2008-10-31

土・はだしの足 

テーマ:オモイデの輪郭


  観覧車 お台場 コスモス

夏が終わり空の色が変わると

その季節がくる。


ともだちと

ままごとの

決まりきったせりふに飽きた頃


 いこうか。


目を細め目配せをして

わたしたちは

遠いその丘をめざした。


いつから

そこに通うようになったのか

しらない。


なぜか道順だけは

その辺の

すべての女の子が知っていて


乱暴な男の子たちには

絶対に内緒の場所になっていた。


車の多い幹線道路を横切り

見慣れない住宅街をぬけると

草の茂る

大きな土地が開けている。


「開発」と書かれた

白い看板の横に

ヒステリックな「反対」の文字の

旗がいくつも並び


金網のフェンスで

ぐるりと囲まれている。


儀式のように靴をぬいで

フェンスの隙間から

こども薄っぺらい体を通すと

草と花の強いにおいがした。


 きれいだね。


一面のコスモスだった。


背より高くのびた花が

日を透かし

風が吹くたびに

同じ方向へゆれた。


みんな

絡み合った茎をほどき

夢中になって摘み続けた。


わたし以外は。


わたしはただ見ていた。


彼女たちの手の中で

薄桃のコスモスが

しおれていくのを。


彼女たちが

ほしがった美しさが

その手の中で

その手によって失われていくのを。


 誰のものにも、ならない。


手ぶらで帰るわたしを

不思議そうに観ながら友達は


花束を持たないほうの

細い腕を

わたしに絡ませて微笑んだ。


やさしい微笑だった。


風に揺れるコスモスのような。







コスモスを摘んできました。



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2008-10-24

けがれ

テーマ:カナシイトキ

蒼い空の日。


3番線のホームで

ながれていく

雲を見上げながら


わたしは

セカイの

ぎりぎりの端に

立っていた。


ゆれて。


日の光を

まぶたに受けて

幸せの記憶を

呼び戻す。


あの時


あなたも

笑っていたはず


それとも


心から

笑っていたのは

わたしだけ

だったのか。


線路脇の

名前も知らない

赤い花。


その

花びらの

美しさに

涙がにじむ。


セカイは

きれいで。


そそのかしたはずの

あなたは

人前で 

ののしってばかりいる。


わたしは

汚くて。


こどもみたいに

強く

唇をかんだ。


涙のわけを

痛さに置き換える。


もしわたしが

汚いなら

よごしたのは

あなたにちがいない。


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2008-10-17

知らない。

テーマ:開かれたマド


  観覧車 お台場 工事


黒い髪の

やせた女の子だった。

あまい

卵焼きの好きな。


いつも

自分の影と遊んでいた。

どこまでも広い

こころの中の世界で。


ひとつの口からこぼれた

ふたり分の言葉は


ほら。


ひかりながら

静寂に浮かんでいく。


なぜ

すべてを欲しがらないと

いけないんだろう。


淋しさから遠い

ゆるやかな時の流れ。


誰も必要でない証明と

誰かが必要だ、という証明を


幼いころから

わたしは

知らずに繰り返し


遠い未来の今


隣にいない

あなたを

愛するための準備をしていた。


きっと。


そうと 知らずに。





秋なのに

まだ

半袖ですごしています。


カメラが壊れて

修理中。


撮らないうちに

秋が

終わってしまいませんように。



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2008-10-10

ワイルドフラワー

テーマ:コトバにできない


コスモス トンボ 



たがいに


すきとか

あいしてるとか

一度も

言わなかったはずだ。


慎重な僕は

そんな君を

好きだったんだ、と思う。


潤んだまなざしに

誘われ

くりかえし抱いても


後ろめたくない

程度には

たぶん。


風に揺れる

君の

まっすぐな髪。


いつも変わらない

あかるい声と笑顔は


意地の悪い僕から

はずれた視線の先の

どこか

遠くへと向いている。


 いいの、か。

 いいんだ、な。


約束を破って

だれかと間違えて呼んで


乱暴に君をつかんで

強く君をゆすって


 ここまで、なら。

 こんなに、まで。


君への気持ちの強さを

認めたくない。



とるにたりない

自分自身に

気づいて


もう君のように


ただ感じるまま

声を上げることは

きっと

できない。


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2008-10-03

モトカレ

テーマ:約束

   

   お台場 夕焼け 夕暮れ
   

もう

2どと

見ることはない


と思った景色。


となりには

あなたがいて。


秋の海のゆらぎ。


ささやきの延長の

自然な沈黙。


並んで座るふたりの

微妙な距離が

別々の時間の

長さをしめす。


変わらないね、というあなたに

あなたも、と返す嘘が


どこか

負け惜しみのように響く。


あのころ

いつもいらだって


誰かを否定することだけで

いきていた人。


そんなあなたが

今は

やさしく微笑んで

遠い空を眺めている。


あなたを変えた

彼女は

どんなひとなんだろう。


わたしにも

新しい人がいて


だから


もう

忘れてたはずのあなたの

きにならないはずのあなたの


きいたことのない

穏やかな

包み込むような声に


わけもなく嫉妬する。


夕暮れ。


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