実鳥森の少年46:川で出会った虹色の魚 | レンと愛のミラクルワールド物語

実鳥森の少年46:川で出会った虹色の魚

実鳥森の少年46:川で出会った虹色の魚


川に到着したジンとマイとペリドは

のんびりと過ごします。


そういえば、前にもこんなのどかな日があったなと

ジンは、懐かしく思い出していました。


マイも同じ思いのようです。

幸せそうにほほえみながら

「なんだか懐かしいよね」


「うん、あれから、どれくらいたったんだろう」

遠くを見ながらつぶやくジンです。


(おい、魚が泳いでいるぞ)

ペリドが、マイペースで話しかけます。


「ほんとね。きれいな色の魚さん。虹色に見えるわ」


「え~~虹色?そんな魚がいたかな」


(もしかして、こいつも迷子かな?)


「もしかして、森の精人界の魚なの?」

マイが聞きます。


(こちらで見かけない魚なら、そうだよ。

俺は、森の精人界でよく見るから

見慣れているから)


「そうか。迷子か~~。帰りたいかな?」

ジンがつぶやきます。


(なじんでるみたいに見えるけどね)

「目立ってたらつかまったりしないかしら」


(う~~ん。聞いてみるかい?)


「ペリドって魚とも話せるの?」


「すごいな~」


(いや、すごくないさ。普通だよ)

照れたように言いながら

虹色の魚の方へ飛びながら声をかけています。


(こんにちは、君は、森の精人界の魚じゃないのかい?)


(そうだよ。なぜだい?)

魚が川面に口をつき出して

ペリドに答えます。


(なぜ、人間界の川で泳いでいるのかな?)


(ここは、人間界なのか?なんかおかしいとは思っていたんだ)


(気づいてなかったのか・・)


(まぁね。ここも快適ではあるよ。うん。運命は受け入れるさ)


「運命って?」

黙って聞いていたジンが聞きます。


(なんだ、私の声が聞こえる森の精人もいるじゃないか。

ここは、やっぱり森の精人界だろ?騙すなよ)


「あ、僕は人間なんだ」


(嘘だろ。人間の匂いがしないよ)


その声を聞きながら、

「あの、私も聞こえますよ。魚さん」

マイが静かに言います。


(なんと、こちらは人間の匂いがする。

人間は森の精人界に入れるわけがないから

やはり、ここは人間界か・・)

ぼやくようにつぶやく虹色の魚です。


(だから、そう言ってるだろ。戻りたいなら

連れていくよ。すぐじゃないけどな)

ペリドが言います。


(いや、ここでのんびり暮らすよ。

平和な場所だしね。では、失礼)

虹色の魚は、つぶやくとすーっと川の上流に消えていきました。


「魚さんがしゃべっていたわね・・・」

驚き顔のマイです。


ジンは、森の精人界から帰ったばかりだからか

不思議なことに慣れすぎてしまって

驚く力も出てきていない様子です。


ただ、あぜんとしながら魚の行き先を眺めていました。


そして人間の匂いがしないと言われたことに

少なからずショックを受けていました。

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