2008-08-29

晩夏

テーマ:告白

夏 神社


もう

なにより

光の強さがちがう。


あの日々の


目を細め

いっそ

閉じて


ただ

肌の焼かれる痛み


ふらちにも

自分からたちのぼる

食欲をそそる香りに


くらり。


めまい。


弛緩する筋肉。


あなたと


逃げ場もなく

すみずみまで

秘密もなく

あばかれた


あの季節が


静かな風になでられ

柔らかい光に包まれ

はっきりとした

境界を示して終わりを告げる。


時間、だ。


旅立つのに

準備はいらない。


ここにきたようにして

次の場所にいくだけだ。


終わり方にまで

こだわるあなたに

ことばひとつ残さず


あなたが見たことのない

わたしをはおって

歩き出す。


そして


遠く

目をこらしてさがす。


知らない場所を

知らないひとを


新しい季節の

新しい気持ちで。






joshuaさんのつけてくださった

コメントにちなんで

「晩夏」というタイトルで書いてみました。


最近、

パソコンの調子がよくないです。

いつも、ごめんなさい。


今年の次男の自由研究、

虫眼鏡で作ったズームレンズで

撮った写真です。


いつもの写真より

さらに明るい……ですね。


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2008-08-22

裏切りの理由

テーマ:開かれたマド

大きな手の内側

やわらかい手のひらは

表なのか裏なのか。


無言でたちつくすあなたが

にぎりしめた

こぶしが

ふるえている。


この部屋に

くるまえに


きっと


あのひとを

なぐってきた

こぶし。


その

とじた固い心をつかんで

わたしは舐める。


いらだった声で

あなたが

やめろ、と言うまで。


ぬれている。


あのひとと作った

かすかな

生臭い秘密の味がする。


うらぎったわたしを

なぐろうとしたはずの

固いこぶしをひらいて

あなたは


やわらかな手のひらで

わたしの頬を

たたく。


ぱん。


許し、の。


はじめてみせた

あなたの表情。


激しい憎しみさえ抑えて

手加減をするのが

あなた、だ。


肩を強く抱きしめ

なだめるように


その大きな手のひらで

泣きもしないわたしの

背中をさする。


「どうして?」という

あなたのうめき。


どんなことにも

理由なんてつけられる。


肯定のあかしに

わたしがごめんなさいと

あやまらないように

あなたはわたしの唇をふさぐ。


いつも


ひりひりする

強い気持ちしか

わたしには信じられない。


ごめんなさい。






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2008-08-15

夏の駅で

テーマ:約束

海沿いの電車に乗って

あなたに会いにいく。


近づいてくる

水平線の銀の

眩しい光に目を細めながら。


思い出の駅。

なつかしい潮の香り。


ホームに立ち

日傘の作る小さな影のなかで

かかとの高いサンダルの

細いストラップを直す。


ひとり。


お気に入りだった

真夏の午後のベンチは

あいかわらず

あいたままだ。


あそこに


汗ばむ制服の

取れていく

スカートのプリーツを

気にしながら


ひとつ先輩のあなたを

待ち続けた

わたしはいない。


学校の近くに住むあなたは

最寄り駅のここから

夏季講習に通った。


わたしは

夏休みも部活と偽って

この駅に通った。


早めに着く駅の

ベンチで本を広げて

じりじり肌を焼くじかん。


「羽鳥。今日も部活?」


わたしをよぶ

あなたを見上げると

太陽を背にして笑顔がみえない。


はい。


がんばるなあ。

ほら。じゃ、手をだして。


わたしの

広げた手のひらの上に

あなたは

そっと閉じた手をふれる。


かさ、と音がして

そこに現れたのは

乾いた

蝉の抜け殻だった。


なんですか、これ。


やる。


その茶色の

壊れやすいものを

わたしは

もうひとつの手で

ふたをして大切に持った。


あなたは

わたしのすることを

ただ黙ってじっと見ていた。


回想をさえぎって

次の電車の

到着を告げるアナウンスが流れる。


あれから

5回の別々の夏が過ぎ

わたしはもう肌を焼かない。


白い肌のわたしを見たら

あなたは驚くだろうか。


ここで、いい。


臆病なわたしは

着いたときから

帰る理由ばかりをさがしている。


拾ってきた抜け殻をベンチに置いて

滑り込んできた電車にのる

瞬間


せみ時雨にまじり

わたしを呼ぶ声が遠く。


振り向いても汗でにじんで

そこにあるはずの笑顔はみえない。





パソコンのトラブルで更新遅れました。

ごめんなさい。


夏の思い出は

眩しいものばかりです。

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2008-08-08

罰、ですらなく

テーマ:カナシイトキ

せめて

見つめあおう。


こんな風に

触れ合うときには。


せっかちに

微笑んで



傷つくために

いそいそと

愛しあって。


肌と肌の

心と心の

こすれる匂い。


耳を澄ます。

ここにあるはずの甘い声を探して。


ごめんなさい

ごめんなさい


君は

かすれた泣き声で

誰かに謝るばかり。


慰めよりも

もっと

乱暴に


僕は強く

君をつかむ。


許しを請うことは

許されたいと

願うことと同じではない


そう

知っているから


だまれ

だまれ


君を揺さぶって


僕は

まだ

攻撃をやめない。


君の君への

僕の僕への


いびつな自虐。


ほとんど

愛の形に似て。



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2008-08-01

歩いても歩いても

テーマ:大切なモノ

上着を脱いだだけで


つかれた脚を

なげだして

天井をただ

見上げているあなたの



が、たたみに映る。


その薄い暗さ。


抜け出した心が

かたちを変えて

かろうじて

あなたの体に繋がっている。


きけない。


玄関で迎えた時の

いつもより

明るすぎる笑顔が

わたしを静かに黙らせる。


まだ早い夜の

通りを過ぎる人の声。


風鈴をならして

内側も外側もなく

風が通り過ぎていく。


わたしは

台所にたって

ねぎを刻む。


ゆっくりと

味噌を溶いて

やさしい匂いで

あなたを包む。


ふれるかわりに

目をひらいたままの

あなたの呼吸をたしかめ


必死さを隠して


生きるための

手段で

あなたを

ここへ呼び戻す。




映画「歩いても歩いても」観ました。


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