2007-03-30

花見

テーマ:大切なモノ


 春の布団干し
 

 

芝生に敷いたビニールシート。


たくさんの食べ物と

たくさんのアルコール


青空の下で

みんなで丸く座って

乾杯すれば

紙コップに散り掛かる花びら。


隣では近すぎて

向かいでは

顔を上げられないから


ちょうど

あなたの横顔が見える場所で

わたしも

みんなの笑顔に混ざる。


頼りない

ストッキングのかかとを

長いスカートに隠すように

脚をきちんと折りたたんで。


青空に雲。

強い風。

満開の桜の下で

時間のながれがゆるんでいく。


だれかが授業の話をして

誰かが校歌をうたいだして

誰の心の中にも

思い出の桜が見える。


風に流れる髪。

制服だったわたしたち。

春の光みたいに

あいまいな自分。


大人になって

お酒を飲むのは

子どもになって

笑うため、かな。


お酒に弱いあなたは

いつもすぐに眠くなって

今日もはやばやと

シートに横になる。


わたしの場所からだと

見えないあなたの寝顔。


たのしく冗談など

言い合っていると

飲み物も

食べ物もすぐなくなって


じゃ、みんなで

もう一度買出しに。


寝ているあなたと

足の遅いわたしが取り残される。


大丈夫?と

ひとりごとをつぶやきながら

あなたの近く

寝顔の見えるそこまで行けば


横向きに体を丸め

あなたはぐっすりと眠っている。


静かな顔。

投げ出された腕。

うすく日に焼けた肌の上に


木漏れ日がゆらぐ。

寝息にあわせて

上下する胸の。

光と影の。


一枚の花びらが

あなたの長いまつげのうえにとまっている。


触れることはためらわれ

ただじっと

眺めていると

とじたまぶたからこぼれる一筋の涙。


頬に流れ星のような軌跡。

かなわなかった思いの残像。


今そこに

唇を押し当てたいと思いながら

薬指と中指の先で

やさしくぬぐう。


あなたの瞼がひらいて

濡れた黒い目が

ゆっくりと開いたら


その視線を受け止めて

あなたが好きです、と言ってしまおう。

悲しい話をすべて

ただ聞くための準備をして。







今日はお花見に行きました。

桜の下でなら

片思いも実るような。

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2007-03-23

ためいき

テーマ:喪失

 ひよどり    

  

愛されるのが

あたりまえだと

思おうとしてた。


少しも母親じゃない。


だから

あなたには

ほんの少しの義務もなかったのに。


僕のくせのある髪を

指ですきながら


あなたが僕の

素直なことばを

どんなに待っているのか知りながら


みじめなくらいに

幼稚な自尊心を

ふりまわして


あなたを

傷つけたいと

思っていた。


支配。


それも

なんて未熟な。


あなたの

ひとみのなかに

僕の望んだ

おびえはなくて


悲しみがあふれ

でもけして

泣かない。


はじめて


あなたに

愛されるかわりに

許されることが

こんなに僕を苦しくさせる。


皺のよった

白いシーツの上


しぼるように

散らされる


ためいき。






いくつで

手放したんだろう。


「素直」になることを

学ばなければいけないなんて。

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2007-03-17

片恋

テーマ:シアワセのかたち

   
   こぶし。


きせつの

かわりめの

つよい

かぜ。


うつくしいものしか

ゆるしたくなくて


しあわせではなく

かなしみに

ひたる。


ひとり、だと

かんじるためには

だれかがひつようで


ふりむかない

あなたの

えがおが

ひつようで


かげにたち

ひかりにむかっていく

まっすぐなきもちが

ひつようで。


うちあけない。


だから

だれにも

よごされない。


ねがうためだけの

ねがい。


いのるためだけの

いのり。


おくのほうで


あいされることを

こばむ

あいするためだけの。


こころ。


すきとおる

こどく。






心のどこかで

相手にふりむいて欲しくない、と思っている

片思いがあります。


見つめあっても

手にするのは

別の種類の孤独だから。


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2007-03-09

依存

テーマ:約束

ねこじゃらし



いつからだろう。


私の言葉を

誰も

書きとめなくなったのは。


何かを

失えるほど十分に

大きくなって。


私のなかの

何気ない言葉が


魔法のように

誰かのこころを

動かしたこともあったのに。


誰かの


優しい手で

綴られた文字は

わたしが

獲得したものについて書かれ


暖かい微笑で

くだされた評価は

わたしに

価値というものを教えた。


あなたには見えるんだね。


わたしが

必死でしがみついている誰か、が。


そんな宙ぶらりんなところで

苦しんでいないで

手をサッと離してごらん、と


受け止めてくれるのかと

誤解しそうになるほど

甘く。


朝の

美しい鳥の歌の

夜の

優しい衣ずれの音のかわりに


あなたに

わたしの言葉を

書きとめて欲しい。


あなたの肩に

しがみついた時には

言葉にならなかった言葉を

思い出すから。


嗚咽で消された

あたらしい言葉で

あなたの感情を

強く捕まえて見せるから。


それまで


あなたの腕の中で

震えていることを

許してください。




「どうしてそんなに

人に依存したがるの」と

聞かれたことがある。


気持ちがよいから

自信がないから

怖いから、 かな。


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2007-03-02

白木蓮

テーマ:約束


     白光



届かない。

香りばかりで。


開かない。

空ばかり見つめて。


白いから

清らかだと思われて。


群れて。


硬い体で拒んで。


ただ


あなたが

わたしを想って

泣くのを

感じることがすべてだった。


わたしの中の

あたたかい想い。


涙の匂いが

心を満たす。


気がつかれないように

顔をあげたまま微笑む。

このちいさな幸せに。


こう、かな?


あなたがのぞむとおりに

ちいさく

震えて見せるから


おねがい。


手を伸ばして

わたしを折らないで。


こんなに

やわらかいから

大きな手の中で

つぶれてしまう。


ぬかるんだ

土に落ちて

醜く汚れてしまうから。


ほら。

やっぱり。


あなたは

わたしを拾って

両方の手をよごす。


嗅ぐように

口づけて

わたしに残った

白い記憶を愛してくれる。


わたしの知らなかった愛しかた。

わたしじゃなくなったわたし。


それから

そっと

足元に

わたしを落として


あなたは

土のついた手を

丁寧に拭く。


春風。

更新。


罪を嘆きながら

新しい花をさがす

あなたの足元で


今度はわたしが

もう二度と

振り向かないあなたを

見上げている。


あなたの向こうの

空が遠い。






近所の公園で白木蓮を見ました。

まだほとんど、つぼみでした。


美しい白木蓮。

高い枝の先で咲きます。


いつも空を向いて

半分くらいしか花弁を開かないので

顔を見られたくないのかな、などと

考えたりしました。


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