はちみつ | ひより軒・恋愛茶漬け

はちみつ

透明なビンに閉じ込められた

かたちのない想い。

いつも

かたく口を閉ざして。


匂いさえ

もらさない。


光をあびて


昼間の夢にも

誰かを思ったりしないのは

当たり前になるくらい

ずっとひとりだったから。


汚れた他人の指で

かき混ぜられるなんて

ごめん。


そんな

やわらかな

内側は

ほしくない。


ほしいのは
遠くの思考。

文字になった感情。


ただ距離をとる

弱い生き物の

防衛本能を借りて


ゆるぎないかたさの

自分という幻を

まもる。


だれかが

たすけてくれるわけじゃない。


いつか


力任せに

ふたは

ねじ切られ


もしくは

かたい床に

たたきつけられ

外気に触れて


ながれさることも

蒸発することも

ゆるされないわたしは


べたべたとねばり

甘い香りを放って

誰かの複雑な表面を覆う。


ざらざらとした

ぬれて

かわいた


オウトツのある

かたく

やわらかい場所から


自分が

自分でないものの中に

溶けて消えていくのを


感じる。


その

あたたかさ。


思わず

声をあげるほどの

心地よさに

目を閉じる。


微笑み

のかたち。


守りたかったものの

記憶は

もう、ない。









実は

ホラー映画が結構好きで

なかでも「呪怨」シリーズなど大好きなのですが


先日

清水崇監督と数人でお会いし

お話を聞きながらお酒をいただくという

夢のような機会に恵まれました。


サム・ライミとの話など

ちょっとネットでは書けないのですが

お話はとても楽しく

ますますファンになってしまいました…。