2011-01-10

エゴイスト

テーマ:オモイデの輪郭

何が欲しいのかもわからずに

君を欲しがっていた。


ただ

そばにいて欲しい、と。


悲しい顔をさせているのは

間違いなく僕なのに

ずっと笑顔で話しかけていた。


少しずつ

後ずさる君を

追い詰めるみたいに。


叩かれるのと同じように腫れて

跡になる言葉。


そんな皮肉な言葉でも

良かった。


音楽を流してと言う

君を無視して

静かな部屋に


ただむき出しの

かすれた声が

重なっている。





気がつくと

誰かを喜ばせることに

夢中になってしまいます。


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2010-10-03

道徳

テーマ:オモイデの輪郭

いつのまにか

覚えこまされる。

きれいだね、と

誰かが指し示す。


この人の使う

柔らかな声も

笑顔も

受け入れられないのは


それが

少しも

わたしの心を動かさないからだ。


わたしの集める

美しいものを

この人はみんな捨てた。


醜いとか

臭うとかいう

そんな理由で


眉をひそめ震える手で

破壊までしたのだ。


叫び

乱れ

つばを飛ばす人に


ゆがんでいるのは

あなた、ではないかと

判決のように

言い渡すとき


わたしの中の

全てが腑に落ちて

わたしは

初めて抱きしめる。


この人の

柔らかすぎる体と

かたくなすぎる

心を。


背丈の割には

長すぎる腕で。





聞こえていますか。

来てください。

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2010-06-15

ずっと苦しかったよ。

テーマ:オモイデの輪郭

カフェの外のテラスは 

まだ

雨上がりの匂い。


大きな包みをほどいて

わたしの足元に

ひざまずく

あなたを制して


わたしは

自分で

パンプスを脱ぐ。


おしゃれな

アウトドア用の長靴は

わたしのお気に入りの

レインコートと同じ

やわらかな薄緑色だ。


ひざまでの

その靴に

そっと脚を入れると


甲がひんやりとして

気持ちいい。


ありがとう。


色違いの靴をはいた

あなたと店を出て

手をつないで歩く。


舗装した道路にできる

水溜りにわざと入ると

ばしゃん、と

大きな音がした。


はずかしい。


わたしたち

きっと見られてる。


それでも

子供みたいに

きゃあきゃあ言って

はしゃいだ。


人の少ない路地に入って

ライトセーバーみたいに

たたんだ傘を

振り回しあう。


水溜りの中の

さかさまの世界。


一緒に映っている

上機嫌なふたり。


ほんとうは

大人であることを

きちんと確認してから

キスをした。


水溜りの

さかさまの二人に

ちっぽけな

しずくが落ちて


なにかを守るような

いくつもの波紋が

ぐるぐると

重なっていく。






梅雨入り、ですね。

雨の日は嫌いじゃありません。


わざと傘をささずに濡れたり

わざと雨上がりの水溜りに入ったり

本当にします。


今、近所では

タチアオイが綺麗で

近くにたくさん咲いているところがあるので


雨の日は

そこで

色とりどりの大きな花にかこまれて

耳をすませたりします。


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2008-10-31

土・はだしの足 

テーマ:オモイデの輪郭


  観覧車 お台場 コスモス

夏が終わり空の色が変わると

その季節がくる。


ともだちと

ままごとの

決まりきったせりふに飽きた頃


 いこうか。


目を細め目配せをして

わたしたちは

遠いその丘をめざした。


いつから

そこに通うようになったのか

しらない。


なぜか道順だけは

その辺の

すべての女の子が知っていて


乱暴な男の子たちには

絶対に内緒の場所になっていた。


車の多い幹線道路を横切り

見慣れない住宅街をぬけると

草の茂る

大きな土地が開けている。


「開発」と書かれた

白い看板の横に

ヒステリックな「反対」の文字の

旗がいくつも並び


金網のフェンスで

ぐるりと囲まれている。


儀式のように靴をぬいで

フェンスの隙間から

こども薄っぺらい体を通すと

草と花の強いにおいがした。


 きれいだね。


一面のコスモスだった。


背より高くのびた花が

日を透かし

風が吹くたびに

同じ方向へゆれた。


みんな

絡み合った茎をほどき

夢中になって摘み続けた。


わたし以外は。


わたしはただ見ていた。


彼女たちの手の中で

薄桃のコスモスが

しおれていくのを。


彼女たちが

ほしがった美しさが

その手の中で

その手によって失われていくのを。


 誰のものにも、ならない。


手ぶらで帰るわたしを

不思議そうに観ながら友達は


花束を持たないほうの

細い腕を

わたしに絡ませて微笑んだ。


やさしい微笑だった。


風に揺れるコスモスのような。







コスモスを摘んできました。



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2008-04-04

春、公園で。

テーマ:オモイデの輪郭

   柳


あの日、

君を誘った。


公園で

くたくたで

のどが渇いていて


君の匂いをかいで。


しずかな欲情。


ああ、そうかも。


もっと

聞きたかったんだ。


君の声。

まるいりずむ。


その器官。


細い首。

白いのど。


軽い気持ちだった。


ほら

このうなじも

産毛も


唾液で

ぬれて

ひかる。


そう

それだよ。


自分できいてごらん。


その声が

聞きたかったんだ。


あの日

花の香りにむせる

春。


公園で。




春です。



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2007-01-19

冷たい気持ち

テーマ:オモイデの輪郭

急に

と、君は思うんだろうね。


かなしい

あきらめの気持ちも

雪のように

静かに積もる。


音もなく

気づかないうちに

君のではなく

僕の指先が冷たい。


けして

近くはないのに


どうして僕が

君の気持ちを

思わなければいけないんだ。


叩かれたように

そむけられる

君の顔。


それが

君流の強がりだとしても


今僕にむけられた

こちら側の顔が

微笑みに見えたら


向こう側の顔を

流れる涙を

知る必要なんかない。


これが

望みなんだろう。


長い間

君がとってきた距離。


僕が受け入れてきた

あの苦しみを

かけひき、と呼んで


君が少しでも

楽しんでいたとは

思いたくない。


もう君に

あげるものはないよ。


言葉も

笑顔も

暖かい気持ちも。





さよなら。

好きだったひと。


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2007-01-12

再会

テーマ:オモイデの輪郭

唇に指をあて

し、と言う。

暗い部屋に慣れた目で

あいまいな輪郭を

だきあって

私たちは、耳をすます。

秒針。

鼓動。そして

厚いカーテンのむこうに

置きざりにしたものの

気配がする。

私のおびえを

なだめて

鎖骨に触れる指先。

細い髪の

毛先ほどの優しさで

滑り降りていく

意外にも繊細なあなたの先端。

大人になったね、と

あなたは

さっきから何度も。

朝なのか夜なのか

会わないうちに

こんなふうに

たくさんの時が流れても

あなたの前では

こども、だよ。

せんせい。

あなたも

変わらない。

夕日さす教室で

つよく

私をぶった

あのときと同じ

泣きそうな目で

静かに。

私から

けして

目をそらさずに。

その人の前では

ずっと、こどもです。

子どもでいたいのです。


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2006-12-15

聖夜

テーマ:オモイデの輪郭

知らないひとの手は

あたたかい。

その

知らないひとの手は

服のなかで

ただ

大丈夫、と言いたげに

そっと

わたしを。

あたたかい。

なにも考えなくていい。

こどものころ熱を出して

往診の先生に

診てもらったときみたいに

熱いからだ。

荒い息。

すうっと

訪れる安堵。

こわくない。

このひとは

あなたじゃないから

嫌われることを

もう

嫌われてしまった後でまで

こんなふうに

心配する必要なんかない。

メリークリスマス。

思い出の

クリスマスソング。

思い出すのが苦しすぎるから

真っ黒なペンで

ぬりつぶすみたいに

知らないひとの。

メリークリスマス。

瞳の中の

笑っていないわたし。

そらされる瞳の

いいわけみたいな

あたたかい唇。

知らないひとの

やさしい。

もうすぐクリスマス。

去年もこれに似た

詩をかいたなあ、と思いつつ書きました。

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2005-09-10

バースディ・カード

テーマ:オモイデの輪郭

     ケーキ

別れた人から届くバースディ・カードは

毎年淡いブルーの封筒で

私が大好きだったその人の

渇いたシャツの色に似ている。


元気?

ひとり?

ごめん。めいわくかな?


ところどころにちりばめられた

疑問符だらけの懐かしい文字。


指先で何度もなぞりながら

声に出して答えをつぶやく。

久しぶりの長い返事を書くかわりに。


あの頃。


愛しあうときでさえ

くったくなく

ふざけあっていた2人。


たぶん幸せすぎて。


笑いあって

抱きしめあって

寄り添えば寄り添うほど

淋しさをもてあました苦しい日々。


あなたは少しも変わってないね。


カードなんか寄こさなくても

あなたのこと

ずっと忘れたりしないのに。


あの青いシャツに香っていた

コロンの優しい匂いが

丁寧に書かれた文字から

悲しい幻となって立ちのぼる。


何かを祈る時のように

胸の前で

私がカードを

そっと閉じるまで。




来週の火曜日は私のバースディです。

何が楽しみって

やっぱりケーキかなぁ。

ロウソクを吹き消す時のお願いを

考えておかなくちゃ。

それから外で線香花火をやりたいな。

秋の虫の声を聞きながら

終わってしまった夏と恋を思って。




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2005-07-21

バニラアイス

テーマ:オモイデの輪郭

ひまわり


蝉の声をききながら

クーラーのない

あなたの部屋で


私の大好きなバニラアイス。


光る銀色のスプーンで

山盛りにすくったら


あなたに

見せびらかしてから

すばやく

唇に滑り込ませる。


誘惑に負けて

舌で押しつぶさないように

のどの奥に落とせば


その冷たく大きなかたまりが

喉元からおなかの中へ

ゆっくりと

私の内側をなぞっていく。


とけながら

こすられる

その冷たい感触。


今日は見ているだけ?


真夏の

蒸し暑い部屋のなかで

真冬の

冷え切ったあの日のことを思う。


たった半年前なのに。ね。


寒さにかじかんだ

あなたの手が

喉元から中心へ

ゆっくりと

私の外側をなぞっていった、日。


窓の外は粉雪で。


あれは

私の大好きなバニラアイス。

白い結晶が舞うのを

あなたの肩越しに眺めながら


あなたの感触を。


冷たい指の。


甘くとけながら。





アイスクリームはお好きですか?

私はシュークリームやケーキの方が好きなので

たまにアイスクリームを食べると

あの体の内側をこすられる感覚にいつも驚かされます。

それに口の周りがベタベタするのがちょっと苦手。


アイスクリームを食べていたら

ココロは冬に…なんて、アイスのCMみたい…。

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