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2012-03-18

屹立

テーマ:大切なモノ

燃え上がる華


滴り落ちる体液


ああ なんて

姿勢の良い腐敗。


横になっていても

脊椎は伸びねじれない。


立ちのぼる死臭と

しだれ落ちる内臓がかもす

狂気は常に屹立する。


美しさより

ただしさの方向を指す。





松井冬子展に行きました。

期待を裏切らないすばらしさでした。


日本画はみなれていないけれど

下図など創作過程もみられて面白かったです。


彼女の絵から感じたものを

書きました。




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2011-01-18

バスの揺れ方

テーマ:大切なモノ

だってそんなに急に

勉強が好きになるわけがない。

図書館通いの理由は

18時45分のバスに乗るためだ。


程よくお客を乗せたいつものバスが

冬の暗いバス停に滑り込んでくる。


ばたばた鳴る扉。

暖められた空気。


定期をみせて

どきどきしながら車内を見ると

あ、やっぱりいつもの後ろから2番目の席に

あの人がいる。


あの人は本から顔をあげない。

こんなコドモなんてきっと眼中にない。

もう1ヶ月も隣に座るわたしを

ちらっと横目で見ることすらしない。


ダカラ カレガ スキダ。


月が出ている。

わたしたちを照らす。


月を見るふりをして

彼の横顔を盗み見る。

遠い世界にいる人の深い呼吸で

彼はページをゆっくりとめくっている。


大人の人の匂い。

スーツの袖口からのぞく手首。


密着した

体の片側が暖かくて

ついまぶたが重くなっていく。


3個目のバス停前のカーブ。

5個目のバス停からの坂道。


バスの揺れ方と違う揺れが

いつも降りる8個目のバス停で

わたしを起こす。


大きな手のひらは

肩に置かれ

覗き込むようなまなざしに驚いて


席を立ちころがるように降りるわたしは

みっともないくらい滑稽なのだろう。


ワラワレテ モ イイノ。


バスの車窓に

はじめてみる彼の笑顔が

まだ夢の中みたいな

スピードで遠ざかっていく。





いつもブログの記事を書くときは

同じような作品がないか

少し調べます。


詩って言葉が少ないから

誰かの何かとかぶってしまっても

不思議ではないので。


今回バスの場面を書こうと思ったら

スピッツの歌がHITしました。


全然内容は違うけれど

出だしの「バスの揺れ方」を

タイトルにしてみました。


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2010-11-21

導眠

テーマ:大切なモノ

ふとんにそっと

もぐりこんで


あたたかい

あなたのからだに


ひえきった

わたしのからだを


おし

つけると


あなたはいつも

あかるいひめいをあげて


わたしの

てとあしのゆびさきを


あなたの

てとあしのゆびさきで


つつみこみ

さすり


あっというまに

あたためる。



おもいっきりの

えがおに


ないてもいいよ、

といい


おもわずゆがんだ

なきがおに


めをほそめ

ほほえみかけてくる。



ゆるゆると

ほどかれるように


ここちよくたくさん

うそをついて


ぐどんなわたしの

へいぼんなにちじょうは


すこしは

ましなものとして


ようやく

きおくされる。



ゆるされて

ふかいところで。








嘘つきだという嘘をつく。

それ以外の

気の利いた嘘がみつからない

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2010-05-21

守りたいもの

テーマ:大切なモノ

初めて会った日は

遠い初夏。


あなたの好きな色は?

と、

まだ慣れない横顔に聞くと


暖かい色が好きだな

と、

彼は答えた。


赤でも

紺でもなく

グリーンでも

ブラウンでもなく


「暖かい」


その

あいまいな答えのせいで

あのとき

わたしは彼に惹かれたのだ。


こんなに近く

それ以上なにも。


ふたりの中の

それぞれの

暖かな景色を守る意思。


木漏れ日

静かな時間。


ああ

彼は本当に美しい男だった。


「美しい」


その

あいまいな言葉を

あえて使い


あなたの思う彼と

わたしの中の彼を守る。


拘束のない

自由な広がりの中で。







少し、わかりにくいかもしれません。


前から思っていることですが


あえて広義な(あいまいな)言葉をつかい

話し手と受けての中に生まれる

それぞれのイメージを楽しむ


というのは、アリなのではないか、と。


前回、2s3knyさんにコメントで

好きな言葉は?と聞かれ


「美しい」という言葉の

話し手(書き手)と聞き手(読み手)の間の

イメージの大きな開きが

逆に面白くて好き、と答えようとして

これを書きました。

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2010-01-22

手ぶらで

テーマ:大切なモノ

どうして

そんなに何もかも

詰め込むのだろう。


旅先の

はじめての眺め

やさしい香りのなか


荷物さえなければ


大きく腕をふって

簡単に気持ちよく

風を切れるのに。


たとえば

心も


大切な人への想いも


時々は

遠く

置き去りにして


ずっと前に

なくしてしまった

もののように

懐かしんでみたい。


新鮮な空気

生まれ直すことの快感。


持つことだけでは

満たされない

捨てられることの自由を


たしかめて

全身で

味わう。


たぶん

しぜんに大きく

微笑みながら。









小説講座で角田光代さんとお会いしました。

他の受講生の方や

文芸評論家の池上冬樹さんと

一緒にお酒を飲みました。


角田さんは

とてもチャーミングで

お酒が好きで楽しいけれど

プロということを

とても感じさせるかたでした。


もっと書きたい。



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2009-09-11

灰青

テーマ:大切なモノ

ベランダで

洗濯物を干すわたしを

あなたが突然

うしろから抱きしめる。


そんなとき

いつも空は曇っている。


雲の向こうの太陽の輪郭。

日に焼けた

エプロンのポケットのなかで

カラフルな

洗濯ばさみが こすれ


プラスティックの発火装置が

わたしに

ぼんやりとした火をつける。


ゆれる太陽の輪郭のような。


あなたは必死だ。


強情なわたしから

真実を搾り出そうとして

強すぎる抱擁に

さらに力をこめていく。


苦しい。


たぶん

つかまれた証拠はあれだ。


あとはもう

どうしようもなく


押さえつけられ

動けないわたしの中で

白い生地に

深い皺がよる。




すずしくなってきました。


夏が終わってしまうのが哀しいです。



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2009-03-27

桜陰

テーマ:大切なモノ

もう いいかい


しゃがんで

目を覆うあなたの

後ろに回り


いつも

こっそり見ていた

男の人の

かたちの良い耳に


まだ だめ


と、息を吹き込んで

そっと

唇を触れてみる。


つめたい。


ひざを突き

背中に抱きついて

少し開いた唇を

首筋にそわす。


風が落とした花びらが

そこにも

ここにも

張り付いている。


息遣い。


あなたは

知りたい。


あなたは

動かない。


受身でしかなかった

わたしの

静かな欲望のありかを


ただ

おとならしい態度で

見守っている。



桜の

その香り

の、せいで


巫女のような

清らかさで

わたしの手は動き


いつのまにか

あなたをみたす。


見えない

あなたの


桜の下では


あなたの

幸せな顔しか

見えない。





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2008-11-21

白い花

テーマ:大切なモノ

疲れすぎて

眠れない夜の

空腹。


目覚め

はだしで

床に下りると


ひんやりとした月の光が

窓から差し込んで

僕の中の

白い花を照らす。


きょう

君を

拒んだ。


なきそうにゆがんだ

その顔をみて

少し満足した自分を

思い出した。


やさしく

つながれるはずだった細い指を

そっと

ポケットにしまう君。


自分の中の花を

汚さないことだけを

考えて


君の中の花を

無神経に

ずっと

踏みつけてた。


誰も触れない

僕の花びらに

温度は

いらなくて


作り物と同じ

見せ掛けの白さだけが

風に揺れている。


優しさを

ほしがっていることを

けして認めない


強がる姿が

自分の美しさだと

独りよがりの顔で

信じたままで。








TRIPLANE「白い花」を聞いて

感動したので、これを書きました。


元の歌とはぜんぜん違うのですが

イメージを勝手にふくらませて。


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2008-09-19

ひとり

テーマ:大切なモノ

   
 ソナタ


風が

秋の庭の空気をはこぶ。


気づかずまま

残された

夏の疲れを

突然の雨音の高低に数えて。


ひえた肌をひやす澄んだ雫。


いそいで取り込んだ

カゾクの洗濯物は


がらんとした

部屋の中で


もうすでに

懐かしい季節の

ひなたの匂いを放っている。


ここに ある

ワタシ。


ハハとか

ツマとかのカテゴリに

おさまって


友達がいうように

それを武器にして

外へ出て行かなかった

オンナ。


ここからは

水平線も

地平線も見えない。


何かに導かれ

急に


磨かれた床にたつ

はだしの脚で扉を開き

庭の濡れた

土を踏む。


ワタシには

空しかない。


ずっと忘れていた

泣き方をまねる。


声をあげる笑い方も。


雨に打たれて。




大好きな黒沢清監督の「トウキョウソナタ」観ました。


背景として切り取られた街が好きでした。



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2008-08-01

歩いても歩いても

テーマ:大切なモノ

上着を脱いだだけで


つかれた脚を

なげだして

天井をただ

見上げているあなたの



が、たたみに映る。


その薄い暗さ。


抜け出した心が

かたちを変えて

かろうじて

あなたの体に繋がっている。


きけない。


玄関で迎えた時の

いつもより

明るすぎる笑顔が

わたしを静かに黙らせる。


まだ早い夜の

通りを過ぎる人の声。


風鈴をならして

内側も外側もなく

風が通り過ぎていく。


わたしは

台所にたって

ねぎを刻む。


ゆっくりと

味噌を溶いて

やさしい匂いで

あなたを包む。


ふれるかわりに

目をひらいたままの

あなたの呼吸をたしかめ


必死さを隠して


生きるための

手段で

あなたを

ここへ呼び戻す。




映画「歩いても歩いても」観ました。


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