スケールの大きな話

テーマ:
私にはサーファーの友人がいまして、彼の写真を撮らせてもらいに出掛けたときに、海を眺めながらお互いの近況などを話しながら、ふと海面の色が帯状に違うことに気づきました。友人にあれはなぜなのか尋ねると「潮の流れが違うんだよ」と教えてくれました。そしてこう続けます。
「浜辺に戻ろうとしてまっすぐ泳いでも、浜から沖に流れる引潮に巻き込まれたらなかなか戻れないよ。だから、斜めに泳ぐんだよ。最短距離ではないけどさ。引潮に巻き込まれると体力だけ消耗して全然進まないから、それで溺れるひともいるんだ」
私はマリンスポーツをしないので潮の強さ、怖さを体感したことはありませんが、泳げど泳げど進まないことがいかに恐ろしいのか、どんどん浜辺から遠ざかる光景を想像して、うわぁ怖いなぁと話を聴きながらゾクゾクしていました。
 
海にまつわる神秘的な、ロマンチックな、オカルトじみた話はたくさんありますが、その中でも好きなのは「浜辺に流れ着いた、ビンに封入された手紙」にまつわる話です。遠い異国から流れ着いたボトルを拾い、そこから物語がはじまる・・・なんともロマンに溢れていて素敵ではありませんか。仕事帰りの電車の中で友人の潮の話を思い出し、そこで仮に、東京湾に「メッセージ・イン・ア・ボトル」を投げ入れた場合、どうなるのかを考えていました。
それには・・・東京湾の潮の流れを知らなければなりません。
 
{48B32E6A-EE71-4E33-BDB5-0CCB5EC911D7}
まったく詳しくはないので、本当にあっさりと、あさ~く調べてみました。
海上保安庁海洋情報部の潮流計算のページから大まかにまとめると、湾の入り口に当たる浦賀水道(神奈川:久里浜~千葉:金谷)から流入した海水は主に千葉沖を流れ、ぐるぐると同じ域を回ったり、浦安・川崎沖を流れながら引潮とともに神奈川よりの浦賀・久里浜沖を流れていくようです。
では湾外へと流れ出た海水はどこに行くのか?今度は気象庁のページです。黒潮に乗り、九十九里沖を流れながら親潮とぶつかる銚子沖で外洋へと進み、黒潮続流としてハワイを通り越し、アメリカ大陸へ。北上する流れはアラスカまで行くようです。南下する流れは赤道までいき、北赤道海流として東南アジアの方へ、そして再び黒潮として日本に戻るようでした。
 
{7F863B06-54E0-4CE7-82A2-22F97A18FB7A}
 
つまり、木更津の堤防で手紙を書いたボトルを海に投げ入れる(やっちゃだめですが)と、遥かなる太平洋を越えて北アメリカ大陸のアラスカやカナダ、カリフォルニアあたりの浜に流れ着いたり、極寒のシベリアや常夏のハワイ、極彩色の東南アジア諸国にもしかしたら辿り着いたり、場合によっては再び日本に戻ってくる、ということ、かもしれません!なんということでしょう!広すぎます、大きすぎます。
 
海洋循環のスケールは大きすぎて、調べていくと理解をどんどんと越えていってしまい、うわぁ~と圧倒されます。インターネットと交通手段の発達によって世界は狭くなった、と言われますが、実際に肌身で感じる世界は変わらず、途方もなく広いままです。
 
{C4C20373-7D55-4C84-9FBF-5CB2572AF786}
 
{CC4F0DD7-5E7D-40DF-B0BC-0006462E7B51}

 
AD