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2012-02-19

テーマ:あなたが教えてくれたこと

画家の頭が

骨を

舐めさせるのだ。


唇から差し込んだ

舌先が

まず触れるのは

硬い歯で


ながいこと

人のかたちを

骨格で

捕らえてきた画家は


詩人の唇の中に

味のない

骨のかけらをさぐり

ほっと息をつく。


 甘いことばに

 取り乱すべきじゃなかった。


 お前に

 特別なところなどない。


 ただわたしはいつものように

 対象を確かめたいだけだ。


詩人は黙っている。

黙って画家に舐めさせる。


ながいこと

人の表情を

筋肉で

捕らえてきた画家は


詩人の唇から

ほほの上に

まぶたの上にまで

舌をはわせ笑顔をなぞる。


 いつもしてきたようにする。

 視覚と同じように触覚でつかむ。


詩人は微笑み

こっそりと読み続けた。


 忘れないで。


 触れることは

 同時に

 触れられること。


舌はどちらにも甘く暖かかった。





諏訪敦さんの絵が好きで

画集「どうせなにもみえない」を思いながら

勝手にこれを書きました。


私の好きな角田光代さんの

「かなたの子」の装丁に

諏訪さんの絵が使われたのを知り

また嬉しくなったり。


今月、角田光代さんに

小説の講座で私のとても短い小説を

読んでもらえそうです。


楽しみですが、緊張します


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2011-03-03

土。かかと。

テーマ:あなたが教えてくれたこと

高く飛ぶために

体を沈めて

息をすう。


届きたい何かが

見上げるその場所にあって。


助走をつけることを

知らないほど

幼いかかとが


くやしまぎれみたいに

何度も

地面を叩く。


 ー ひとりだったから。


見守ってくれる

誰かの視線を思った。


無意味な挑戦を

意味あるものにするほほえみ

存在しない報酬のかわりに

得られる何か


息があがり

汗ばみ

滑稽だろうその姿は

それでも少しも


 ー かわいそうじゃない、から。


闘っている。


そんな

がらんとした場所には

時々

誰もみたことがない光がさす。




先月、小説講座で

誉田哲也さんにお会いしました。


わたしは「ジウ」が好きなんですが

小説は結構ハードだし

どんな方かな、と思っていたら

若くて優しい感じの方でした。意外…。


格闘技が好きだとおっしゃっていたので

なんとなくわたしなりの闘いっぽいイメージで

書いてみました。


最近は小説も書きあぐねていて

(きっと書きたいことが欲張りすぎ)

ブログの更新がなかなかできず、すみません。


それでも

ブログに来てくださる方々、本当にありがとうございます。



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2010-11-02

高2

テーマ:あなたが教えてくれたこと

授業中の廊下は

長くて冷たい。


まだ

それほど

季節は寒くないのに


静かさが

むき出しの膝裏にしみる。


教室を

追い出されるほどの反抗は


従順というカテゴリーで

皆と一緒に

くくられたくないからだ。


それでも


あなたのいない

どこに 行く気にもなれない。


教室の壁に耳をあてすませば

机の間を回り

後ろの引き戸に寄りかかって


あなたが独特のリズムで

リーダーを読む声が聞こえてくる。


腰をおろし

廊下側から

その戸に寄りかかった。


膝をかかえ

見上げる空の

つきぬける青さに


全ては

阻害ではなくて

開放なのだと悟る。


扉一枚をへだて届く

静かな抑揚の

あなたの教え。


わたしを区別する

大切な人生の一瞬は

あそこではなくて

ここに ある。





なぜか昔から

誤解されることが多く

「第一印象はめちゃくちゃ悪い」と

友人に仲良くなった後でよく言われました。


誤解されることは、慣れれば快感です。

簡単に理解されることよりも

屈辱的じゃないです。


強がりでは、ない、はずです。たぶん。


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2010-10-09

誘惑の

テーマ:あなたが教えてくれたこと

 ― ほら。見てごらん。



その人の誘惑は

見せることから始まった。



わたしの開かれた瞳を

覗き込み

満足そうに微笑んで。



最初から

お見通しなんだ。



幼いわたしが

どうしようもなく

それを欲しがるに決まっている、と。



瞬きを忘れれば

知らず知らず

口角が緩んで



透明な唾液はそれを

汚してしまいそうになる。



あわてて拭う唇。

自分の味。



 ― さあ。どれがいい?



その人の歯は白く

爪は黒く汚れている。



どれと言われても

どれも

勝手に人のものを


盗ってはいけないのだ、と

それくらいのことは

わたしでもわかる。



醜さと

美しさ



言葉ではなくて本能的に

わたしは感じていた。



揺れながら

抵抗しながら



わたしにとって大切な決断のときが

今、この時なのだということを。






風の音が聞きたいです。


何かを揺らす音じゃなくて

風の

それ自体の鳴る音が聞きたいです。

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2010-09-26

秋風に冷やされて

テーマ:あなたが教えてくれたこと

汚れてはいない手を

何度も

洗わせられたのに


触れたい世界は

自分より

ずっと汚かったりする。


うまくやる

うまくなる

その必要性を


いつも

言葉でなく

態度で

示してほしいのに。


クールダウンなんて

くだらない。


せっかく

上がった体温を下げて

震える体を抱きしめるなんて

遠回りなこと。


怖がっていないで

怖がらせて。


秋の雨の

雨粒ほどの質量もない

愛撫が降り注ぐ。


洗うように。

なだめるように。




珍しく体調が少しだけ悪いです。

近々検査をいろいろする予定。


なんといっても

健康診断ひとつまともにやっていないんだから

いけないな、と思います。


きっと

問題ないと思うけど

そういいながら何年もたっているので

今回は久しぶりに病院に行ってみようかな。


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2010-06-19

うなじの手触り

テーマ:あなたが教えてくれたこと

正直に言うと


短く刈り上げられた

オトコのうなじに

触れるのが怖かった。


ひげの濃いオトコの

剃り跡の

初めて

肌に触れたとき


噛まれるのとも

打たれるのとも

違う痛みに

声をあげたのを思い出したのだ。


オトコは

わたしの戸惑いを

楽しそうに見ている。


シーツの上から

大事なもののように

わたしの背中を掬い


器用に

片手ずつで

わたしの腕をその首に

からませた。


太い首の

毛の短い うなじに

手のひらを

重ねるようにして触れると


思いがけず

おとなしい動物のような

優しい感触だった。


気に入った。

何度も撫でた。


記憶を震わすような

懐かしさがこみ上げ


やがて

オトコが

動きだすまで


母性に似た気持ちで

その愛撫を

わたしは

飽きずに くりかえした。





最近もまた

小説を書いています。

書き続けています。


これは

そんな中の一場面。


ブログは時々

小説のネタ帳に使っています。


来月(7/19~/25)には西荻窪で

小さな写真のグループ展に参加します。

作品は1点です。


また詳しく告知しますので

ブログ読者の方もお会いできたら嬉しいです。


会場にいるときもあると思うので

メッセージなどなどいただければ、と思います。


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2010-04-24

唇の痛み

テーマ:あなたが教えてくれたこと


ひより軒・恋愛茶漬け-森ガール

晴れの日を選ぶ。

風のある。


ありきたりな

再会の言葉はない。


いつだって変わらない

微笑みの

その目を

のぞくだけで通じている。


車の激しく過ぎる

大通りを

わざとふざけて

横切るのは


ただ

あなたが いきなり強く

わたしの手を

握りたいからだ。


その腕に

しがみついて

離さない。


人目につかない

物陰に着くまで

他愛もない冗談で

笑いあう。


たいていは

ビルの裏口で

時々は

公園の木立の奥で


まず

唇ではなく

舌先で触れ合うのが

ルールだった。


受容の意思が確認され

あとは


ことばじゃない声と

悲しくはないため息だけが

許される。


こんな場所で

立ったまま


非常識で

信じられないほど

幸せで


あなたが

やりすぎた

と、謝るまでは


何度

波が押し寄せてきても


わたしは

唇を噛んで

けして泣かない。






先日、ジムのトレーナーに

「このトレーニングをすれば

ビキニを着て海でナンパされますよ」と

言われました。


ナンパはいらないけど

ビキニって

ちょっと魅力的。

わたしの年で日本で

ビキニの人はあまりいないしなぁ。


変わったことが好きなので

無理そうだけど

今年の夏のかなり高めな目標として

がんばろうかな、と思います。

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2009-12-04

義眼

テーマ:あなたが教えてくれたこと

 カーテンを揺らしているのは気配だ。朝の鳥の風の。日をすかして、単純化されたレースの花と星のパターンが向かい合う二人の肌の上に影を作る。

 彼は右眼をゆっくりと取り出して私のひらいた手のひらにそっと乗せた。

ちょうど生命線と運命線の交わるあたり。くぼんで安定したその場所に置かれた小さな球体は、それ自体が熱を発しているかのように暖かかった。

「あたたかいね。」

 彼は笑う。

「雌鳥が卵を抱くみたいに大切に温めているからだよ。僕が僕のなかで。」

くすくす笑いが交わされ、私も、とこっそり思う。私もこのすべすべした球体を温めてみたい。私の体の奥の、卵のために用意された大切な場所で。

 こんな風に無造作にふれても傷はつかないのだろうか。じっとりと汗ばむ手のひらは、私の体の中で表なのか裏なのか、清潔なのか不浄なのか、一番あいまいな場所だった。

 彼の義眼に顔を近づけてじっと見る。作り物の黒目が私を静かに見返してくる。不思議だった。突然、寒気に似た快感が背骨をはいあがってきた。

「舐めても、いい?」

 彼の笑い声が響く。

「いいけど、食うなよ。」

 さっきまで欲望を集めていた舌先をとがらせ、その眼に触れる。期待通りに、ほんの少し塩辛い味がして、私はいつものように好奇心を身勝手に満たした。






たまには少しパターンを変えてみたくて、散文っぽく。


今月20日ごろ、突然スキーに行く予定をたてたのですが

もう滑れるのでしょうか。

12月にスキーに行ったことがないので不安です。



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2009-11-28

始発電車

テーマ:あなたが教えてくれたこと

始発電車をおりて

初冬の暗い

プラットホームに立つ。


ほてる体を

いましめる寒さが

ヒールを伝いのぼってくるから


わたしは

くるぶしまでのコートの上から

強く自分自身をかき抱く。


アサガエリ。


不眠と興奮は

お酒とあの男のせいだ。


ミットモナイ。

モウ タノシクナイ ノニ。


ふらつくカラダの

バランスを夢中でとる。


改札口の外に

いるはずのないあなたの

明るい笑顔を見つけるまでは。


蛍光灯の白いひかり。


いつものように優しい

「オカエリ」の声。


驚くわたしを

いいわけもゴメンナサイもなしで

ゆるすあなたの

美しい心の近くに


いい女ぶった

じゃまな靴を脱ぎ捨て

裸足で

いますぐ駆け寄りたい。






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2009-10-09

キッチン

テーマ:あなたが教えてくれたこと

早く目覚める朝がある。


一人分の食器を

あわ立てたスポンジで

かちゃかちゃ音をたて

洗う とき


くるしみと

よろこびの

日々の


感情と

行為だけの

やりとりの記憶が


不意に

生々しく

わたしの後ろに

寄り添っていることがある。


冷たい足先。


愚痴くらい

泣き言くらい

そういって

いつまでも話し続けるわたしを


自分の息で

暖めた手で

背中から

包んでくれたあなたの鼓動。


あれほどの

やさしささえ恨んで

あなたの不在を嘆くわたしに


静寂が

ようやく

ふさわしく訪れる。


音を刻まない

デジタル時計。


乾いたキッチンマット。


落ちた小さなしずくが

作ったしみは

誰にも見えない。







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