2007-10-26

ふたしかな

テーマ:開かれたマド

   
  もんしろ


大きすぎるブックエンドに

はさまれた

少なすぎる思い出みたいに


不安定に寄り添って

ふたり

古いラヴソングを聴いていた。


生まれる前の

あるはずのない

懐かしい記憶を

ゆすぶられながら。


たった

ひとりのためだとしても

だれかのために

生まれてきたのなら


たしかな、意味がある。


そんな風に

安心したがる

日々があって。


かすれた弱い

高まりのない

連なりでも


音は


匂いのように

しっかり

体の中に

しみこんでくるのに。


ふたり


投げ出された脚の

並んでいる爪の

遠い

とるにたりない美しさ。


真実を

求めなくなってから

ようやく

安らかな気持ちで


互いのなかの静寂と

不在を聴く。


AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
最近の画像つき記事
 もっと見る >>
2007-10-19

真実

テーマ:喪失


   アプローチ




私たちには

シーツの上にしか

世界がなくて

そこで多くのときをすごした。


眠り食べ話す、こと。


やさしい動きにあわせて

体にまとわりつく布の

しわ


記録される重みの

白い二つのくぼみ。


どこからも

どこへも


遠い道のりを

這ってたどり着かなければ

ならないとしても


知りたい。


真実を

意味を

わたしたちの

出会ったわけを。


言葉は

撒き散らされない。

枕元に

丁寧に重ねられる。


明るい日差しの下で

わたしたちは

微笑んで

それを眺める。


いつでも

言葉を


削っていく、わたし。

足していく、あなた。


思わせぶりな世界の

シンプルな

真実をあばく。


こんなに近く

別々の

アプローチで。





AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2007-10-11

あのひと、わたしたち

テーマ:喪失

  
   白羽根
 

別れたあのひとと

会う代わりに

あのひとに近いあなたの

誘いに こたえた。


あなたは

あのひとの友人で。


やせましたね、と

さっと腕をとられる。

今までまともに目も

見なかったくせに。


あのひとのくれた重い苦しみ


その苦しみから

あなたが

わたしを救うというのなら


あんなに残酷なあのひとから

こんなに深く傷つく前に


どうしてわたしを

救ってくれなかったのだろう。


あのひとのやりかたの

キスの合間に

急いでさがす

あなたのあなたらしさを。


ずっと君と

こうしたかった、なんて


やさしくいたわるように

髪をなでてくれたけど

目を閉じて開く

そのときに


耳元でそっと秘密をあかす。


あなたを

あのひとの名前で

呼んでもいいよ、と。


そうか。


あなたの愛しているのは

わたしじゃない。


わたしと同じあのひとだと気づく。


アイツ ニ ナリタイ。

アイツ ニ ナッテ

キミヲ 。


わたしたちは

お互いを救う。


もつれ

重なりあって

あのひとに

かなしい呪いをかける。


思い知れ。







たまには

強い言葉を書いてみる。


せいいっぱい。


AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2007-10-05

パーティ

テーマ:シアワセのかたち

   
   赤月
 

   

ピアノの明るい旋律を消す

たくさんの話し声。


きらきらする

光の下で遠く

挨拶に忙しい彼を見る。


正装で主役で

とても

落ち着いていて


昨日と違う

たくましい背中

その背中に


今 着いた

髪の長いあの子が

しがみついていく。


彼は

笑いながら

眉を少し寄せて


彼女は

ほどかれないよう

まわした腕に

あと少しだけ力をこめる。


あんなふうに

服の上から

彼を抱いたことは

いちどもない。


知っているのは

はだかの

ふるえる

肩甲骨。


昨日の記憶に

だぶらせて


よそいきの

彼の背中の

その肩越しに


あの子の強い視線が

わたしをつかむ。


まるで

何かを告発するみたいに。


彼女のいない

彼との時間。


言葉より雄弁な

息遣いが

交わされるとき。


目の前で

飛び立つように

上体をそらせた彼の


おおきく

みじかい

叫び声をきく。


飛んだのか

飛べなかったのか

その後の


そのときにしかない

はにかむ彼の


幼くたよりない

笑顔が見たい。


コントロールできなかったことと

コントロールされたこと


たぶん

ただ

心を許したことに


彼の鍛えられた自尊心が

彼自身を

皮肉に笑う。


あ、もう。


彼女と絡み合った視線を

わたしからはずそう。


できるだけ表情は変えない。


ハイヒールの靴音さえ殺して

そっと

会場をでる。


新鮮な夜の

外の空気。


涙みたいに


光る星を見上げて

飛び立つように

上体をそらせてから


深く

冷たい

息を吸い込む。


このまま

傍観者でいるために。


微熱をはらむ体を

冷やして。






いいね!した人  |  コメント(4)  |  リブログ(0)

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。