤坂ACTシアター/梅田芸術劇場公演
「ローマの休日」 4票


映画界不朽の名作に挑戦した本作が根強い支持を得た結果に。

 

シンプルながら主演の早霧せいな&咲妃みゆを活かし、信頼した演出が見事に成功したと思います。

 

2人の代表作がまた1つ増えました。


さりげなく、でも深く、温かい気持ちになれる作品。

 

その中で彩凪翔と月城かなとの役替わりはそれぞれパンチが効き、スパイスとなって作品を彩りました。

助演男役賞でも足りないくらいの力を発揮しており、新たな引き出しを魅せたと思います。

 

登場人物たちの潔さが終演後もじわじわと心に染みてきて、こうやって振り返ると未だに余韻を感じることができます。

 

ひと夏の清々しい思い出として、永く心に残る名作になるでしょう。

 


【参考】
雪組赤坂ACTシアター公演「ローマの休日 」公演レポート​


 

 


王冠第4位王冠
雪組宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演
「るろうに剣心」 4票

原作ファンだけでなく原作を知らない層も理解でき、楽しめたことが評価されたと捉えています。

 

私の周りにも原作を全く知らない方が多かったのですが、一幕だけで作品の世界観、キャラクターにのめり込んでいく様に何度も立ち会いました。

 

「し、しの、四乃森蒼紫を演じているのは何というスターなんですか?」

 

伝えた直後、その方はその場から消え、二幕開演直前に舞台写真を握りしめて(折れますよ!とツッコミましたが)戻ってきました。

 

一例であり、もちろん四乃森蒼紫@月城かなとだけに限らず、キャラクターの完成度が高いであろうことが原作を知らずとも感じられるのは凄いことです。

 

また小池先生の「原作を宝塚的にまとめあげる」演出力はやはり凄いなと。

 

結果、組子にかかった負担は相当なものだったと思います。

 

大劇場初日から東京千秋楽まで格闘の日々だったように感じましたが、それを乗り越える力、乗り越えて得た力が今の雪組の推進力になっていることは間違いありません。

 


【参考】
雪組公演「るろうに剣心」公演レポート【総論・演出編】


 

 


王冠第3位王冠
宙組宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演
「エリザベート ー愛と死の輪舞(ロンド)ー」 6票

 

日本初演から20年、トップのお披露目、退団などがなく、成熟しつつある今の宙組が挑戦した「エリザベート」が3位に。

 

再演の度にハードルが上がる(上がらざるを得ない)状況で、「今まで観た中で一番」「理想のエリザに一番近い」といったコメントが寄せられたのは、実力的にも確かな結果を残した証だと思います。

 

特に朝夏まなとのトート、実咲凜音のエリザベートは歴史的に特筆に値する役作りであり、「再演のマンネリ」は微塵もなく、作品や役に鮮烈なイメージを与えてくれました。

 

宙組ならではのドラマチックなコーラスも忘れられません。

 

役替わりも予定調和にならず、それぞれ非常に魅力的なルドルフへのアプローチでした。

私は蒼羽りくのみブルーレイでの鑑賞になりましたが、3人が役替わりした価値はあったと確信しています。

 

 

次の再演がいつ、どの組になるかは分かりませんが、挑戦し掘り下げればまだまだこの作品の魅力は出てきそうな気がします。

 


【参考】(この公演はスター編を通して公演レポートにしております)
宙組東京公演「エリザベート ー愛と死の輪舞ー 」公演レポート【スター編 朝夏まなと】

 

宙組東京公演「エリザベート ー愛と死の輪舞ー 」公演レポート【スター編 実咲凜音】

 

宙組東京公演「エリザベート ー愛と死の輪舞ー 」公演レポート【スター編 真風涼帆 愛月ひかる】

 

宙組公演「エリザベート」公演レポート【スター編 澄輝さやと 蒼羽りく 桜木みなと】​





王冠第2位王冠
雪組KAAT神奈川芸術劇場
/梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ公演
「ドン・ジュアン」 10票

1位に追いつき、追い越すのではという勢いで票を獲得したのは「ドン・ジュアン」。

 

宝塚という次元を超えて舞台として、ミュージカルとして超一級であり、振り返っても凄まじい経験の記憶がいまだに強烈に残っています。

 

KAATという劇場の雰囲気もあるのでしょうか、別世界に連れて行かれたような気持ちになりました。

 

いや、劇場だけではないでしょう。

カンパニーの集中力に畏怖すら感じました。


望海風斗が演じるドン・ジュアンは、その強烈なキャラクターにも関わらず舞台は独裁的ではありませんでした。

 

とにかくカンパニーの力、その中心に存在する望海風斗のバランスと調和が絶妙だったと思います。

 

組子がドン・ジュアン@望海風斗に向けるエネルギーは単に熱いだけでなく、緻密かつ繊細であり、「密度の濃い情熱」が舞台を、劇場を覆っていました。

 

 

個人的にも実は好きすぎて、でもあの観劇体験を思い出すのが何と言うかちょっと怖くて、未だにDVDは購入していません。

 

観たいのですが、でも恐れ多いのです。

 

この作品に関してはリラックスして観るイメージがないので、私が鑑賞する時は相当な覚悟と勇気を持って臨むつもりです。

(記憶を呼び起こすだけでも幻を呼び覚ますような感覚に陥る、今までにない観劇体験だったことは間違いありません)

 


【参考】
雪組KAAT神奈川芸術劇場公演「ドン・ジュアン」公演レポート





そして2016年の芝居部門、1位は・・・・




王冠第1位王冠
星組宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演
「桜華に舞え!」ーSAMURAI The FINALー 18票


「こんなに心を動かされた公演はない」

 

投票された方の多くがこのようなコメントを残しているのが印象的です。

 

トップスター退団公演の当て書きでここまで完成度が高く、またトップスターだけでなく組子全員に活躍のチャンスが演出(準備)され、それを個々が限界まで挑戦し、弾けた=舞ったことが最多得票の要因と見ています。

 

結果涙を流すかどうかは別にして、理屈抜きに魂を揺さぶられました。

 

自分が客席ではなく作品の中のどこかにいて、共にその時代を生きているような感覚にも陥りました。

 

トップと2番手の関係性の描き方、そして2人の演じ方も技術を超越した世界に入っており、素晴らしかったです。(これも退団公演ではあまり成功し難い演出だと思います)

 

綺麗事だけではない筋書きに胸を締め付けられ、でも最後に言葉では表現できないほど掛け替えのない友情を・・・あのパルファンに見た時、

 

「なんて美しく清らかなのだろう」

 

と最後に極上の「切ないけれど、しっかり噛みしめることのできる幸福」を感じました。

 

(ちなみにリクエストをいただいた「ヅカデミー賞 もっとも欲しかった小道具」はこのパルファンです。小道具、、物体ではなく魂だと思っています)

 

 

しんみりよりも晴れやかに舞った組子達のパワーは、良い意味で退団公演らしくなくて、それも大きな魅力だと思います。

 

「桜華に散れ!」ではなく「桜華に舞え!」であることを、星組全員が心の底から体現していました。

 


【参考】
星組公演「桜華に舞え」ー SAMURAI The FINAL ー 公演レポート



 

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